会社が出生後休業支援給付金の申請を進めてくれない場合でも、本人が希望すれば、会社を経由せずに事業所所在地を管轄するハローワークへ直接提出できます。ただし、賃金や休業の事実を確認する会社作成の書類が必要になるため、会社には申請そのものだけでなく、必要書類の作成・写しの提供も依頼し、間に合わないときは期限前にハローワークへ相談してください。
会社が申請しないときの結論
出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金を受ける人に、一定の要件を満たした場合に上乗せされる給付です。したがって、本人申請のルートを確認する前に、どの休業給付と一緒に申請するのかを整理します。
本人申請の前に確認する3つのポイント
本人申請の前に確認する項目
- 自分が取得したのが産後パパ育休(出生時育児休業)か、通常の育児休業かを確認する。出生後休業支援給付金は、どちらを基礎にするかで申請書と期限の扱いが変わります。
- 出生後休業支援給付金の要件を確認する。対象期間に本人が出生時育児休業または育児休業を通算14日以上取得していることに加え、配偶者が一定期間に14日以上育児休業を取得したこと、または配偶者の育児休業を要件としない場合に該当することが必要です。
- 会社から受け取る資料と本人が用意する資料を分ける。賃金台帳や出勤簿などは会社の協力が必要になりやすく、母子健康手帳や住民票などは本人が準備します。
本人申請の手順
会社へ申請と資料の提供を記録が残る方法で依頼する
まず、担当部署や担当者に、出生後休業支援給付金を本人からハローワークへ直接提出したいこと、提出期限、必要書類の作成・写しの提供を依頼します。口頭だけで終わらせず、依頼日と回答を確認できるメールなどで残しておくと、ハローワークへ事情を説明しやすくなります。
会社に依頼する主な資料
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(出生時育児休業給付金または初回の育児休業給付金を申請する場合)
- 育児休業申出書、育児休業取扱通知書など休業の開始日・終了日が分かる資料
- 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど賃金額・支払状況・就業日数を確認できる資料
- 出生時育児休業給付金または育児休業給付金の申請書を会社がすでに受け取っている場合は、その書類の交付または写し
提出先と期限を管轄ハローワークに確認する
提出先は、本人の住所地ではなく、原則として事業所の所在地を管轄するハローワークです。会社が申請しない事情、取得した休業の種類、すでに別の給付の支給決定があるか、会社資料の入手状況を伝え、本人が直接提出する場合の書類と期限を確認します。
厚生労働省の育児休業等給付コールセンターは、0570-200-406、平日8時30分から17時15分までです。土日祝日と12月29日から1月3日は除かれます。個別の提出先や書類の最終確認は、管轄ハローワークに行ってください。
申請する休業の種類に応じて書類をそろえる
産後パパ育休(出生時育児休業)と一緒に申請する場合
原則として、次の2つを提出します。出生時育児休業給付金の支給申請は受給資格確認と同時に行う必要があり、出生後休業支援給付金も同じ申請書で一体的に申請するのが原則です。
出生時育児休業給付金と一体申請する主な書類
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
添付書類として、賃金台帳、出勤簿、タイムカード、育児休業申出書、育児休業取扱通知書などのほか、母子健康手帳、住民票、医師の診断書などが必要です。配偶者の育児休業の取得状況などで出生後休業支援給付金を申請する場合は、配偶者に関する確認書類も追加されます。
通常の育児休業給付金と一緒に申請する場合
初回の育児休業給付金を申請する場合は、受給資格確認用と初回支給申請用の書類を使います。出生後休業支援給付金は、初回の育児休業給付金と同じ申請書で一体的に申請するのが原則です。受給資格確認だけを先に行う場合は、ハローワークの案内に従って、初回申請時に必要な書類を提出します。
通常の育児休業給付金の初回申請で確認する主な書類
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
- 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど休業・賃金を確認できる資料
- 母子健康手帳、住民票など出生・育児の事実を確認できる資料
- 配偶者の育児休業取得状況または配偶者の状態を確認できる資料(該当時)
出生後休業支援給付金だけを後から申請する場合
出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給決定後に、出生後休業支援給付金だけを申請することも可能です。この場合は出生後休業支援給付金支給申請書を使い、基礎となる給付の支給決定通知書が届いた後、または入金を確認した後に申請します。
