住民税の特別徴収で納期の特例を承認された後に、給与の支払いを受ける従業員が常時10人以上になったときは、速やかに「特別徴収税額の納期の特例の要件を欠いた場合の届出書」を市区町村へ提出し、届出が届いた月から年12回(翌月10日)納付に戻ります。年2回にまとめていた6月分~11月分(12月10日)と12月分~翌年5月分(翌年6月10日)は解除され、市区町村から新しい通知と納入書が送付されます。給与からの天引きは特例中も毎月行うのが原則です。

納期の特例の基本と承認後の納期限

住民税の特別徴収は原則として年12回、給与を支払った月の翌月10日が納期限です。給与の支払いを受ける者が常時10人未満の特別徴収義務者が市区町村長の承認を受けると、年2回にまとめて納付できます。この点は世田谷区、大阪市、千代田区の公式案内で共通して説明されています。

特例中の納期限(承認後)
対象の給与月特例中の納期限
6月分~11月分12月10日
12月分~翌年5月分翌年6月10日

土日・祝日に当たる場合は翌開庁日が納期限となります。世田谷区の案内では、申請した月と承認後の納期限の対応表も示されており、承認後はどの月の分がどの納期限にまとまるかが分かります。

どんなときに届出が必要か

次のいずれかに該当したときは、納期の特例の要件を欠いたものとして届出が必要です。

届出が必要なケース

  • 給与の支払いを受ける者が常時10人以上になったとき(正社員だけでなくパート・アルバイトを含み、世田谷区以外の従業員も含めて数えます)
  • 納期の特例を中止したいとき(年12回に戻したいとき)
  • 滞納などにより市区町村から承認を取り消されたときは、取り消し通知に従った対応が必要です

一時的に10人を超えた場合でも「常時10人以上」に該当すれば速やかな届出の対象です。判断に迷うときは、給与支払者の所在地を管轄する市区町村の特別徴収担当へ確認してください。大阪市の案内でも「従業員等が常時10人以上となったこと等により要件に該当しなくなった場合は届出が必要」とされています。

いつまでにどこへ提出するか

届出の期限は「速やかに」「遅滞なく」とされています。明確な日数規定はありませんが、10人以上になったことが分かった時点で遅れずに提出するのが原則です。世田谷区では「届出書が届いた月より解除し、通知と納入書を送付」とされており、届出の到達月が切替の基準になります。

提出先と方法(市区町村で異なるため公式案内で確認を)

  • 郵送または窓口:世田谷区は納税課、千代田区は地域振興部税務課、大阪市は船場法人市税事務所など、給与支払者の所在地の市区町村が窓口です
  • eLTAX(エルタックス)による電子申告:世田谷区では令和7年3月31日から、承認申請書と要件を欠いた場合の届出書の電子申告が可能になりました。大阪市でもeLTAXの利用が案内されています
  • 電話・FAX・メールでの提出は受け付けていない自治体があります(大阪市)。郵送か窓口、またはeLTAXを利用してください

届出後の切り替えタイミングと新しい納入書

届出書が市区町村に届いた月から特例が解除され、翌月10日を納期限とする通常の年12回納付に戻ります。解除後は市区町村から新しい納税通知と納入書(納付書)が送付されるため、以降はその納入書に従って納めてください。

切り替えのイメージ
時期納付方法
承認中(要件を満たしている間)6月分~11月分を12月10日、12月分~翌年5月分を翌年6月10日の年2回
要件を欠いた届出が届いた月以降届いた月分から翌月10日の年12回に戻る(新しい納入書で納付)

提出が遅れた・出さなかったときのリスク

遅れた場合に起こり得ること

  • 市区町村から承認を取り消されることがあります(世田谷区の案内)。取り消し後は1年以上経過しないと再び特例を受けられない場合があります(世田谷区の要件)
  • 特例の納期限(12月10日・6月10日)でまとめて納付していた分が、解除後は本来の翌月10日が正しい納期限となるため、提出が遅れると延滞金や督促の対象になる可能性があります
  • 滞納があると特例の承認自体がされない、または取り消されることがあります。日頃から納期限を守ることが大切です

必要書類と提出方法

届出に必要なもの

様式は「第6号の9様式」が全国共通のひな形ですが、実際のファイルは市区町村の公式ページで配布されています。世田谷区と千代田区ではExcel版とPDF版が公開されており、大阪市でも同様の届出書が案内されています。記入後は所在地の市区町村へ郵送・窓口持参するか、eLTAXで送信してください。

よくある質問

パートやアルバイトも10人の人数に含めますか?

含めます。給与の支払いを受ける者が常時10人未満かが要件で、正社員・パート・アルバイトの雇用形態を問わず、給与を支払っている人数で数えます。世田谷区の案内では「世田谷区以外の従業員も含む」と明記されています。

一時的に10人を超えただけでも届出は必要ですか?

「常時10人以上」になった時点で速やかに届出が必要です。一時的でも常態として10人以上が続く見込みであれば対象です。繁忙期の一時的な増員か、採用による継続的な増加かの判断に迷うときは、管轄の市区町村へ事前に相談してください。

10人以上になった後に再び9人以下に戻れば、自動的に特例に戻りますか?

自動的には戻りません。要件を欠いた届出で一度解除された後は、再び常時10人未満の状態が続く場合に、改めて「納期の特例に関する承認申請書」を提出し、市区町村長の承認を受ける必要があります。世田谷区では取り消しを受けてから1年以上経過などの再承認要件も案内されています。

給与の天引きは10人以上になった後も毎月のままで良いですか?

はい、給与からの天引きは特例の有無にかかわらず毎月行います。変わるのは市区町村への納付回数(年2回か年12回か)です。特例中も天引きを2回にまとめないよう注意してください。

住民税と源泉所得税の納期の特例は同じですか?

別制度です。住民税は地方税法に基づき6月分~11月分を12月10日、12月分~翌年5月分を翌年6月10日にまとめる特例です。源泉所得税は所得税法に基づき1月~6月分を7月10日、7月~12月分を翌年1月20日にまとめる特例で、根拠法や納期限、申請先が異なります。混同しないよう、住民税は市区町村、源泉所得税は税務署の案内でそれぞれ確認してください。

まとめ:気づいたら速やかに届出、翌月10日納付へ切り替えを

納期の特例を承認後に従業員が常時10人以上になったら、速やかに「要件を欠いた場合の届出書」を所在地の市区町村へ郵送・窓口またはeLTAXで提出し、届いた月から年12回(翌月10日)納付に戻します。市区町村から届く新しい納入書に従い、給与天引きは毎月行った上で、納期限を守って納付してください。判断に迷うときは、管轄の市区町村の特別徴収担当へ早めにご相談ください。