自己都合退職でも、離職理由が「正当な理由のある自己都合」とハローワークに認められれば、特定理由離職者に該当し、通常の自己都合退職に設けられる給付制限の対象外となることがあります。ただし、事情を申告しただけで自動的に決まるわけではありません。本人の説明、離職理由を裏付ける書類、事業主の説明などを確認して、ハローワークが離職理由を判定します。

特定理由離職者の2つの区分

ハローワークの公式案内では、特定理由離職者に次の2つの入口があります。今回の検索意図に近いのは、2つ目の「正当な理由のある自己都合による離職」です。

特定理由離職者に該当する主な区分
区分内容
有期労働契約の期間満了契約更新を希望したにもかかわらず、更新の合意が成立しないまま離職した場合。一定の契約更新条項がある場合も含まれます。
正当な理由のある自己都合体力・疾病、妊娠・出産・育児、家庭事情、配偶者等との別居回避、通勤困難など、公式に示された事情で離職した場合。

有期契約の更新拒否が会社側の事情など別の基準に該当する場合は、特定受給資格者の範囲に入ることもあります。名称が似ていますが、離職の経緯によって確認する区分が変わります。

正当な理由のある自己都合の主な範囲

ハローワークが掲載している範囲を、相談前に確認しやすいように要約します。個別の事情が次の項目に近くても、該当が確定するわけではありません。

  • 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力・触覚の減退などによる離職
  • 妊娠、出産、育児などによる離職。ただし、雇用保険法上の受給期間延長措置を受けた場合が対象です
  • 父母の扶養や、常時看護が必要な親族の疾病・負傷など、家庭事情の急変による離職
  • 配偶者または扶養すべき親族との別居生活を続けることが困難になったことによる離職
  • 結婚、育児、事業所の移転、やむを得ない住所移転、交通機関の廃止・運行時間変更、本人または配偶者の転勤・出向に伴う別居回避など、通勤が不可能または困難になったことによる離職
  • 企業整備による人員整理などで、希望退職者の募集に応じた離職など

給付制限がなくても待期7日は別にある

正当な理由のある自己都合と判定され、通常の自己都合退職に対する給付制限がかからない場合でも、受給手続き後の待期7日までなくなるわけではありません。住居所を管轄するハローワークで求職申込みと受給手続きをした後、失業状態にある7日間が待期です。給付制限の有無にかかわらず、受給資格や失業認定の手続きも必要です。

自己都合退職後に確認する期間
期間・手続き確認すること
受給手続き前離職票-1・2の離職日と離職理由を確認します。受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。
受給手続き後の待期失業状態にある7日間です。退職日の翌日から自動的に数える期間ではありません。
給付制限正当な理由のない自己都合退職などでは、離職日や過去の受給資格決定回数により1~3か月の制限があります。正当な理由があると判定された場合は、この通常の自己都合退職の制限がかからない扱いを確認します。
失業認定・振込指定された認定日に失業状態と求職活動を申告し、認定後に指定口座への振込を待ちます。
自己都合退職の失業手当はいつから?通常の自己都合退職で、待期・給付制限・初回振込までの順番を確認します。

離職票が「自己都合」でも、受給手続き時に伝えられる

離職票に自己都合と記載されていても、実際の退職理由が正当な理由に当たると考えるなら、受給手続きの際に住居所を管轄するハローワークへ伝えます。会社の記載だけで最終決定されるのではなく、本人の主張、証拠書類、事業主の主張などを確認して離職理由が判定されます。

離職票-2の離職理由と、実際に退職を決めた事情を時系列で確認します。

退職の原因になった事情を裏付ける書類等が手元にあれば、何がいつ起きたか分かるように整理します。

ハローワークで求職申込みと受給手続きをするときに、「離職票の記載と実際の理由が違う」または「正当な理由がある」と具体的に伝えます。

ハローワークの確認結果と、雇用保険受給資格者証などに記載された離職理由・給付制限の扱いを確認します。

受給手続きに持参するもの

基本手当の受給手続きで案内されている主な持ち物です。離職理由を争う場合は、事情を裏付ける書類等も追加で持参します。

事情別に注意したい点

次の事情は、特定理由離職者の範囲に関係しますが、別の受給手続きが必要になることがあります。

  • 病気・けがなどで退職しても、すぐに働けない状態なら基本手当を直ちに受けられない場合があります。30日以上働けないときは、受給期間延長の対象になることがあるため、早めにハローワークへ相談します。
  • 妊娠・出産・育児による離職は、公式の範囲にある受給期間延長措置の要件も確認します。
  • 会社の倒産、解雇、退職勧奨、賃金低下、ハラスメントなど、事業主側の事情が主な場合は、特定受給資格者など別の区分を確認します。
  • 有期契約の更新がない場合は、自己都合退職の一般論だけで判断せず、契約書の更新条項と更新を希望した事実を持って相談します。

認められなかったときの確認

ハローワークの判定が自分の説明と異なる場合は、離職理由の扱いと給付制限の根拠を確認し、追加できる証拠書類がないか整理します。判定への不服申立てには期限があるため、処分を知ったら早めに、処分を行ったハローワークまたは都道府県労働局の雇用保険審査官へ手続き方法を確認してください。

給付制限が3か月になるケース給付制限が3か月になるケースや、離職理由に納得できないときの確認方法はこちらです。

よくある質問

病気や家族の事情があれば、必ず給付制限なしになりますか?

いいえ。公式の範囲に近い事情でも、個別の経緯や証拠書類などを踏まえた判定が必要です。

特定理由離職者なら、待期7日もなくなりますか?

なくなりません。給付制限がかからない場合でも、受給手続き後の待期7日と、失業認定の手続きがあります。

会社が自己都合と書いたら、もう変更できませんか?

最終的な離職理由はハローワークが判定します。実際の事情を説明し、裏付ける書類等があれば持参してください。

妊娠・出産や病気で退職した場合、すぐ失業手当を受けられますか?

すぐに働けない状態では基本手当を受けられない場合があります。受給期間延長の対象になることがあるため、住居所を管轄するハローワークへ相談してください。

公式情報

次にすること

離職票-2が届いたら、離職理由と退職に至った事情を照合してください。正当な理由があると考える場合は、裏付ける書類等をそろえ、離職票-1・2などの必要書類を持って、住居所を管轄するハローワークで受給手続きと離職理由の相談を行いましょう。