70歳以上被用者算定基礎届は、通常の被保険者の算定基礎届と同じ届書・同じ時期に、事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出します。ハローワークへの提出は不要です。70歳以上被用者は厚生年金保険の標準報酬月額を定時決定するための届出で、健康保険の算定は対象外となる点が唯一の違いです。

結論:提出先は事務センターまたは年金事務所、ハローワークではありません

日本年金機構の公式情報(2026年8月28日確認)では、事業主は7月1日現在のすべての被保険者および70歳以上被用者について、4月・5月・6月に支給した報酬を「算定基礎届」で届け出るとされています。70歳以上被用者も被保険者と同一の届書を使用し、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。電子申請、電子媒体(CD・DVD)、郵送、窓口持参のいずれでも提出できます。雇用保険の手続きを扱うハローワークは提出先ではありませんので、混同しないようにします。

70歳以上被用者算定基礎届とは

70歳以上被用者とは、在職中に70歳に到達し、厚生年金保険の被保険者資格を喪失した後も同じ事業所で継続して雇用されている方を指します。健康保険は75歳で後期高齢者医療制度へ移行するなど適用が終了しますが、厚生年金保険については在職中も標準報酬月額を毎年見直すため、定時決定の対象として算定基礎届の提出が必要です。70歳以上被用者該当届や70歳到達届とは別の手続きで、定時決定のための年1回の届出です。

通常の算定基礎届との共通点と違い

70歳以上被用者算定基礎届は、通常の被保険者の算定基礎届と手続きの枠組みが共通しています。違いは適用される保険の範囲だけです。

通常と70歳以上被用者の比較
項目通常の被保険者70歳以上被用者
届書様式健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届/厚生年金保険 70歳以上被用者算定基礎届(同一様式)同一の届書を使用します
提出時期毎年7月1日~7月10日毎年7月1日~7月10日
提出先事務センターまたは管轄の年金事務所事務センターまたは管轄の年金事務所
提出方法電子申請・電子媒体(CD/DVD)・郵送・窓口電子申請・電子媒体(CD/DVD)・郵送・窓口
対象保険健康保険・厚生年金保険厚生年金保険のみ(健康保険は適用外)

提出先と4つの提出方法

提出先と方法は、日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」で次のとおり整理されています。

提出方法の一覧

  • 電子申請:e-Govまたは年金機構の事業所向けオンラインサービスから送信します。処理の簡素化と迅速化が期待できます。
  • 電子媒体:CDまたはDVDで作成して事務センター等へ提出します。電子媒体届書総括票の添付が必要です。
  • 郵送:送付された算定基礎届に同封の返信用封筒を使用して、事務センターまたは年金事務所へ郵送します。
  • 窓口持参:管轄の年金事務所の窓口へ直接持参します。

提出期限と土日祝日の扱い

令和8年度の提出期限は2026年7月10日(金曜)で、期間は7月1日(水曜)から7月10日(金曜)までです。毎年7月10日までが原則で、10日が土曜または日曜・祝日の場合は翌営業日が提出期限となります。6月中旬以降に事業所あてに届出用紙が送付され、5月中旬までに処理された被保険者情報が印字されています。二以上の事業所に勤務する方は、選択事業所を管轄する事務センターから別途用紙が送付されます。

提出対象者と提出が不要な4つのケース

算定基礎届の対象は、7月1日現在のすべての被保険者および70歳以上被用者です。ただし次のいずれかに該当する方は提出が不要です。

提出不要のケース

  • 6月1日以降に資格取得した方
  • 6月30日以前に退職した方
  • 7月に月額変更届を提出する方(定時決定ではなく随時改定で対応)
  • 8月または9月に随時改定が予定されている旨を申し出た方

上記3.と4.に該当する場合は、届書の報酬月額欄を空欄にし、備考欄の「3.月額変更予定」に○を付けて提出します。電子申請等の場合は、該当者を除いて作成します。後日、随時改定の要件に該当しないことが判明した場合は、速やかに算定基礎届を追加で提出します。

なぜハローワークではないのか

算定基礎届は健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額を決める手続きで、所管は日本年金機構(事務センター・年金事務所)です。雇用保険の被保険者資格取得届や資格喪失届、離職証明書などはハローワークが窓口ですが、算定基礎届は制度も提出先も異なります。70歳以上被用者であっても、雇用保険の届出と年金機構への算定基礎届を混同しないことが重要です。誤ってハローワークに送付しても年金機構での処理は進みません。

よくある失敗と注意点

まとめと次の手続き

70歳以上被用者算定基礎届は、通常と同じ様式・同じ期間・同じ提出先で手続きします。令和8年度は2026年7月1日から7月10日までに事務センターまたは年金事務所へ電子申請・郵送・窓口等で提出します。定時決定された標準報酬月額は、2026年9月から翌年8月まで適用されます。手続き後は、年金機構からの決定通知書で標準報酬月額を確認し、給与計算へ反映します。70歳到達時の資格喪失・該当の届出や、随時改定の月額変更届とは手続きが別ですので、該当する場合はそれぞれ期限内に併せて対応します。

70歳以上被用者も健康保険の算定基礎届は必要ですか?

いいえ。70歳以上被用者算定基礎届は厚生年金保険のみが対象です。健康保険は70歳以降、75歳で後期高齢者医療制度へ移行するなど適用が異なるため、健康保険の定時決定としては提出しません。届書上は同一様式ですが、健康保険欄は対象外として扱います。

電子申請と郵送ではどちらが早く処理されますか?

日本年金機構では手続きの簡素化と迅速化のため電子申請を推奨しています。電子申請は郵送より到達が早く、返送用封筒の手間も不要です。ただし受付後の処理は提出時期により通知書の発送が遅れる場合があります。いずれの方法でも7月10日までの到達が必要です。