結論:労災の休業補償に賞与は含まれません

労災の休業補償は休業1日につき給付基礎日額の80%(休業(補償)等給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。給付基礎日額は事故直前3か月間の賃金総額を暦日数で割って計算し、賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含めません。賞与が反映されるのは障害・遺族・傷病のボーナス特別支給金のみです。2026年9月3日確認の厚生労働省公式情報で整理します。

休業補償の金額の仕組み

休業(補償)等給付は、業務上または通勤による負傷・疾病で療養のため働けず賃金を受けられないときに、休業4日目以降について1日ごとに支給されます。支給額は給付基礎日額を基礎として計算します。休業特別支給金の20%も給付基礎日額を基礎とするため、賞与の有無で休業1日分の金額が増えることはありません。全国共通の原則です。

休業1日分の内訳は給付基礎日額の80%です
給付の種類支給割合計算の基礎
休業(補償)等給付給付基礎日額の60%給付基礎日額
休業特別支給金給付基礎日額の20%給付基礎日額
合計給付基礎日額の80%休業4日目以降1日につき

給付基礎日額の計算方法

給付基礎日額は、原則として労働基準法第12条の平均賃金に相当する額です。労災保険法第8条第1項に定められています。平均賃金は、事故が発生した日、または医師の診断で疾病の発生が確定した日の直前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った1日当たりの金額です。賃金締切日が定められているときは、その直前の賃金締切日を起算点とします。福井労働局の解説と厚生労働省の計算例で確認しています。

給付基礎日額の計算で除外・確認する点

  • 賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含めません
  • 結婚手当など臨時に支払われた賃金は含めません
  • 起算点は賃金締切日がある場合は直前の締切日です
  • 給付基礎日額に1円未満の端数がある場合は1円に切り上げます
  • 保険給付と特別支給金の計算で1円未満の端数が出た場合は切り捨てます

具体例で確認する計算手順

厚生労働省の計算例では、月20万円の賃金で賃金締切日が毎月末日、事故が10月に発生した場合を案内しています。直前3か月は7月から9月で、暦日数は92日です。賞与を受け取っていても、この計算には加えません。手順ごとに確認します。

月20万円の例の計算手順

  1. 手順1:直前3か月の賃金総額を確認します。20万円×3か月=60万円です
  2. 手順2:直前3か月の暦日数を確認します。7月31日+8月31日+9月30日=92日です
  3. 手順3:60万円÷92日≒6,521円73銭を1円に切り上げて6,522円が給付基礎日額です
  4. 手順4:保険給付は6,522円×0.6、特別支給金は6,522円×0.2で計算し、1円未満は切り捨てます
  5. 手順5:合計は3,913円+1,304円=5,217円が休業1日分の支給額です
月20万円の例の金額確認
項目金額
直前3か月賃金総額600,000円
暦日数92日
給付基礎日額6,522円
休業1日分の合計5,217円

賞与が反映されるのは障害・遺族などの特別支給金のみ

厚生労働省のQ&Aでは、ボーナスは本体給付には反映されず、特別支給金の一部に反映されると案内しています。対象は障害特別年金・障害特別一時金・遺族特別年金・遺族特別一時金・傷病特別年金で、いわゆるボーナス特別支給金と呼ばれます。休業補償の本体60%と休業特別支給金20%には反映されません。特別加入者にはボーナス特別支給金は支給されません。

賞与の扱いで間違えやすい点

  • 3か月を超える期間ごとの賃金が対象です。賞与のほか6か月ごとの勤勉手当などが例示されています
  • 6か月定期券の購入便宜のために一括支給された通勤手当など、毎月分の前渡しと認められるものは本体給付に反映されます
  • 結婚手当・出産手当など臨時に支払われた賃金は本体・特別のどちらにも反映されません
  • 特別支給金に反映されるかは計算期間が3か月を超えるかで判断します

日給・時給とスライド・限度額の注意点

日給・時間給・出来高払いなどの場合は、原則の計算方法の額と、算定期間の賃金総額を実際に働いた日数で割って60%を掛けた最低保障額を比べて、高い額を平均賃金とします。給付基礎日額は賃金水準の変動に合わせたスライド制と、年齢階層別の最低・最高限度額の対象です。休業給付は四半期で10%を超える変動があった場合に翌々四半期から改定され、療養開始後1年6か月を経過した場合は限度額が適用されます。金額は改定されるため、最新の案内を確認してください。

よくある誤解と確認手順

賞与が多いほど休業補償が増えると考えて見積りを誤る方がいます。次の順序で確認してください。

  1. 給与明細の直前3か月の課税前賃金総額を確認し、賞与明細は分けて考えます
  2. 賃金締切日を確認し、直前3か月と暦日数を特定します
  3. 残業代や各種手当は毎月の賃金として含め、賞与と臨時手当は除外します
  4. 給付基礎日額を計算し、1円未満は切り上げます
  5. 休業1日分は給付基礎日額の80%で試算し、個別の支給決定は所轄労働基準監督署へ確認します

よくある質問

賞与が多いと休業補償は増えますか

増えません。休業補償の本体60%と休業特別支給金20%はどちらも給付基礎日額を基礎とし、給付基礎日額に賞与は含めないためです。賞与が多い方も、直前3か月の毎月の賃金で計算します。賞与が反映されるのは障害・遺族・傷病のボーナス特別支給金です。

残業代や手当は給付基礎日額に含まれますか

残業代や毎月支払われる各種手当は直前3か月の賃金総額に含めて計算します。一方、年2回の賞与など3か月を超える期間ごとの賃金と、結婚手当などの臨時賃金は含めません。6か月定期券の便宜のための通勤手当一括支給など、本体に反映される例外もあります。

出典と確認日

当サイトの内容は参考情報です。具体的な支給可否・金額は、所轄労働基準監督署などの最新案内をご確認ください。以下は2026年9月3日確認の公式情報です。