離職票-2や離職証明書の賃金額が実際と違うときは、離職票交付前なら事業主が訂正願で、交付後ならハローワークへ「離職票記載内容補正願」で是正できます。事業主が訂正に応じない場合でも、労働者本人が住居所を管轄するハローワークに賃金台帳・出勤簿・給与明細を持参して相談し、補正願を提出できます。ハローワークが事実関係を調査のうえ賃金額を判定します。

対象者とこの記事で分かること

この記事は、雇用保険の離職票-2(離職証明書)の賃金額、賃金支払基礎日数、支払対象期間の記載が給与明細や賃金台帳と合わない方、事業主に訂正を依頼したが応じてもらえない方が対象です。全国共通の原則と、離職票交付前後の分岐、ハローワークでの補正手続き、必要な確認資料、相談先を2026年8月23日時点の公式情報で整理します。

まず確認:離職票-2の賃金額はどこを見るか

離職票-2には、離職日以前の賃金支払状況として「賃金額」「賃金支払基礎日数」「賃金支払対象期間」が記載されています。厚生労働省の「離職証明書についての注意」では、事業主は賃金台帳、労働者名簿、出勤簿等で⑧欄から⑭欄の内容を確認できる資料を持参して離職証明書を提出するとされています。給与明細の総支給額と離職票-2の賃金額が一致しない場合は、手当の含め方や締め日の区切り、欠勤控除の扱いも含めて確認します。

離職票-2で確認する項目

  • 賃金額(各月の支払額。通勤手当や諸手当の含め方に注意)
  • 賃金支払基礎日数(賃金の基礎となった日数。11日以上で被保険者期間1か月)
  • 賃金支払対象期間(離職日の翌日に応当する日で区切った1か月ごとの期間)
  • 離職年月日・被保険者期間の算定対象期間

賃金額の誤りが与える影響

離職証明書・離職票の賃金は、失業等給付の受給資格、給付日額、所定給付日数の判断材料になります。厚生労働省の注意書きでも、賃金支払状況等の記載内容に基づき給付内容が判断されるため適正に記載するよう求められています。誤った賃金額のまま受給資格決定を受けると、基本手当が本来より低くなる可能性があります。

影響が出やすいポイント

  • 賃金日額の算定(直近6か月の賃金合計から算出)
  • 被保険者期間の判定(11日以上または80時間以上で1か月)
  • 離職理由と併せた給付制限・所定給付日数の判定

事業主が訂正に応じる場合と応じない場合の分岐

訂正の窓口は、離職票がまだ交付されていないか、すでに交付済みかで分かれます。東京ハローワーク飯田橋の案内では、離職票交付済みの場合は訂正願ではなく「離職票記載内容補正願」に事業主控・本人分・確認資料を添えて提出するとされています。

交付状況による手続きの分岐
状況提出する書類提出先対応者
離職票交付前(資格喪失届と同時または直後)訂正願+賃金台帳・出勤簿等の確認資料事業所を管轄するハローワーク事業主が手続き
離職票交付済みで事業主が応じる離職票記載内容補正願+事業主控+本人分+確認資料事業所または住居所を管轄するハローワーク(案内に従う)事業主と労働者が連携
離職票交付済みで事業主が応じない離職票記載内容補正願(労働者本人が提出)+本人分+賃金台帳・給与明細等の確認資料住居所を管轄するハローワークに相談労働者本人が相談・申出

事業主が訂正に応じないときのハローワーク補正手続き

事業主が賃金額の訂正に応じないときは、労働者本人がハローワークに事実を申し出て、確認資料に基づく調査と補正を求めることができます。厚生労働省の注意書きやハローワークの手続き案内では、離職理由等に異議がある場合にハローワークが事実関係を調査のうえ判定するとされています。賃金額についても同様に、確認資料をもとにハローワークが判断します。

離職票-2の賃金額と給与明細・賃金台帳を突き合わせ、どの月が何円違うか、基礎日数が合っているかをメモします。

事業主に訂正を依頼した経緯(依頼日、担当者、回答内容)を記録します。メールや書面があれば保存します。

住居所を管轄するハローワークへ電話または窓口で相談し、「離職票の賃金額が実際と違うが事業主が訂正に応じない」旨を伝えます。

ハローワークの指示に従い、離職票記載内容補正願に補正内容と理由を記入し、確認資料を添えて提出します。

ハローワークが事業主への照会や資料確認等の事実調査を行い、認定した賃金額で受給資格決定や給付日額の算定が行われます。

必要な書類(確認資料)

東京ハローワークの訂正・取消案内では、訂正内容に応じた確認資料の提出が求められています。賃金額の補正では、賃金の支払実績が分かる資料が中心です。コピーでも提出できます。

補正願提出時に持参する資料の例

相談先と持参するもの

賃金額訂正の相談先は、原則として事業所を管轄するハローワークですが、離職票交付後の補正や事業主が応じない場合は住居所を管轄するハローワークでも相談できます。ハローワークインターネットサービスでは、受付時間は平日8時30分から17時15分、求職申込みを伴う場合は16時前の来所が推奨されています。管轄はハローワーク等所在地情報で確認できます。

相談時に持参するとよいもの

  • 離職票-1・-2
  • 給与明細・賞与明細(誤りがある月の分)
  • 可能であれば賃金台帳・出勤簿の写し
  • 本人確認書類と個人番号確認書類
  • 事業主とのやり取りの記録

オンラインでは解決できないケース

離職票の賃金額訂正や補正願は、電子申請(e-Gov)で対応できる場合もありますが、事業主が応じない賃金額の補正は事実調査を伴うため窓口での相談が確実です。郵送での提出を案内される場合もありますが、初めての相談は来所が望ましいです。

よくある質問

事業主が賃金台帳を出してくれません。給与明細だけでも補正できますか?

給与明細や銀行振込履歴でも賃金の裏付けとして提出できます。賃金台帳・出勤簿が最も直接的な資料ですが、手元にない場合はある資料を持参してハローワークにご相談ください。ハローワークが事業主へ照会し、必要に応じて追加資料の提出を求めて事実を調査します。

すでに受給資格決定を受けましたが、後から賃金額の間違いに気づきました。訂正できますか?

離職票交付後でも離職票記載内容補正願で訂正できます。受給資格決定後であっても、確認資料をもとにハローワークが賃金額を再判定し、給付日額等が是正される場合があります。気づいた時点で速やかに管轄ハローワークへご相談ください。

まとめと次の手続き

離職票-2の賃金額が違うときは、交付前なら事業主の訂正願、交付後なら離職票記載内容補正願で是正します。事業主が応じないときは、住居所を管轄するハローワークに離職票と給与明細等の確認資料を持参して補正願を提出し、事実調査による判定を求めます。賃金額の是正後は、ハローワークで受給資格決定や基本手当の支給手続きを進めます。