結論:使えない文字をJISで扱える代替文字に置き換え、入力チェック後に再送信します
36協定届をe-Gov電子申請で送信するときに「指定可能な文字以外が指定されています」と表示されたら、氏名や業務の種類などに入れた半角カナ・旧字体・サロゲートペア文字・機種依存文字が原因です。e-Gov「入力可能な文字について」と厚生労働省の案内に従い、該当の外字を常用のJISで扱える文字に置き換え、必要に応じて詳細は別紙の労使協定書を添付し、入力チェックでエラーが消えたことを確認してからGビズIDなどで再送信します。
症状を確認する
e-Govで36協定届を作成・送信する際に、次のようなメッセージが出て先へ進めない状態を指します。表示は入力方式により言い回しが少し異なります。
表示されるエラーの例
- 指定可能な文字以外が指定されています
- 指定可能文字以外が入力されています
- 利用できない文字が含まれています
- e-Gov電子申請に使用できない文字が含まれています
エラーは36協定届の「労働者氏名」「業務の種類」「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」などで起きやすく、e-Gov画面に直接入力する方式でも、CSV等を添付する方式でも発生します。1名だけの氏名に旧字体が混ざっている場合でも、全体がエラーで止まります。
原因は「使えない文字」です
e-Gov電子申請では、JISで正しく扱えない文字はエラーになります。e-Gov「入力可能な文字について」では、半角カナや特定の記号・旧字体・サロゲートペア文字は取り扱いできないと案内され、詳細は「使用可能文字一覧」PDFで示されています。厚生労働省の36協定PDFでも、様式に入りきらない詳細は別紙添付で対応する方法が示され、文字制限と別紙運用を併用する前提になっています。
使えない文字の代表例
- 半角カナ(ア イ ウ エ オ ガ ゚ など)
- 丸数字 ①②③ やローマ数字 ⅠⅡⅢ
- 単位記号 ㍉ ㌔ や囲み文字 ㊤ ㈱、省略文字 № ℡ など
- サロゲートペア文字(例:𠮟、𡈽、𣇄 などJIS外の旧字体・異体字)
- 機種依存文字(例:髙、﨑、濱、栁、波ダッシュ〜[U+301C]、全角マイナス−[U+2212]など)
常用の「崎」「高」「浜」「柳」で登録されている方が、戸籍どおりの旧字体「﨑」「髙」「濱」「栁」で入力するとエラーになるのが典型例です。画面では表示できても、e-Govの文字コードで処理できないため送信時に止まります。
まず確認する3点
送信前に確認するポイント
対処の分岐:原因別に直します
パターン1:氏名や業務の種類の外字を置換する
エラー指摘された文字を、JISで扱える常用文字に置き換えます。e-Govの「入力チェック」を実行し、エラーが0件になったことを確認してから再送信します。
置き換えの手順
- エラー指摘された氏名・業務の種類をメモする
- 旧字体を常用文字に置き換える(例:﨑→崎、髙→高、濱→浜、栁→柳)
- 半角カナがあれば全角カタカナに直す(カタカナ→カタカナ)
- 機種依存の記号があれば標準の記号に直す(〜→~ の波ダッシュ等は正しいコードに)
- 入力チェックでエラーが解消したか確認し、GビズIDなどで再送信する
パターン2:協定事項が様式に収まらないときは別紙を添付する
36協定届のe-Gov様式は協定事項の全てを1画面で入力しきれない場合があります。厚生労働省「36協定届の電子申請に係る注意事項について」(令和6年12月3日追記)では、入力必須項目に必要最小限の内容を入力した上で、詳細を記載した労使協定書等を添付書類として添付する方法が示されています。
別紙添付の入力例(厚労省PDFより)
- 「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」「業務の種類」「労働者数」「延長することができる時間数」の各1行目に、延長時間が最も長い業務の協定事項を入力する
- 「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」の2行目はプルダウンで「その他(事由不明を含む。)」を選び、自由入力欄に「詳細は別添労使協定書のとおり。」等と記載する
- 「業務の種類」の2行目は「分類不能の職業」を選び、同様に「詳細は別添労使協定書のとおり。」と記載する
- 「労働者数」「延長することができる時間数」の2行目は1行目と同じ数値を入力する
- 詳細を記載した労使協定書を添付書類として添付し、電子申請で送信する
手順:置き換えから再送信まで
エラー箇所を特定する
e-Govの入力チェックや「指定可能な文字以外が指定されています」のメッセージで指摘された項目(例:業務の種類 2行目、労働者氏名)を確認します。複数名いる場合は該当者だけを直せば再送信できます。
常用の代替文字に置き換える
