退職月の最終給与が未計算でも、離職証明書を期限まで保留する必要はありません。賃金支払状況等を空欄にし、未計算である具体的事情を記載して、資格喪失届と離職証明書を先に提出できます。給与確定後は、管轄ハローワークの指示に従って正しい賃金情報を提出します。
最終給与が未計算のときの結論
| 状況 | 期限内の対応 | 給与確定後 |
|---|---|---|
| 退職月の給与が確定済み | ⑧~⑭欄を賃金台帳・出勤簿等と照合して提出します。 | 誤りがなければ追加対応はありません。 |
| 退職月の給与だけ未計算 | 未計算の賃金支払状況等を空欄にし、具体的事情を記載して提出します。 | ハローワークの案内に従い、適正な計算に基づく賃金情報を提出します。 |
| 賃金未払がある | ⑬欄へ賃金未払であることと未払額などの参考事項を記載します。 | 実際の支払・確定状況と追加対応を管轄ハローワークへ確認します。 |
| 未確定額を見込み計上しようとしている | 見込み額は記入せず、未計算として扱います。 | 確定した賃金台帳等に基づいて正しい額を届け出ます。 |
提出期限を給与支払日まで延ばせるわけではない
離職票を交付する場合、事業主は資格喪失届と離職証明書を、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、事業所所在地を管轄するハローワークへ提出します。最終給与の締日・支払日が後にあることは、期限を延ばす理由にはなりません。
空欄にする範囲と記載する内容
空欄にできるのは、未計算のため正確に記載できない賃金支払状況等です。離職日、被保険者番号、事業所番号、離職理由など、確認できる欄まで空欄にする取扱いではありません。未計算の範囲と理由を区別して作成します。
期限内提出前に、次の内容を確定してください。
離職理由の本人確認は退職前に行う
最終給与が未計算でも、⑦欄の離職理由は退職日までに離職者へ示せます。厚生労働省の現行手引きは、賃金計算が未処理で左側の賃金欄が未記入でも、⑯欄で事業主が記載した離職理由への異議の有無を確認してよいと案内しています。
| 欄 | 離職者が確認する内容 | 通常の対応 |
|---|---|---|
| ⑮欄 | ⑦欄の離職理由を除く離職証明書の記載内容 | 記載内容を確認してもらい、離職者の氏名を記載してもらいます。 |
| ⑯欄 | 事業主が⑦欄に記載した離職理由への異議の有無 | 退職日までに離職理由を見せ、異議の有無を選択し、離職者の氏名を記載してもらいます。 |
退職日までに、事業主が⑦欄へ記載する離職理由と具体的事情を離職者へ示します。最終給与が未計算でも、この確認を後回しにしません。
離職者に⑯欄の「異議有り・無し」を選んでもらい、氏名を記載してもらいます。離職者の主張が会社と異なる場合は、その相違を消したり会社判断だけで確定したりしません。
⑦欄以外の内容が確定したら⑮欄の確認を行います。すでに退職・帰郷して確認が取れない場合は、本人確認が取れない理由を記載し、事業主氏名を記載する取扱いを確認します。
紙申請で本人確認が取れない場合
紙の安定所提出用では、⑮欄または⑯欄で本人の確認が取れないとき、その理由を記載し、事業主氏名を記載します。本人の氏名を会社が代筆するのではありません。帰郷などで確認できない場合も、確認できなかった事実と理由を正確に残します。
本人確認が取れない場合に整理しておく記録です。
- 確認を依頼した日と方法
- 連絡に使用した退職後住所・連絡先の確認状況
- 確認できなかった具体的理由
- 離職理由を裏付ける退職届、契約書、通知書など
- 賃金内容を裏付ける賃金台帳・出勤簿など
e-Govでは確認書または疎明書を添付する
| 確認状況 | 電子申請での対応 |
|---|---|
| 離職者が電子的に確認できる | 離職者の電子署名を付与します。 |
| 紙などで記載内容を確認してもらった | 離職証明書の記載内容を確認したことを証明する確認書を添付します。 |
| 本人確認が取れない | 本人確認が取れない理由を説明する疎明書を添付します。 |
期限内に先行提出する手順
資格喪失日と提出期限を確認します。退職月の給与確定日が期限より後なら、空欄提出が必要になることを社内で共有します。
資格喪失届と離職証明書のうち、離職日、被保険者情報、離職理由、確定済みの賃金期間を作成し、賃金台帳・出勤簿・退職理由資料と照合します。
未計算の賃金支払状況等は推測せず空欄とし、未計算である具体的事情を記載します。賃金未払がある場合は⑬欄へその旨と未払額などを記載します。
紙申請は⑮・⑯欄、電子申請は電子署名・確認書・疎明書を、実際の本人確認状況に合わせて準備します。
e-Gov、ハローワーク窓口、やむを得ない場合の郵送で期限内に提出します。窓口の受付時間や郵送の取扱いは事前に管轄へ確認します。
最終給与が確定したら、賃金台帳・出勤簿等と照合し、管轄ハローワークから指定された方法で正しい賃金情報を速やかに提出します。
ハローワークから離職票-1・2が交付されたら、社内で止めず、離職者本人へ速やかに渡します。
給与確定後は管轄ハローワークの指示で補う
厚生労働省の公式案内は、空欄で先行提出した後、公共職業安定所から適正な賃金計算に基づく記載を求めるとしています。具体的に追加提出、補正、訂正のどの方法を使うかは処理状況で異なり得るため、自己判断で同じ申請を二重送信せず、先に提出先へ確認してください。
よくある質問
最終給与が確定するまで離職証明書を出せませんか?
待つ必要はありません。厚生労働省は、賃金計算未処理でも具体的事情を記載して先に届け出られると案内しています。提出期限を超過しないでください。
概算の給与額を書いて提出してもよいですか?
見込み額ではなく、未計算として扱ってください。給与確定後に、賃金台帳等に基づく正しい情報を管轄ハローワークの指示で提出します。
賃金欄が空欄でも離職理由の本人確認はできますか?
できます。退職日までに⑦欄の離職理由を示し、⑯欄で異議の有無と氏名の記載を受けてください。
退職者と連絡が取れない場合、会社が本人名を書いてよいですか?
会社が離職者の氏名を代筆する取扱いではありません。確認不能の理由を正確に記載し、電子申請なら疎明書を準備してください。
公式情報と確認日
この記事は、2026年7月30日時点で厚生労働省が掲載する「雇用保険事務手続きの手引き【第2編】被保険者資格の取得・喪失編【令和7年8月版】」と、同日時点で公式案内ページからリンクされている「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」を確認しています。後者のPDFは公式文書として参照し、画像としては使用していません。
次にすること
まず退職者の資格喪失日と10日期限、最終給与の確定予定日を並べて確認してください。給与確定が間に合わなければ、未計算の範囲と理由を整理し、本人確認の状況に応じた確認書または疎明書を準備します。提出前に管轄ハローワークへ、空欄部分を後日どの方法で補うかも確認してください。
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