36協定の有効期間が切れたら、その協定での時間外・休日労働はできません。改めて締結し、有効期間の開始までに所轄労働基準監督署へ届け出ます。

対象と前提を確認します

時間外労働または法定休日労働をさせる事業場で、36協定の有効期間や起算日が分からなくなった方、更新を忘れて失効させたかもしれない方向けです。事業場単位で締結し、所在地を管轄する労働基準監督署長へ届け出る手続きを対象とします。本社一括届出や労働協約による場合、事業期間が1年未満の場合の例外も後段で整理します。まず現在の協定書の有効期間と起算日、届出の控えを確認します。

有効期間・対象期間・起算日の違いを整理します。
用語意味実務の考え方
有効期間協定自体が効力を持つ期間原則1年間で定めます
対象期間延長時間の限度を管理する区分1日と3か月以内と1年間の起算日を明らかにします
起算日対象期間の数え始めの日なるべく有効期間の開始日と一致させます

有効期間・起算日・届出期限の原則

36協定では有効期間を協定しなければなりません。時間外労働の協定では必ず1年間についての延長時間が定められるため、短い場合でも1年間となります。定期的な見直しが必要と考えられることから、有効期間は1年とするのが望ましいと案内されています。起算日はなるべく有効期間の開始日と一致するようにします。必ずしも毎月1日としなくてもかまいません。たとえば賃金計算の締切日が毎月20日の場合、起算日を毎月21日、有効期間を1年間とすることができます。36協定は届出をもって有効になりますので、有効期間の開始までに届け出ます。届出書は2部提出し、受付印を押した1部が事業場の控えとして返されます。労使協定書は3年間保存します。

必要書類と持ち物

提出する様式と添付の基本を確認します。

協定の有効期間が令和6年4月1日以降の場合は新様式、令和6年3月31日以前の場合は旧様式を使います。東京労働局の様式集では一般条項、特別条項、研究開発業務、建設事業、自動車運転業務、医師を含む場合など業務別の様式が案内されています。記載例も同じページで確認できます。誤った様式で出すと差戻しになりますので、有効期間の開始日で判断します。

回復手順

現在の協定書と届出の控えで有効期間と起算日を確認します。賃金締切日と起算日がずれているときは、次回から有効期間開始日と起算日をそろえられるか検討します。

有効期間が切れているか、まもなく切れる場合は、改めて労使で協定を締結します。時間外労働の具体的事由、業務の種類、労働者数、1日および1日を超える期間の延長時間、有効期間を協定して書面にします。

様式第9号など該当する届出書を作成します。1日、1日を超え3か月以内の期間、1年間の延長時間とそれぞれの起算日を記載します。協定書と届出書を兼ねるときは労働者代表の署名または記名押印を入れます。

有効期間の開始までに、事業場を管轄する労働基準監督署長へ2部提出します。電子申請を利用する場合はe-Govまたはスタートアップ労働条件の作成支援ツールで手続きします。受付印のある控えを受け取り、協定書の写しとともに3年間保存します。

窓口・電子申請の分岐

窓口では2部提出して受付印のある控えを受け取ります。電子申請では36協定届が対象手続きとして案内されており、e-Govの手続検索で時間外労働・休日労働に関する協定届を探して申請します。スタートアップ労働条件の作成支援ツールでは画面入力で届出可能な資料を作成し、GビズIDまたは同サイトのアカウントでログインして電子申請します。例年3月中旬から下旬は36協定届等の電子申請が集中して処理に時間がかかる場合がありますので、早めに申請します。

本社一括・労働協約・短期事業の境界

36協定は事業場単位で締結し、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署長へ届け出るのが原則です。複数の事業場を本社でまとめて届け出る方法は条件があり、別手続きになります。労働協約による36協定の場合は、必ずしも有効期間の定めをする必要はありません。事業が完了し、または業務が終了するまでの期間が1年未満である場合は、当該期間について協定します。1年未満で事業が終わらないのに1年未満で協定し、1年間についての延長時間を定めていないと限度基準に適合しませんので注意します。

起算日は毎月1日にしなければいけませんか。

起算日はなるべく有効期間の開始日と一致させます。必ずしも毎月1日にする必要はありません。賃金締切日に合わせる例として、締切日が毎月20日なら起算日を毎月21日、有効期間を1年間とできます。

有効期間が切れていることに気づいたらどうしますか。

切れた協定のまま時間外・休日労働をさせると法違反のおそれがあります。まず残業や休日出勤を必要な最小限にとどめ、速やかに改めて締結して、有効期間の開始までに届け出ます。過ぎた期間をさかのぼって有効にすることはできません。

自動更新の定めで更新を省略できますか。

有効期間が切れたらそのまま延長されません。継続して時間外・休日労働をさせる場合は、改めて締結と届出が必要です。定期的な見直しの観点からも、有効期間は1年として更新の機会を設けます。

次にすること

有効期間と起算日を労務管理表に登録し、満了の1か月前には再締結の準備を始めます。届出後は受付印のある控えと協定書の写しを3年間保存し、支店や工場ごとの管轄署と様式を確認します。当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続きは管轄する労働基準監督署などの最新案内をご確認ください。2026年9月8日時点の公式情報で確認しています。