旧字体や半角カナを常用のJIS文字に置き換えます。住所や業務内容の欄に記号や囲み文字が混ざっていないかも確認します。判断がつかない文字は、e-Gov「入力可能な文字について」の一覧やサロゲートペア文字一覧に含まれていないかを照合します。
別紙が必要か判断する
協定事項が長い場合は、パターン2のとおり最小限を様式に入力し、残りは別紙の労使協定書に記載して添付します。別紙があることで文字数エラーを無理に詰め込む必要がなくなります。
入力チェックを再実行する
e-Govの「入力チェック」で再確認します。エラーが0件になれば送信準備が整った合図です。まだエラーが出る場合は、別の欄(備考や事業場名など)にも使えない文字が残っていないか見直します。
GビズIDなどで再送信し、受付状況を照会する
修正したデータをe-Govで再送信し、受付番号が発行されたかを確認します。e-Govの「申請・届出状況照会」で処理状況を確認し、補正依頼が来ていないかも併せて確認します。受付番号がない場合は送信が完了していません。
よくある置き換え例
| 入力していた文字(エラーになりやすい例) | 置き換え例(JISで扱える文字) | 備考 |
|---|---|---|
| 﨑(旧字体・サロゲート) | 崎 | 常用漢字に置換 |
| 髙(はしごだか) | 高 | 常用漢字に置換 |
| 濱 | 浜 | 常用漢字に置換 |
| 栁 | 柳 | 常用漢字に置換 |
| カタカナ(半角) | カタカナ(全角) | 全角に統一 |
| ㈱(囲み) | (株) | 囲み文字は不可 |
上表は代表例です。実際にはe-Gov「入力可能な文字について」の一覧に該当するかが基準です。該当文字が一覧にないか、サロゲートペア文字に含まれていないかを確認し、どうしても判断がつかないときは管轄の労働基準監督署へ相談します。
オンラインで直せないときの代替ルート
電子申請がどうしても通らないときは、36協定届は窓口持参または郵送でも提出できます。提出先はいずれも事業場を管轄する労働基準監督署で共通です。郵送の場合は差出日が届出日になるわけではなく、監督署に到達した日が届出日として扱われるため、余裕を持って送付します。電子申請の受付番号がない状態で時間外労働を開始しないよう、まずは紙での提出も検討します。
提出期限と提出先を再確認
36協定届は、時間外労働・休日労働をさせる前に労働基準監督署へ届け出る手続きです。就業規則(変更)届と異なり本社一括届出の対象外の手続きもあるため、事業場ごとに管轄署へ提出するのが原則です。厚生労働省の案内でも、36協定届を含む労働基準法等の届出はe-Gov電子申請の利用が推奨されています。
提出前チェック
- 外字を常用文字に置き換えて入力チェックが0件になったか
- 協定事項が長い場合は別紙の労使協定書を添付したか
- 有効期間の起算日前に管轄の労働基準監督署へ到達する提出方法を選んだか
よくある質問
代替文字に置き換えると本人の氏名と違ってしまいますが、問題ありませんか?
労働基準監督署への届出はJISで扱える文字での処理が原則です。戸籍どおりの旧字体が扱えないときは、常用の代替文字で届け出ます。社内では正しい表記を別途記録し、別紙の労使協定書に正しい表記を補足しておくと、後日の確認で混乱を防げます。旧字体のまま再送信しても同じエラーで受理されません。
「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」欄で改行したらエラーになりました。
厚生労働省の注意書きのとおり、この欄は自由入力欄のみに記載する場合、入力の途中で改行するとエラーが出ます。改行せずに1行で入力してください。プルダウンと自由入力を併用する場合も、自由入力欄内で改行しないようにします。
協定事項の全てをe-Gov様式に入力できません。どうすればよいですか?
様式の入力必須項目に最も長い業務の協定事項など必要最小限を入力し、2行目に「その他(事由不明を含む。)」や「分類不能の職業」を選んで「詳細は別添労使協定書のとおり。」と記載し、詳細を記載した労使協定書を添付して電子申請します。詳細は厚生労働省「36協定届の電子申請に係る注意事項について」で案内されています。
まとめ
36協定届の「指定可能な文字以外が指定されています」エラーは、半角カナや旧字体・サロゲートペアなどのJISで扱えない文字が原因です。e-Gov「入力可能な文字について」で使えない文字を確認し、氏名や業務の種類の外字を常用の代替文字に置き換え、必要に応じて別紙の労使協定書を添付し、入力チェックでエラーが消えたことを確認してから再送信します。有効期間の起算日前に管轄の労働基準監督署へ届け出る必要があるため、エラーが直らないときは窓口・郵送への切替も早めに検討し、受付番号と処理状況まで確認してください。判断がつかない文字があるときは管轄署へ相談します。