傷病手当金 事業主証明と出勤簿が一致しないと照会が来たときの対応

傷病手当金の支給審査で、申請書3ページ目の「事業主が証明するところ」に記入された出勤状況や賃金と、実際の出勤簿や賃金台帳の内容が一致しないと、協会けんぽや健康保険組合から事業所へ照会が入ります。照会への回答が遅れると、受付から10営業日以内の支払い目安が2週間〜1か月に延びることがあります。原因を正しく直し、必要な添付で再提出すれば支給まで進めます。

照会が来る主な不一致パターン

照会が来る主な不一致パターン

  • 出勤した日に「〇」を付け忘れ、有給や公休を出勤と混同している
  • 早退した日に「早」を付けず、通常出勤として扱っている
  • 有給休暇の賃金を通勤手当・扶養手当などと混同し、日割りの金額欄(①〜⑩)に正しく記入していない
  • 通勤手当を月ごとに分けず、6か月分を1か月にまとめて記入している
  • 賃金が発生していないのに0円と記入すべきところを空欄にしている
  • 事業主証明の証明日が申請期間の最終日より前になっている

正しい事業主証明の書き方(記入の手引き準拠)

協会けんぽの記入の手引きでは、事業主証明の記入ルールが次のように定められています。

正しい事業主証明の書き方

  • 勤務状況:申請期間のうち出勤した日付を「〇」で囲む。所定労働時間の一部でも出勤したら「〇」、早退は「早」と記入する。有給や公休は「〇」を付けない
  • 賃金欄①〜⑩:出勤していない日(〇以外の日)に対して報酬等を支給した日と金額を記入する。有給の賃金、手当、現物支給が対象。残業手当や見舞金は記入不要
  • 通勤手当など一定期間分を一括支給する場合:対象期間と金額を「令和○年○月○日〜令和○年○月○日 90,000円」のように期間を明記する
  • 証明日:申請期間が経過した後の日付を記入する。未来日での証明は不可
  • 訂正時:誤りを二重線または黒塗りで消し、欄外に正記し、事業主印で訂正する。修正液は不可

照会が来たときの対応手順

照会文書の指摘箇所を確認する:どの日の出勤・賃金が不一致なのか、どの書類の提出を求められているかを確認します。

事業主証明を訂正する:誤った日付や金額を二重線で消し、欄外に正しい内容を記入し、事業主印を押します。範囲が広ければ新様式で再作成します。

求められた添付を用意する:出勤簿またはタイムカード、賃金台帳の写しを、支給開始日を含む月の前後分を含めてコピーします。取締役で賃金台帳がない場合は取締役会議事録を、資格取得後間もない場合は健康保険加入状況等申告書が必要になることがあります。

回答書類を加入先へ送付する:協会けんぽは支部宛て、組合健保は組合宛てへ郵送または電子申請で提出します。回答が遅れると時効(2年)に近づくため速やかに行います。

よくある質問

出勤簿とタイムカードはどちらを出せばよいですか?

いずれか一方で、出勤日が確認できるものを提出します。タイムカードがある場合はタイムカード、ない場合は出勤簿の写しを提出します。電子勤怠の場合は出力した帳票を提出します。

賃金台帳の写しは全従業員分が必要ですか?

申請者本人分のみで足ります。支給開始日以前の継続した賃金が確認できればよく、通常は支給開始月を含む数か月分を求められます。個人情報保護のため、他従業員の情報は不要です。

事業主が訂正に応じてくれない場合は?

まずは事業主へ記入の手引きを示して依頼します。応じない場合は、加入する協会けんぽ支部または健康保険組合へ相談してください。退職後で在職期間が含まれない申請は、事業主証明が空欄でも提出できる場合があります。

不一致による照会は、記入ルールを守ることで防げます。申請前に「〇」と「早」の付け忘れ、賃金欄の期間明記の有無、証明日の日付を再確認してください。不明な点は支部へ事前相談すると手戻りが少なくなります。