出し忘れに気づいた時点で、速やかに事業場を管轄する所轄労働基準監督署へ定期健康診断結果報告書を提出します。暦日による締切日は設けられておらず、提出義務自体は残りますので、遅れた分もまとめて報告します。提出分1部と報告者控え1部を用意し、令和4年10月1日改正の様式で作成して印刷のうえ提出します。
まず確認します:対象・提出先・部数
定期健康診断結果報告書は、常時50人以上の労働者を使用する事業者が、一般の定期健康診断や特定業務の定期健康診断を実施したときに、所轄労働基準監督署長へ提出します。根拠として労働安全衛生規則第52条が案内されています。50人未満の事業場にはこの報告義務はありません。判断は企業全体ではなく事業場ごとに行います。本社と支店が別の管轄にある場合は、それぞれの所轄署への提出が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 常時50人以上の労働者を使用する事業場が定期健診を実施したとき |
| 提出先 | 事業場を管轄する所轄労働基準監督署長 |
| 部数 | 提出分1部+報告者控え1部 |
| 様式 | 定期健康診断結果報告書(令和4年10月1日改正様式) |
| 作り方 | 厚生労働省の入力支援サービスで作成し、印刷して提出します |
出し忘れに気づいたときの回復手順
対象が自分の事業場に当てはまるか再確認します。健診年月日時点の常時使用労働者数が50人以上で、報告対象の定期健診を実施している場合は提出が必要です。特定業務従事者の半年ごとの健診も同じ報告書で報告します。迷う場合は所轄署の健康・安全衛生担当の案内で確認します。
報告書に書く数値を集計します。対象年、健診年月日、在籍労働者数、受診労働者数、項目ごとの実施者数と有所見者数、所見のあった者の人数、医師の指示人数、産業医の氏名・所属医療機関名・所在地、事業者職氏名をそろえます。健診結果の個人票とは別に、報告書用の集計が必要です。健診機関から受け取った結果一覧と受診者名簿を突き合わせて不足を確認します。
最新の改正様式で報告書を作成します。厚生労働省の安全衛生関係主要様式のページから定期健康診断結果報告書の様式を使います。入力支援サービスを使うと誤入力や未入力の注意が表示されて便利です。入力支援サービスはオンライン申請ではなく、作成した帳票は必ず印刷して所轄署へ提出します。印刷には白色度80%以上の用紙を使い、印刷した用紙をコピーして使わないようにします。事前申請や登録は不要で、入力内容はインターネット上に保存されませんので、次回用にはご自身のパソコンに保存します。
所轄労働基準監督署へ提出し、控えを保管します。提出分1部を出し、報告者控え1部に受付の記録を残します。窓口と郵送のどちらがよいか、郵送時の返信用封筒の要否は所轄署の案内で確認します。控えは翌年以降の報告や監督署からの確認に使いますので、健診実施年の記録と一緒に保管します。遅れた理由書の定型様式はありませんので、求められた場合のみ経緯を簡潔に説明できるようにします。
つまずきやすい記載ポイント
東京労働局の記載要領で示されている書き方の要点です。
- 対象年:報告対象の健診実施年を書きます。1年を通して順次健診し、一定期間をまとめて報告する場合は対象年欄の月~月分に期間を書きます。
- 健診年月日:報告書に係る健診の実施年月日を書きます。数回に分けて実施し、まとめて報告する場合は最終の健診年月日を書きます。
- 在籍労働者数:健診年月日現在の常時使用労働者数を書きます。企業全体ではなく報告する事業場の人数です。
- 受診労働者数:同じ健診年月日現在の受診者数を書きます。未受診者がいる場合は受診勧奨と次回計画を別に管理します。
- 健康診断項目:項目ごとの実施者数と有所見者数を書きます。法定基準で省略できる項目に対象者がいない場合は記入不要です。
- 所見のあった者の人数:項目の合計ではなく、聴力検査から心電図検査までのいずれかが有所見だった実人数を書きます。
- 医師の指示人数:所見のあった者のうち、要医療や要精密検査など医師の指示があった人数を書きます。
- 産業医:選任している産業医の氏名、所属医療機関名と所在地を書きます。
- 事業者職氏名:代表者職氏名を書きます。職務権限が事業場の長に委譲されている場合の扱いは記載要領の注意に従います。
よくある勘違い
健診機関が健診をしてくれても、監督署への報告書まで代行されるとは限りません。報告書は事業者の報告ですので、契約内容を確認し、事業者側で提出まで管理します。50人以上になった年だけ報告すればよいと誤解されがちですが、常時50人以上の期間に定期健診を実施したら報告が必要です。逆に常時50人未満の事業場は定期健診結果報告書の提出は不要です。令和4年10月1日から歯科健診の報告が分かれ、定期健康診断の報告様式から歯科の記載欄がなくなっています。歯科分は別の様式ですので混ぜないようにします。健診結果の個人通知や個人票の交付と、監督署への報告書は別の手続きです。個人への結果通知が終わっていても報告書の提出は別に必要です。
提出前のチェックリスト
投函や持参の前に最終確認します。
常時使用労働者が50人を下回ったら提出しなくてよいですか
常時50人未満の事業場は定期健康診断結果報告書の提出は不要です。ただし定期健診自体や事後措置、記録の保存は別に必要です。50人前後で変動する場合は健診年月日時点の常時使用労働者数で判断し、迷う場合は所轄署に確認します。
郵送で提出できますか
厚生労働省の様式ページでは、入力支援サービスで作った帳票は印刷のうえ所轄署へ提出すると案内されています。窓口と郵送の受付方法や返信用封筒の要否は所轄署で案内が違いますので、提出前に管轄署の案内で確認します。
健診を数回に分けて実施した場合はどう書きますか
数回に分けて実施し、まとめて報告する場合は最終の健診年月日を書きます。対象年欄の月~月分に対象期間を書きます。実施機関が多い場合は別紙に分けて添付できます。
出し忘れは珍しくありません。対象年の健診台帳と報告書控えを突き合わせ、未提出の年があれば古い分から順に作成して提出します。今後は健診実施計画の横に報告欄を作り、健診最終日、集計、印刷、提出、控え保管の5点を記録すると防げます。所轄署の管轄変更や様式改正があった場合も、最新様式で出し直せるように集計メモを残します。