育児時短就業給付金の申請を会社が進めてくれない場合でも、被保険者本人が希望すれば、本人が受給資格確認と支給申請を行えます。ただし、育児時短就業開始時賃金の届出が必要なケースでは、その届出は事業主が行う必要があります。会社に任せたまま期限を過ぎないよう、最初の支給対象月と提出期限を確認し、勤務先の所在地を管轄するハローワークへ本人申請の方法と必要書類を相談してください。
本人申請できるケースと、会社に残る手続き
厚生労働省は、育児時短就業給付金の申請手続について、原則は事業主を経由するとしつつ、被保険者本人が希望する場合は本人が申請できると案内しています。会社が申請を止めているときは、本人申請へ切り替えられるかを確認しながら、会社が担当する届出と自分で準備する申請を分けて整理します。
| 状況 | 本人ができること | 確認する点 |
|---|---|---|
| 会社が申請を進めていない | 本人が受給資格確認と支給申請を行うことを希望すると伝え、管轄ハローワークへ相談する | 本人申請で使う現行様式、提出方法、会社が提出する書類を確認する |
| 育児休業から同じ子について引き続き時短就業を始めた | 本人が受給資格確認と初回支給申請を行える。育児時短就業開始時賃金の届出は不要となる場合がある | 育児休業の終了日と時短就業開始日の間が14日以内に該当するか確認する |
| 上記以外で開始時賃金の届出が必要 | 本人申請は可能だが、開始時賃金の届出は事業主が行う | 会社に届出の提出を依頼し、提出できない場合はその事情を管轄ハローワークへ説明する |
| 開始日や週所定労働時間の書面がない | 手元の資料を集め、公式Q&Aが案内する証明書の利用を含めて提出先へ確認する | 現行の『育児時短就業期間等に係る証明書』の様式と作成・提出方法を確認する |
会社に申請を任せる前に確認する3項目
本人申請へ切り替える前に、次の情報をメモします。
育児休業から復職した日と時短就業を開始した日が同じ場合だけでなく、育児休業を終了した日と時短就業開始日の間が14日以内の場合も、同じ子について育児休業から引き続き時短就業を開始した扱いになります。この場合は、育児時短就業開始時賃金の届出が不要です。日付が曖昧なときは、育児休業の終了日、復職日、時短勤務の開始日を勤務先の記録と照合します。
本人申請に切り替える手順
会社の人事・総務へ、育児時短就業給付金を本人申請したいこと、時短就業の開始日、最初の支給対象月、会社が担当する開始時賃金の届出の有無を、メールなど記録が残る方法で確認します。会社が申請しない理由や、すでに提出した書類があるかも確認します。
手元の資料を集めます。労働条件通知書、育児短時間勤務申出書・取扱通知書、就業規則、給与明細、賃金台帳の写し、出勤簿・タイムカード、母子健康手帳など、開始日、賃金、支払状況、開始前後の週所定労働時間、育児の事実を確認できるものを整理します。
勤務先の所在地を管轄するハローワークへ、会社が申請を進めていないこと、本人申請を希望すること、時短勤務の開始日、同じ子の育児休業から引き続くケースかどうかを伝えます。本人が提出する現行様式と、会社が提出すべき開始時賃金の届出が残っているかを確認します。
案内された様式と資料をそろえて提出します。初回は「育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書」を使い、開始時賃金の届出が必要な場合は事業主の提出状況も確認します。電子申請はe-Govを利用できる場合があります。
2回目以降の申請がある場合は、ハローワークから交付される「育児時短就業給付次回支給申請日指定通知書」で指定期間を確認します。会社経由から本人申請へ変更する場合も、次回申請の様式と期限を提出先に確認します。
本人申請で準備する書類
初回申請では、提出先が指定する現行様式と、次の確認資料を準備します。
短縮後の週所定労働時間が20時間未満の場合は、子が小学校就学の始期に達するまでに週20時間以上へ戻る前提を就業規則などの書面で確認できることが、雇用保険の被保険者資格に関係します。この点に該当する場合は、就業規則や労働条件通知書を本人申請の資料に含めるか、提出先へ確認してください。
会社が書類を作ってくれない、手元にないとき
申請に必要な開始日や週所定労働時間の確認書類が作成されていない場合、厚生労働省のQ&Aは「育児時短就業期間等に係る証明書」を提出するよう案内しています。会社から必要な記録の写しを受け取れない場合も、給与明細、勤務表、労働条件通知書、育児短時間勤務の申出記録など手元にある資料を先に整理し、証明書の現行様式、作成者、代替資料の扱いを管轄ハローワークに確認します。
提出先と期限
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 勤務先の所在地を管轄するハローワーク。電子申請を利用できる場合はe-Govも確認します |
| 初回申請の期限 | 最初の支給対象月の初日から起算して4か月以内。時短勤務を開始した日そのものから数えるわけではありません |
| 2回目以降 | ハローワークが交付する次回支給申請日指定通知書に記載された申請期間内 |
| 期限が近い、過ぎた可能性がある | 受給可否を自己判断せず、時短勤務の開始日、最初の支給対象月、会社とのやり取り、手元の資料を持って管轄ハローワークへ直ちに相談する |
例えば、7月10日に育児時短就業を開始した場合、最初の支給対象月は7月です。初回申請の期限は、7月10日から4か月後ではなく、7月1日から起算した4か月以内として10月31日までとなります。
よくある質問
会社が申請してくれなくても、本人だけで完了できますか?
本人申請は可能ですが、すべての書類を本人だけで置き換えられるとは限りません。特に開始時賃金の届出が必要なケースでは事業主の届出が残ります。育児休業から同じ子について引き続き時短就業を開始した場合は、その届出が不要となるため、本人が受給資格確認と初回支給申請を行えるかを管轄ハローワークへ確認してください。
ハローワークに電話すれば、会社が申請したか教えてもらえますか?
申請状況は個人情報の関係で電話では回答されない場合があります。会社に提出日や通知書の有無を確認し、本人申請へ切り替えたい場合は、会社が未提出であることや手元の資料を伝えて、本人申請に必要な手続きを相談します。
会社の対応が遅れて期限を過ぎたら、もう申請できませんか?
この記事だけで申請できないと決めつけず、すぐに管轄ハローワークへ相談してください。時短就業の開始日、最初の支給対象月、会社とのやり取り、手元の資料をそろえて、受付方法と受給可否の判断に必要な対応を確認します。
育休から復職して時短勤務を始めた場合、本人申請で省略できる書類はありますか?
開始時賃金の届出と、一定の育児の事実確認書類が不要となる場合があります。育児休業の終了日と時短就業開始日、同じ子についての育児休業給付の受給状況を確認し、現行の提出書類をハローワークに確認してください。
一般的な対象条件を確認したい場合
本人申請の可否とは別に、2歳未満の子を養育するための所定労働時間の短縮、雇用保険の被保険者期間、各支給対象月の要件などを満たす必要があります。対象者、支給率、通常の必要書類を先に確認したい場合は、次の記事を参照してください。
育児時短就業給付金の申請方法|対象者・支給率・必要書類対象者、支給率、通常の必要書類、事業主申請の全体像を確認します。まとめ:期限を確認して、本人申請と会社の届出を分ける
育児時短就業給付金は、会社が申請してくれない場合でも、本人が希望すれば受給資格確認と支給申請を行えます。一方、開始時賃金の届出など事業主が担当する手続きが残るケースがあります。最初の支給対象月の初日から4か月以内という期限を確認し、会社へ記録が残る形で必要資料を依頼したうえで、勤務先の所在地を管轄するハローワークに本人申請の現行様式と必要書類を確認してください。