結論として、賃金支払基礎日数は「何日分の賃金を支給したか」で数え、離職日基準の期間で11日以上ある月を被保険者期間として数えます。令和2年8月1日以降の離職では、11日に満たなくても労働時間が80時間以上あれば同様に数えます。

対象と前提の確認

この記事は従業員の退職に伴い雇用保険被保険者離職証明書を作成する事業主や総務・人事担当者を対象としています。全国共通の雇用保険制度が対象で、提出先は事業所を管轄するハローワークです。2026年9月4日時点の公式情報で確認しています。

基礎日数が受給資格に与える影響

基本手当の受給には原則として離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。倒産や解雇等の場合などは離職前1年間に通算6か月以上です。1か月は離職日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月で数えます。疾病や出産等で30日以上賃金を受けられなかった期間がある場合は、その日数分だけ算定対象期間を延長でき最長は4年間です。

令和2年8月1日以降の離職では、賃金支払基礎日数が11日以上ある月または賃金の支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月を1か月として計算します。基礎日数が10日以下の期間がある場合は、その期間の労働時間数を備考欄に記入します。パートや短時間勤務でも基準は同じです。

給与形態別の数え方

給与形態別の数え方の要点をまとめます。自社の賃金規程に合わせて確認してください。

給与形態別の数え方の一覧です。
給与形態数え方注意点
完全月給制(欠勤でも減額しない)期間中の暦日数欠勤や遅刻があっても差し引きません
日給月給制(欠勤で減額する)1日単価による1か月分から欠勤控除日数を引いた日数遅刻早退のみは欠勤に含めません
日給制・時給制(パートを含む)出勤日数と有給取得日数と休業手当支払日の合計短時間勤務でも1出勤は1日です

間違えやすい休暇や勤務の扱い

実務で迷いやすい扱いを整理します。年次有給休暇の取得日は賃金が支払われるため基礎日数に含めます。無給の欠勤や休職期間は含めません。土日や公休日は完全月給制では暦日数に含めます。遅刻や早退でも賃金が支払われていれば1日として数えます。特別休暇は有給であれば含め、無給であれば含めません。会社都合の休業で休業手当が支払われた日は含め、備考欄に休業日数と金額を記入します。

期間の区切りの違いに注意します。離職日基準の期間と賃金締切日基準の期間は、日付がずれた形になりますが正しい記載です。無理に日付を合わせる必要はありません。離職日基準の欄は完全月が12か月、賃金締切日基準の欄は完全月が6か月になるまで記入します。

提出手順1:資格喪失届と離職証明書を準備します。被保険者でなくなった日の翌日から10日以内に事業所を管轄するハローワークへ提出します。

提出手順2:基礎日数と賃金額を記入します。上記の給与形態別のルールで基礎日数を数え、その期間の実労働分の賃金を記入します。離職者に内容を確認させたうえで氏名を記載させます。

提出手順3:確認資料を添付します。出勤簿またはタイムカード、賃金台帳または給与明細書、離職理由のわかる資料を添付します。傷病等で賃金なしの期間がある場合は医師の証明書等も添えます。

よくある質問:パートの有給休暇取得日は基礎日数に含めますか。含めます。出勤していなくても賃金が支払われる日は基礎日数に含まれるため、日給制や時給制でも1日として数えます。

よくある質問:基礎日数が10日の月がある場合はどうしますか。該当する月の労働時間数が80時間以上あれば完全月と同様に扱います。備考欄に当該期間の労働時間数を記入してください。