育児時短就業給付金は、2025年4月1日に創設された雇用保険の給付金で、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮した月の賃金が低下したときに、原則としてその月の賃金の10%が2か月ごとに支給されます。申請は原則として事業主を経由して管轄のハローワークへ行います。
育児時短就業給付金とは(概要)
育児時短就業給付金は、育児休業等給付のひとつとして令和7年4月1日に新設されました。出生時育児休業給付金・育児休業給付金・出生後休業支援給付金と並ぶ給付で、時短勤務中の賃金低下を補うため、育児時短就業中の各月に支払われた賃金額の10%相当額が支給されます。給付金は非課税で、事業主が手続きを担うのが原則です。厚生労働省のパンフレット「育児時短就業給付の内容と支給申請手続(2026年8月1日時点版)」に制度と手続が整理されています。
創設日とすでに施行されていること
施行日は2025年4月1日で、すでに施行されています。2025年4月1日以後に育児時短就業を開始した方が対象です。2025年4月1日前に、育児時短就業給付金の支給対象となる時短就業に相当する就業を行っていた方は、2025年4月1日を開始日とみなして、受給資格と各月の支給要件を満たす月が2025年4月以降の支給対象月となります。ただし、開始時賃金月額との比較で賃金が低下していない月は支給されません。
誰が対象?受給資格と各月の支給要件
次の(1)の要件をいずれも満たし、かつ育児時短就業中の各月で(2)の要件をすべて満たす方が、各支給対象月に支給されます。
受給資格
- 2歳未満の子を養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業する雇用保険の被保険者(一般被保険者・高年齢被保険者)であること
- 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き同一の子について時短就業を開始したこと(育休末日の翌日=復職日から14日以内に開始した場合を含む)、または時短就業開始日前2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある完全月が12か月以上あること
各月の支給要件
- 初日から末日まで続けて被保険者である月
- 1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
- 初日から末日まで続けて育児休業給付・介護休業給付を受給していない月
- 高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月
いつまでもらえる?支給対象期間
原則として育児時短就業を開始した日の属する月から、終了した日の属する月までの各暦月が支給対象月です。ただし次のいずれか早い日の属する月までが上限です。
支給対象期間の上限
- 育児時短就業に係る子が2歳に達する日の前日の属する月
- 産前産後休業・育児休業・介護休業を開始した日の前日の属する月
- 別の子について育児時短就業を開始した日の前月末
- 子の死亡などにより養育しなくなった日の属する月
いくらもらえる?支給額は賃金の10%が原則
支給額は、支給対象月に支払われた賃金額を基礎に計算します。
| 区分 | 計算式 | ポイント |
|---|---|---|
| 賃金が開始時賃金月額の90%以下の月 | 支給額=賃金額×10% | 最も分かりやすい原則10% |
| 賃金が開始時賃金月額の90%超〜100%未満の月 | 支給額=賃金額×調整後支給率 | 賃金+給付の合計が開始時賃金を上回らないよう調整 |
| 賃金+支給額が支給限度額を超える月 | 支給額=支給限度額−賃金額 | 限度額484121円を超える部分は支給されません |
| 賃金が開始時賃金月額の100%以上の月 | 支給なし | 賃金が減少していないため不支給 |
| 賃金が支給限度額以上の月 | 支給なし | 高賃金のため不支給 |
| 算定した支給額が2562円以下の月 | 支給なし | 最低限度額以下は不支給 |
育児時短就業開始時賃金月額は、同一の子に係る最初の時短開始前直近6か月間の賃金を180で除して得た賃金日額に30を乗じた額です。育休から引き続き同一子で開始した場合は育休の休業開始時賃金日額を引き継ぎます。上限額496200円・下限額96090円、支給限度額484121円・最低限度額2562円は2027年7月31日までの額で、毎年8月1日に改定されます。
申請の流れと期限(2か月ごとに4か月以内)
手続きは原則として被保険者を雇用している事業主が行います。本人の希望があれば本人が直接手続きすることも可能です。ただし育児時短就業開始時賃金の届出は事業主が行う必要があります。
育児時短就業開始時賃金の届出:雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書を、賃金台帳・出勤簿等を添えて提出します。育休から引き続き同一子で開始した場合は届出が不要です。期限は初回の支給申請までです。
受給資格確認:育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書に、母子手帳や住民票等で育児の事実等を添えて提出します。初回申請と同時に確認することもできます。
初回の支給申請:確認票兼支給申請書と、支給対象月の賃金や短縮後の週所定労働時間を確認できる書類を添えて申請します。期限は最初の支給対象月初日から起算して4か月以内です。
2回目以降の支給申請:育児時短就業給付金支給申請書に同様の添付書類を付けて申請します。原則として2つの支給対象月について2か月ごとに行います。提出期限はハローワークが指定する期間内で、次回支給対象月初日から4か月以内です。
必要書類
提出時に準備する書類
提出先と申請方法
提出先は事業所の所在地を管轄するハローワークです。窓口持参・郵送のほか、e-Govでも電子申請が可能です。資本金1億円超などの特定法人は電子申請が義務化されています。支給が決定されると指定した本人名義の口座に約1週間で振り込まれます。
よくある質問
育児時短就業給付金と育児休業給付金は同時に受け取れますか?
同じ暦月で初日から末日まで続けて育児休業給付や介護休業給付を受給できる休業を取得していた月は、育児時短就業給付金は支給されません。別の月に分けて取得し、それぞれの要件を満たす月はそれぞれ支給されます。
時短勤務を途中でやめまた始めた場合も対象になりますか?
対象になります。回数制限はありません。再度開始した月の要件を満たせば支給対象月となり、支給申請書のみを新たな支給対象月初日から4か月以内に提出します。
申請は本人が直接できますか?
できます。原則は事業主が申請しますが、本人の希望があれば被保険者本人が直接行うことが可能です。ただし開始時賃金の届出は事業主が行う必要があります。
まとめと次の手続き
育児時短就業給付金は、2歳未満の子の養育で所定労働時間を短縮したことによる賃金低下を、月額の10%で補う令和7年4月創設の給付です。まずは育休から引き続き同一子で開始した場合の取扱いと、開始日前2年間の被保険者期間12か月の要件を確認し、2か月ごとに事業主経由でハローワークへ申請する流れを押さえてください。迷うときは管轄のハローワークまたは育児休業等給付コールセンター(0570-200-406、平日8:30〜17:15)へご相談ください。当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は管轄のハローワーク等の最新案内をご確認ください。