介護休暇は、要介護状態にある家族の通院付き添い・介護サービスの手続き代行などに使える休暇です。対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日まで、1日または時間単位で勤務先へ申し出て取得できます。
介護休暇の基本
| 項目 | 全国共通の原則 |
|---|---|
| 利用目的 | 対象家族の介護、通院等の付き添い、介護サービスを受けるための手続き代行など |
| 取得日数 | 対象家族が1人なら1年度に5労働日、2人以上なら10労働日まで |
| 取得単位 | 1日または時間単位 |
| 申出先 | 勤務先が指定する上司、人事・労務担当、社内申請窓口 |
| 年度 | 勤務先が別に定めない限り、4月1日から翌年3月31日まで |
| 休暇中の賃金 | 勤務先の就業規則・賃金規程を確認 |
介護休暇を使える場面
介護休暇は、日常的な介護の必要にスポットで対応するために使います。
- 対象家族の食事、排せつ、移動などの介護をする
- 病院・診療所への通院や介護認定調査などに付き添う
- 介護サービスの利用申込み、契約、ケアマネジャーとの打合せなどを代行する
- そのほか、要介護状態にある対象家族に必要な世話をする
対象になる家族
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。同居していることは要件ではありません。
| 対象になる家族 | 補足 |
|---|---|
| 配偶者 | 婚姻届を出していない事実婚の相手を含む |
| 父母・子 | 養父母・養子を含む |
| 配偶者の父母 | 義父・義母 |
| 祖父母・兄弟姉妹・孫 | 同居の有無を問わない |
対象になる労働者と2025年4月の変更
日々雇用される労働者を除き、正社員だけでなく、パート、アルバイト、有期雇用の労働者も対象になり得ます。介護休業とは異なり、有期雇用であることを理由とする追加の契約期間要件はありません。
ただし、労使協定がある場合は、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者を対象外にできることがあります。勤務先の育児介護休業規程と労使協定を確認してください。
取得できる日数と時間単位の数え方
取得日数と単位の基本です。
- 対象家族が1人の場合は、1年度に5労働日までです。
- 対象家族が2人以上の場合は、家族ごとに5日ではなく、合計で1年度に10労働日までです。
- 1日単位のほか、1時間単位で取得できます。
- 法定の時間単位取得は、始業時刻から連続する時間、または終業時刻まで連続する時間が基本です。
- 勤務先が法定基準を上回り、勤務途中の中抜けや半日単位など、より柔軟な制度を設けることは可能です。
勤務先への申出方法
介護休暇の申出では、次の事項を勤務先へ明らかにします。会社指定の申出書があれば、その様式を使います。
介護休暇の法定の申出事項です。
就業規則・育児介護休業規程で、申出先、社内様式、残日数、休暇中の賃金を確認します。
取得する日または時間、対象家族、続柄、介護を必要とする状況を、上司や人事・労務担当などの指定窓口へ連絡します。
会社指定の介護休暇申出書がある場合は提出します。急な事情で当日に電話等で申し出た場合は、会社の案内に従い、出勤後速やかに書面を提出します。
勤務先から続柄や要介護状態を確認する資料を求められた場合は、準備できる資料を提出します。申出日・取得日時を確認できる控えや送信記録を残します。
診断書や要介護認定通知は必須?
勤務先は、対象家族との続柄や要介護状態を確認できる資料の提出を求めることができます。ただし、医師の診断書や介護保険の要介護認定結果通知書など、特定の書類だけを制度利用の一律の条件にすることはできないと厚生労働省は示しています。過大な負担にならない確認方法を勤務先と相談してください。
介護休暇と介護休業の違い
| 比較項目 | 介護休暇 | 介護休業 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 通院付き添い・手続き代行など日常的な介護への短期対応 | 介護サービスの手配や家族分担など両立体制を整える |
| 利用できる期間 | 年5日。対象家族2人以上は年10日 | 対象家族1人につき3回、通算93日 |
| 取得単位 | 1日または時間単位 | 連続した一定期間 |
| 申出時期 | 一律の法定事前期限なし | 希望どおりの日から始めるには原則2週間前まで |
| 雇用保険給付 | 介護休業給付金の対象外 | 要件を満たせば介護休業給付金の対象 |
よくある質問
介護休暇は有給ですか?
勤務先の規程によります。介護休暇の日数と、休暇中に賃金が支払われるかは別の確認事項です。申出前に就業規則・賃金規程を確認してください。
当日に介護休暇を申し出てもよいですか?
急な通院付き添いなどでは当日の申出も想定されています。会社指定の連絡先へ速やかに連絡し、指定様式がある場合は出勤後などに速やかに提出してください。
別居している兄弟や祖父母のためにも取得できますか?
対象家族は同居を要件としていません。兄弟姉妹や祖父母が要介護状態にあり、その介護や必要な世話をする場合は対象になり得ます。
入社したばかりのパートでも取得できますか?
日々雇用される場合を除き、対象になり得ます。2025年4月以降は、継続雇用6か月未満を理由とする労使協定上の除外は廃止されています。ただし、労使協定により週の所定労働日数が2日以下の労働者が対象外となる場合があります。
忙しい時期を理由に会社から拒否されることはありますか?
要件を満たす申出を、繁忙だけを理由に拒むことはできません。ただし、労使協定による対象外や、時間単位取得が困難な具体的業務についての時間単位除外がある場合は、その範囲を確認してください。
申出前のチェックリスト
勤務先へ連絡する前に確認する項目です。
まず勤務先の育児介護休業規程を開き、介護休暇の申出先、残日数、賃金の扱いを確認してください。急な事情がある場合は、取得日時と対象家族を整理し、指定窓口へすぐに連絡します。個別の対象判定や会社独自の上乗せ制度は、人事・労務担当または都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ確認してください。