36協定届で労使協定書の添付を忘れると、労働基準監督署の審査で補正・差戻しになります。届出は受理されて初めて有効になるため、有効期間が始まる前に正しい方法で再提出が必要です。e-Govの場合は厚生労働省が示す最小限入力+別添で、窓口・郵送の場合は書類を揃えて2部で出し直します。所轄の労働基準監督署へ提出し、受理されるまで時間外労働は行わせないようにします。
この記事が対象とする症状
次のいずれかに当てはまる場合の直し方を解説します。
- e-Govで36協定届を申請し、協定書の添付漏れで要補正や差戻しと表示された
- 窓口で提出した際に労使協定書の添付が必要ですと指摘された
- 郵送後に監督署から電話や文書で添付書類の不足を指摘された
- 特別条項付きの協定で、特別条項の協定書写しの添付を忘れたと指摘された
差し戻される主な原因
添付忘れ以外にも、入力方法の誤りが原因で添付が必要と判断されることがあります。
- e-Govの様式に協定事項をすべて直接入力しようとし、入り切らないのに別添にしていない
- 2行目に詳細は別添労使協定書のとおり等の記載を入れず、空欄や不十分な記載のまま送信した
- ファイル選択で労使協定書を指定し忘れた、別ファイルと取り違えた
- 特別条項を設けたのに、特別条項に関する労使協定書の写しを添付しなかった
- 休日労働の始業終業時刻欄で自由入力欄のみに記載し、入力途中で改行してエラーになった
提出先と期限を再確認します
再提出でも、提出先と期限の原則は同じです。事業場単位で、管轄の労働基準監督署へ有効期間開始までに届け出ます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 事業場を管轄する労働基準監督署(窓口・郵送・e-Gov)支店・工場ごとに事業場単位で提出します |
| 期限 | 有効期間の開始前までに届出(届出をもって有効) |
| 有効期間 | 原則1年。定期的な見直しのため1年とすることが望ましいとされています |
| 提出部数(窓口・郵送) | 2部提出。受付印を押した1部が控えとして返却されます |
| 様式 | 一般条項は様式第9号、特別条項は様式第9号の2、その他研究開発・建設・自動車運転・医師等の業務に応じた様式を選択します |
回復手順1:e-Gov電子申請で再提出する場合
e-Govで協定事項が様式に入り切らない場合は、厚生労働省の注意事項(令和6年12月3日追記)に基づき、必要最小限の入力と別添で届出ます。添付忘れで差し戻された場合も、この方法で修正して再申請します。
差戻し内容を確認します。e-Govの審査状況で指摘された不足書類(労使協定書本体、特別条項の写し等)を特定し、手元に最新の労使協定書(労使双方の署名または記名押印のあるもの)を用意します。
申請様式の1行目に、延長することができる時間数が最も長い業務の協定事項を入力します。
2行目の入力を次のとおり行います。時間外労働をさせる必要のある具体的事由の2行目はプルダウンでその他(事由不明を含む)を選択し、自由入力欄に詳細は別添労使協定書のとおり等と記載します。業務の種類の2行目はプルダウンで分類不能の職業を選択し、同様に自由入力欄に詳細は別添労使協定書のとおり等と記載します。労働者数および延長することができる時間数の各2行目には、1行目と同じ数値を入力します。
休日労働の法定休日における始業及び終業の時刻欄を自由入力欄のみに記載する場合は、入力途中で改行しないようにします。改行するとエラーになる不具合が報告されています。
添付書類欄で労使協定書等のPDF等を指定し、漏れがないか確認して再送信します。特別条項付きの場合は、特別条項に関する協定書の写しも添付します。
回復手順2:窓口・郵送で再提出する場合
不足を指摘された書類を揃えます。協定届(該当する様式第9号等)と、詳細を記載した労使協定書(労使の署名または記名押印があるもの)を用意します。協定届と協定書を兼ねる場合は、届出書にも労働者代表の署名または記名押印が必要です。
再提出用に2部用意します。受付印を押した1部が事業場の控えとして返却されます。
窓口に持参するか、所轄労働基準監督署へ郵送します。郵送の場合は到着に要する日数を考慮し、有効期間開始に間に合うよう早めに送付します。不備が補正で済むか新たな届出として出し直すかは、指摘内容と監督署の指示に従います。
再提出が受理されるまでは、時間外労働・休日労働をさせないようにします。36協定は届出をもって有効になるためです。
よくある失敗と注意点
再提出時に繰り返しやすい誤りをまとめます。
- 有効期間の開始日を過ぎてから再提出し、空白期間に時間外労働をさせてしまう
- 支店・工場ごとに提出が必要なのに、本社分のみ提出して事業場分を出し忘れる
- 古い様式で提出する
- 36協定を締結しただけで届出を失念し、締結のみで有効と誤解する
- 労使協定書を3年間保存していない
有効期間と更新管理のポイント
有効期間は1年とすることが望ましいとされています。起算日は有効期間の開始日と一致させることが望ましく、必ずしも毎月1日でなくても構いません。事業が1年未満で終了する場合は、その期間について協定します。有効期間が切れる前に更新の締結と届出を済ませ、空白期間を作らないようにします。
よくある質問
e-Govで差し戻された場合、補正と新規届出のどちらで再提出しますか?
e-Govの審査結果で要補正と案内された場合は補正の流れで、不足書類を追加して再送信します。審査側の指示が不明な場合は、所轄労働基準監督署またはe-Govヘルプデスクに、受付番号と差戻し内容を伝えて確認します。再提出でも、厚生労働省の最小限入力+別添の方法で協定書を添付します。
窓口と郵送、どちらで再提出すべきですか?
いずれも所轄労働基準監督署が提出先です。窓口はその場で不備を確認できます。郵送は日数がかかるため、有効期間開始までに到着するよう余裕を持って送付します。いずれの場合も2部提出し、控えの保管と、労使協定書の3年間保存を忘れないようにします。
特別条項なしの一般条項でも協定書の添付は必須ですか?
e-Govの様式に協定事項がすべて入り切る場合は様式のみで届出できます。入り切らない場合は、詳細を記載した労使協定書を別添として添付します。特別条項を設ける場合は、特別条項に関する労使協定書の写し等が別途必要です。詳しくは所轄署の手引とe-Govの注意事項を確認します。
次の行動チェックリスト
再提出前に確認します。
まとめと相談先
36協定届で協定書の添付を忘れたときは、e-Govでは厚生労働省の別添ルール(最小限入力+別添労使協定書)で、窓口・郵送では2部で再提出します。事業場を管轄する労働基準監督署へ、有効期間開始までに届出て初めて有効になります。不明点は所轄の労働基準監督署の監督課へ相談します。東京労働局の様式ダウンロードページと手引、厚生労働省の電子申請注意事項は2026年8月29日時点の公式情報です。手続きの詳細は管轄署の最新案内もあわせてご確認ください。