管轄ハローワークへ提出する
本人が直接提出する場合も、提出先は事業所所在地を管轄するハローワークです。窓口のほか、手続の種類に応じてe-Gov電子申請を利用できる場合があります。電子申請を使う場合は、出生時育児休業給付金と一緒の申請、育児休業給付金の初回申請、単独申請など、該当する手続を選びます。
申請書には個人番号の記載が必要です。手書きで申請し、公金受取口座を利用しない場合は、通帳やキャッシュカードの写しなど口座情報を確認できる資料が必要になることがあります。
支給決定通知書または不支給の通知を確認する
審査後は、出生時育児休業給付金支給決定通知書、育児休業給付金支給決定通知書、出生後休業支援給付金支給決定通知書などが交付されます。出生後休業支援給付金の要件を満たさない場合は、不支給の理由が記載された通知が交付されます。通知の内容と申請した期間が合っているか確認し、不明点は通知書を手元に置いてハローワークへ問い合わせます。
申請期限の整理
| 申請ルート | 申請開始・提出時期の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 出生時育児休業給付金と一体申請 | 申請開始日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日まで | 申請開始日は、原則として子の出生日または出産予定日を基準とする8週間経過後の翌日。ただし28日取得時や2回目終了時は扱いが異なります。 |
| 育児休業給付金の初回申請と一体申請 | 育児休業開始日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日まで | 育児休業開始日が7月10日の場合、4か月を経過する日は11月9日、提出期限は11月30日です。 |
| 出生後休業支援給付金の単独申請 | 育児休業開始日から起算して4か月を経過する日の属する月の末日まで | 基礎となる出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給決定後に申請します。 |
出生後休業支援給付金の上乗せ要件
申請者本人は、対象期間に出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給される休業を通算14日以上取得する必要があります。さらに、配偶者が対象期間に通算14日以上の育児休業を取得したこと、または子の出生日の翌日において配偶者の育児休業を要件としない場合に該当することが必要です。
配偶者に関する確認の例
- 配偶者が雇用保険の被保険者で育児休業を取得した場合は、配偶者の被保険者番号などで確認されることがあります。
- 配偶者が公務員の場合は、育児休業の承認通知書など取得期間を確認できる書類が必要になることがあります。
- 配偶者がいない、無業者、自営業者・フリーランスなど雇用される労働者でない、産後休業中など、配偶者の育児休業を要件としない場合は、状態に応じた確認書類を添付します。
- 配偶者が育児休業を取得できない別の事情がある場合は、申告書とその理由を確認できる資料が必要です。
よくある質問
会社が申請を拒んでいても、本人だけで申請できますか?
厚生労働省の資料上、本人の希望があれば被保険者が直接提出できます。ただし、賃金月額証明書、賃金台帳、出勤簿など会社に作成・保管されている資料が必要になることがあるため、会社へ依頼した記録を残し、入手できない場合は期限前に管轄ハローワークへ相談してください。
自宅の近くのハローワークに出せばよいですか?
原則は自宅の住所地ではなく、事業所の所在地を管轄するハローワークです。会社の所在地と担当窓口を確認してから提出します。
出生後休業支援給付金だけを先に申請できますか?
単独申請は可能ですが、基礎となる出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給決定後でなければ申請できません。支給決定通知書が届いた後、または入金を確認した後に申請します。
会社から書類が届かず、期限が近いときはどうすればよいですか?
会社からの回答を待ち続けず、事業所所在地を管轄するハローワークへ、休業の種類、休業日、会社へ依頼した日、手元にある資料、期限を伝えて相談してください。代替資料や提出方法は個別に確認が必要です。
公式資料で最終確認する
出生後休業支援給付金は、配偶者の状況や休業の取り方によって添付書類が変わります。申請前に厚生労働省の資料と簡易診断ツールを確認し、最終的な提出書類・期限は管轄ハローワークへ確認してください。
制度概要、問い合わせ先、詳細資料厚生労働省「育児休業等給付について」本人の直接提出、必要書類、提出先、提出期限の詳細厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」PDF支給要件と必要書類の確認厚生労働省「出生後休業支援給付の簡易診断(要件確認)ツール」