出し忘れに気づいた時点で、速やかに事業場を管轄する所轄労働基準監督署長へ「有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書(様式第6号の2)」を提出します。報告は使用する労働者の人数にかかわらず必要で、定期健康診断の報告とは別の様式です。暦日による締切日は設けられておらず、遅れた分もまとめて報告します。令和4年10月1日以降の新しい様式で作成し、入力支援サービスで作るかPDFを印刷して提出します。

まず確認します:対象・時期・提出先

報告の前提を整理します。歯科健診の実施義務と報告義務は人数にかかわらず発生します。定期健診の50人要件と混同しないようにします。

提出先と様式の基本
項目内容
対象塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者がいる事業場
実施時期雇入れの際、対象業務への配置替えの際、対象業務についた後6か月以内ごとに1回
報告対象上記のうち定期の歯科健康診断を実施したとき
提出先事業場を管轄する所轄労働基準監督署長へ遅滞なく提出
様式有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書(様式第6号の2、令和4年10月1日新設)
作り方入力支援サービスで作成するか厚生労働省の様式PDFを印刷して提出します

出し忘れに気づいたときの回復手順

対象業務に常時従事する労働者がいるか再確認します。対象は塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務です。該当者が1人でもいれば実施と報告の対象になります。事業場ごとに従事状況を確認し、本社と支店で管轄が違う場合はそれぞれの所轄署への提出が必要です。

報告対象の定期分を特定し、数値を集計します。報告が必要なのは定期の歯科健康診断分に限ります。健診年月日、対象の有害業務の内容、実施者数、有所見者数、産業医の氏名・所属機関名・所在地、事業者職氏名をそろえます。新様式には有害な業務の内容を書く欄がありますので、どの業務に従事したか分かる記録を用意します。健診機関の結果一覧と受診者名簿を突き合わせて不足を確認します。

令和4年10月1日の新様式で報告書を作成します。定期健康診断結果報告書とは別の「様式第6号の2」を使います。入力支援サービスでは有害な業務に係る歯科健康診断結果報告を作成でき、e-Govを介して直接電子申請する方法と、作成した帳票を印刷して所轄署へ提出する方法があります。電子申請にはe-Govアカウント、GビズID、またはMicrosoftアカウントが必要です。印刷する場合は白色度80パーセント以上の用紙を使い、印刷した用紙をコピーして使わないようにします。

所轄労働基準監督署長へ提出し、控えと関連記録を保管します。窓口、郵送、電子申請のどれがよいか、郵送時の返信用封筒の要否は所轄署の案内で確認します。受付の記録が残る控えは次回以降の報告のために保管します。報告書とは別に健康診断個人票を5年間保存し、所見のある労働者への歯科医師の意見聴取、必要な措置、労働者への結果通知も忘れずに確認します。遅れた理由書の定型様式はありませんので、求められた場合のみ経緯を簡潔に説明できるようにします。

つまずきやすいポイント

歯科の報告で間違えやすい点をまとめます。

  • 定期健康診断結果報告書と混ぜないようにします。令和4年10月1日から定期の報告様式から歯科の記載欄がなくなり、歯科分は様式第6号の2に分かれています。
  • 常時50人未満でも報告が必要です。50人以上だけという定期報告の思い込みで止めないようにします。人数にかかわらず所轄署長へ遅滞なく提出します。
  • 報告するのは定期の健診分に限ります。雇入れや配置替えの健診は実施義務がありますが、報告対象の切り分けに迷う場合は所轄署に確認します。
  • 入力支援サービスは作成支援です。電子申請を使わない場合は作成した帳票を印刷して所轄署へ提出します。印刷は白色度80パーセント以上の用紙を使い、コピーした用紙を使わないようにします。
  • 健診機関が健診をしても監督署への報告まで代行されるとは限りません。報告書は事業者の報告ですので、事業者側で提出まで管理します。

提出前のチェックリスト

投函や持参、電子申請の前に最終確認します。

常時使用労働者が50人未満でも報告は必要ですか

はい、必要です。令和4年10月1日以降に実施する歯科健診は、事業場の規模にかかわらず報告が必要になりました。使用する労働者が50人未満でも、対象業務に常時従事する労働者がいれば様式第6号の2で所轄署長へ遅滞なく提出します。

定期健康診断の報告書と一緒に提出できますか

別々の様式で報告します。定期健康診断結果報告書の様式からは歯科の記載欄がなくなり、歯科分は有害な業務に係る歯科健康診断結果報告書に分かれました。定期分と歯科分を1枚にまとめず、それぞれの様式で提出します。

電子申請や郵送で提出できますか

入力支援サービスからe-Govを介して直接電子申請する方法と、作成した帳票を印刷して所轄署へ提出する方法があります。電子申請にはe-Govアカウント、GビズID、またはMicrosoftアカウントが必要です。窓口と郵送の受付方法は所轄署で案内が違いますので、提出前に管轄署の案内で確認します。

出し忘れは珍しくありません。対象年の健診台帳と報告書控えを突き合わせ、未提出の回があれば古い分から順に作成して提出します。今後は健診実施計画の横に報告欄を作り、健診最終日、集計、有害業務内容の記録、作成、提出、控え保管の6点を記録すると防げます。様式改正があった場合も最新様式で出し直せるように集計メモを残します。