結論:7月10日を過ぎると延納はできず一括納付・延滞金の対象です
労働保険の概算保険料の延納(分割納付)を7月10日(土日祝の場合は翌営業日)までに申請しなかった場合、当年度の延納は認められず、全額を一括で納付します。法定納期の翌日から年率14.6%(日歩4銭)の延滞金がかかり、督促状や職権による確定、最悪の場合は財産の差押えにつながるため、速やかに申告・納付してください。
まず確認:延納できる条件と7月10日の意味
延納は、概算保険料の負担を軽減するため、一定の要件を満たす事業所が3回に分割して納付できる制度です。厚生労働省と鹿児島労働局の公式情報によると、要件と期限は次のとおりです。
延納の主な要件
- 概算保険料額が40万円以上(労災保険または雇用保険のどちらか一方のみ成立している事業は20万円以上)
- または労働保険事務組合に労働保険事務を委託している
- 継続事業で10月1日以降に保険関係が成立した事業は延納不可(成立日から3月31日までを一括納付)
- 有期事業は全期間6か月超かつ概算保険料75万円以上でおおむね同様に分割可
延納の申請は、年度更新(原則6月1日〜7月10日)の際に「労働保険 概算・確定保険料申告書」の延納申請欄に記載して同時に提出します。後から延納だけを追加申請することはできません。
| 事業の区分 | 第1期の期間と納期限 | 第2期の期間と納期限 | 第3期の期間と納期限 |
|---|---|---|---|
| 前年度以前に成立(継続事業) | 4/1〜7/31 納期限7/10 | 8/1〜11/30 納期限10/31 | 12/1〜3/31 納期限1/31 |
| 4/1〜5/31に成立 | 成立日〜7/31 納期限は成立日から50日以内 | 8/1〜11/30 納期限10/31 | 12/1〜3/31 納期限1/31 |
| 6/1〜9/30に成立 | 成立日〜11/30 納期限は成立日から50日以内 | 12/1〜3/31 納期限1/31 | — |
7月10日を過ぎたらどうなるか
7月10日を過ぎて延納の申請が間に合わなかった場合、当年度の概算保険料は分割できず、一括で納付する扱いになります。7月10日が土曜の場合は7月12日、日曜の場合は7月11日が期限となるため、カレンダーの曜日も必ず確認してください。
実務では、7月10日を過ぎると次のような流れになることが一般的です。7月下旬に所轄労働基準監督署から連絡、9月下旬に労働局徴収課が職権で保険料を確定、11月上旬に督促状が発送されます。督促状の指定期限(例:11月25日)を過ぎると延滞金が本格的に計算されるため、早めの一括納付が負担軽減につながります。
過ぎてしまったときの対処手順
賃金総額を集計し、概算保険料を再計算する
4月1日から翌年3月31日までに支払う見込賃金総額に労災保険率と雇用保険率を乗じて概算保険料を算出します。被保険者負担分を除いた事業主負担分も整理しておきます。
労働保険 概算・確定保険料申告書を作成する(延納欄は空欄=一括)
延納を希望する欄は記載せず、一括納付として申告書を作成します。訂正が必要な場合は二重線で修正し、新たな納付書は金融機関で取得できます。
所轄労働基準監督署・ハローワークまたは労働局徴収室へ速やかに申告し、金融機関で一括納付する
提出先は事業所を管轄する労働基準監督署またはハローワーク、もしくは労働局労働保険徴収室です。申告書は窓口・郵送・e-Gov電子申請のいずれか、納付は銀行・ゆうちょ銀行・信用金庫等の金融機関、または労働局・監督署の窓口でも可能です。
督促状が届いている場合は指定期限までに納付し、延滞金の有無を確認する
督促状の納付期限までに納付すれば、延滞金の加算を最小限に抑えられます。不明点は管轄労働局 労働保険徴収室(例:福井労働局 0776-22-0112)へ相談してください。
提出先と納付場所の整理
申告書の提出先
- 所轄の労働基準監督署(労災担当)
- 所轄の公共職業安定所(雇用保険担当)
- 管轄労働局 総務部 労働保険徴収室(徴収係)
保険料の納付場所
- 取引金融機関(銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫、信用組合等)
- 労働局労働保険徴収室または各労働基準監督署の窓口
よくある質問
7月10日が土日祝のときは期限が延びますか?
はい、延びます。7月10日が土曜の場合は翌々日の月曜(7月12日)、日曜の場合は翌日の月曜(7月11日)が納期限です。6月1日についても同様に、土曜なら6月3日、日曜なら6月2日が開始日となります。年度更新期間は毎年カレンダーで確認してください。
労働保険事務組合に委託していれば7月10日を過ぎても延納できますか?
いいえ、申告・申請期限自体は変わりません。委託していても年度更新の申告書提出(6月1日〜7月10日)に延納申請を同時に行う必要があります。委託の効果は、2期分の納期限が10月31日から11月14日、3期分が1月31日から2月14日に延長される点です。期限後の申請は一括納付になります。
延納を申請し忘れただけで分割できないのですか?
はい、延納は申告書提出時の申請が要件のため、後から分割への変更は原則できません。当年度は一括で納付し、翌年度以降の年度更新で改めて要件を満たせば延納を申請できます。7月10日を過ぎた分は一括納付と延滞金の有無を確認してください。
10月1日以降にできた会社も延納できますか?
継続事業で10月1日以降に保険関係が成立した場合は、延納は認められません。成立日から年度末(3月31日)までの期間の保険料を一括で納付します。有期事業の場合は別基準(全期間6か月超かつ75万円以上)で判断されます。
まとめ:次の行動
延納の申請漏れや7月10日の期限超過に気づいたら、賃金総額の集計→申告書の一括作成→所轄監督署・ハローワーク・労働局徴収室への速やかな申告と金融機関での一括納付を進めてください。延滞金は法定納期の翌日から年14.6%で計算されるため、督促状を待たずに納付することが最も負担が少なくなります。不明な場合は管轄労働局の労働保険徴収室へご相談ください。