育児休業給付金は原則として事業主がハローワークへ申請しますが、会社が手続きをしてくれないときは本人が直接管轄のハローワークへ相談し申請できます。初回の支給申請は育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までに行い、2回目以降はハローワークが指定する支給申請月に申請します。手続きは2年の時効内に行えば支給を受けられますが、遅れるほど入金も遅れるため早めの相談が重要です。

症状を確認する:会社が申請してくれない状態とは

次のような状況は「事業主が申請してくれない」状態に該当し、本人がハローワークへ相談する対象です。

該当例

  • 育児休業の申出は受理されたが、2週間以上たってもハローワークから受給資格確認通知が届かない
  • 人事・総務に何度依頼しても「後で対応する」と先延ばしにされる
  • 会社が「育児休業給付金は自分で申請してほしい」と言うが手順が分からない
  • 退職予定を理由に「申請はしない」と言われた(退職予定だけでは不支給になりません)

まず事業主へ確認・催促する

ハローワークへ相談する前に、事業主へ一度正式に確認します。口頭だけでなく、メールや書面で依頼履歴を残すと後の手続きが円滑です。

確認・催促チェック

本人がハローワークへ相談・直接申請する手順

厚生労働省のQ&A(Q55)では、育児休業給付金の申請手続は原則として事業主を経由する必要がありますが、被保険者本人が希望する場合は本人が直接申請することも可能とされています。事業主経由で行いつつ出生後休業支援給付金のみ本人が申請することも可能です。

事業所の所在地を管轄するハローワークを確認する。厚生労働省の「ハローワーク」一覧や育児休業等給付コールセンター(0570-200-406 平日8:30~17:15)で確認できます。

ハローワークへ電話または窓口で「育児休業給付金を事業主が申請してくれないため、本人が申請したい」と相談する。受付時間は8:30~16:00です。

指示に従い、必要書類を準備する。事業主の協力が得られない場合、賃金台帳や出勤簿は会社に作成義務があるため、ハローワークが事業主へ提出を促すこともあります。

管轄ハローワークへ書類を提出する。原則は窓口ですが、電子申請も利用できます。提出後、受給資格が認められると「育児休業給付金支給決定通知書」が交付され、支給決定後約1週間で登録口座へ振り込まれます。

必要書類

育児休業給付金(初回)の主な提出書類は次のとおりです。出生時育児休業給付金を同時に申請する場合は同様の書類に加え、出生後休業支援給付金の要件確認書類が必要になることがあります。

初回申請の提出書類
区分書類備考
1雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書未提出の場合のみ。事業主作成。
2育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書ハローワークまたはハローワークインターネットサービスで入手。
3賃金台帳、労働者名簿、出勤簿またはタイムカード休業開始・終了日、賃金額、休業・就業日数を確認できるもの。
4母子健康手帳(出生届出済証明のページ)など育児の事実、出産予定日・出産日を確認できるもの(写し可)。住民票、医師の診断書でも可。
5払渡希望金融機関の情報過去に雇用保険給付の登録口座がある場合や、マイナンバーを届け出てマイナポータル公金受取口座を希望する場合は提出不要。新規登録時のみ通帳写し等が必要。

2回目以降は、ハローワークから交付される「育児休業給付金支給申請書」に、支給対象期間中の賃金台帳・出勤簿等を添えて提出します。延長する場合は、別途「延長事由認定申請書」や市区町村の保育所申込書写し・入所保留通知書が必要です。

申請期限と支給タイミング

主な申請期限
給付申請が可能になる日申請期限
出生時育児休業給付金子の出生日等から8週間を経過する日の翌日(取得日数が28日に達した場合は達した日の翌日、2回目は終了日の翌日)申請可能日から2か月を経過する日の属する月の末日まで
育児休業給付金(初回)育児休業開始日育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日まで(受給資格確認のみの場合は支給申請日まで)
育児休業給付金(2回目以降)支給単位期間の末日ハローワークが指定する支給申請月の支給申請日(次回支給申請日指定通知書に記載)

自分の申請がされているか確認する方法

ハローワークのQ99では、自分の育児休業給付の申請状況は管轄ハローワークやコールセンターへ問い合わせることで確認できるとされています。申請後は「受給資格確認通知書」や「支給決定通知書」が交付されます。不支給となった場合は理由が記載され、不服がある場合は審査請求が可能です。

確認手段

  • 管轄ハローワークへ電話・窓口で雇用保険被保険者番号を伝えて確認する
  • 会社へ「次回支給申請日指定通知書」の有無を確認する
  • 口座への入金(支給決定後約1週間)を記帳で確認する

会社が手続きしない場合の責任と相談先

育児休業給付金の支給申請は事業主に法令上の義務として位置づけられていますが、事業主が手続きを怠ったために支給が遅れた場合、賃金台帳等の証明書類の交付義務違反として行政指導の対象となることがあります。本人が不利益を受けた場合は、管轄ハローワークのほか、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)や総合労働相談コーナーでも相談できます。

よくある質問

会社が「自分で申請して」と言いました。本当に自分で申請できますか?

できます。厚生労働省のQ&A Q55で「原則として事業主を経由して行う必要がありますが、被保険者本人が希望する場合は本人が申請手続を行うことも可能」と示されています。管轄ハローワークへ相談し、必要書類を本人が提出してください。

期限を過ぎてしまいました。もう申請できませんか?

2年の消滅時効内であれば申請できます。出生時育児休業給付金は申請可能日から2か月以内、育児休業給付金は初回4か月以内が原則期限ですが、過ぎた場合も管轄ハローワークへご相談ください。遅れるほど支給も遅れます。

退職を予定していると会社が申請を拒みます。どうなりますか?

育児休業の当初から退職を予定している場合は支給対象外ですが、受給資格確認後に退職することとなった場合は支給対象です。Q50・Q51のとおり、支給決定後に退職しても既に受給した分を返金する必要はありません。まずはハローワークへご相談ください。

口座は会社の給与口座と同じでなければいけませんか?

被保険者本人名義の金融機関口座であれば指定できます。過去に雇用保険給付で登録した口座、マイナポータルに登録した公金受取口座(マイナンバーをハローワークへ届け出ている場合)も利用できます。新規登録時のみ通帳写し等が必要です。

まとめ

育児休業給付金は原則として事業主がハローワークへ申請しますが、会社が対応しないときは本人が直接管轄ハローワークへ相談・申請できます。まずは事業主へ書面で依頼し、対応がない場合は早めにハローワーク(受付8:30~16:00)または育児休業等給付コールセンター(0570-200-406)へ相談してください。初回は育児休業開始日から4か月以内、2回目以降は指定された支給申請月が期限で、2年の時効内に手続きすれば支給を受けられます。当サイトの内容は参考情報です。最終的な手続き・条件は管轄ハローワークの最新案内をご確認ください。