家屋を取り壊しても固定資産税は1月1日現在の状況で課税されるため、その年の税は全額かかります。翌年以降の課税を止めるには、取り壊した年の年末(1月1日賦課期日前)までに手続きが必要です。未登記家屋は家屋所在地の市区町村へ「家屋滅失届」を、登記済家屋は管轄法務局で「建物滅失登記」を申請し、年末に間に合わないときは市区町村へも届出をします。届出がないと現地確認ができず翌年度も誤って課税される原因になります。
家屋滅失届を出さないとどうなるか
届出や登記が市区町村へ伝わらないと、市区町村は家屋が現存すると判断して固定資産課税台帳から抹消できません。かすみがうら市と桜川市は「届出がないと取り壊した家屋に誤って課税される原因になります」「必ず取り壊した年の年末までに手続きしてください」と案内しています。翌年度も課税され、納税通知書が届き続ける事態を防ぐためにも早めの連絡が必要です。
固定資産税が課税される仕組み:1月1日が賦課期日です
固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)現在に存在している固定資産を課税対象とし、その年度分(4月から翌年3月)について課税されます。新座市は「取り壊した家屋は原則として取り壊した日の翌年度から課税はなくなるが、年途中で取り壊しても日割・月割はなく年度分は全額納める」と説明しています。桜川市も「家屋を取り壊した翌年度から課税されなくなるが、取り壊した年度はそのまま課税」と明記しています。1月1日をまたぐかどうかが翌年の課税を分けます。
提出先は登記で分かれます(登記済と未登記)
どこへ出すかは、取り壊した家屋が法務局で登記されているかどうかで分かれます。次の表で確認します。
| 区分 | 必要な手続き | 提出先 | 市への通知 |
|---|---|---|---|
| 未登記家屋(法務局で登記がない) | 家屋滅失届の提出 | 家屋所在地の市区町村 税務課・資産税担当 | 届出後に職員が現地確認し課税台帳を抹消 |
| 登記済家屋(登記がある) | 建物滅失登記の申請 | 管轄法務局 | 登記完了後に法務局から市へ通知され、市が現地確認 |
| 登記済だが年末に間に合わない | 家屋滅失届の提出(併用) | 家屋所在地の市区町村 | 登記が翌年以降になる場合の補完届出 |
かすみがうら市は「未登記家屋は家屋滅失届を税務課へ、登記済家屋は法務局で滅失登記を。滅失登記が翌年以降になるときは税務課へ家屋滅失届も提出してください」と案内しています。杉戸町も「登記家屋は法務局で滅失登記、未登記や登記が遅れる場合は建物滅失届を税務課へ」と整理しています。どちらか迷うときは、まず家屋所在地の市区町村へ確認すると案内が得られます。
提出期限はいつまで?間に合わないときの対処
固定資産税の期限は「取り壊した年の年末まで」が目安です。桜川市は「必ず取り壊した年の年末までに手続きをしてください。固定資産税は毎年1月1日現在の状況で課税されるため翌年度から課税されなくなります」としています。杉戸町は「不動産登記法により滅失から1か月以内に法務局へ滅失登記することとされているが、1月1日時点で登記完了や届出がないとその年の固定資産税が課税される場合がある」と注意を促しています。
期限と遅れたときのポイント
- 年末までに家屋滅失届または滅失登記を完了できれば、翌年度から家屋分の課税は止まります
- 年をまたいで届出をする場合は、取り壊し日が確認できる解体証明書・工事領収書・日付入り写真などを添付します(杉戸町の案内)
- かすみがうら市は「取り壊しが年末で現地確認が年内にできない場合は、取り壊した日を確認できる書類を用意してください」としています
- 1月1日を過ぎてから届出ても、当年の課税は取り消されず翌年度からの反映になります
手続きに必要なもの
提出前に揃えるもの
家屋滅失届の様式は市区町村のホームページからPDFで取得できることが多く、窓口でも配布しています。桜川市は紙での提出のほかにLoGoフォームによる電子申請も案内しています。自治体により郵送・オンラインの可否が異なるため、事前に税務課の案内を確認します。
窓口・郵送・オンラインの提出方法
提出方法の分岐
- 窓口:家屋所在地の市区町村 税務課・資産税担当へ家屋滅失届を提出します(新座市は課税課、桜川市は税務課大和庁舎または総合窓口課)
- 郵送:所定様式に記入し、必要に応じて解体証明書の写しを同封して郵送します。到達日が年末に間に合うよう余裕をもって発送します
- 法務局:登記済家屋は管轄法務局へ建物滅失登記を申請します(例:かすみがうら市は水戸地方法務局土浦支局、杉戸町はさいたま地方法務局春日部出張所)
- オンライン:自治体がLoGoフォーム等を提供している場合は、フォームから家屋滅失届を送信できます(桜川市の案内)
住宅を取り壊すと土地の税が上がる場合があります
家屋が専用住宅や併用住宅であった場合、住宅が建っている土地には「住宅用地に対する課税標準の特例」が適用され固定資産税が減額されています。家屋を取り壊すとこの特例から外れ、翌年度の土地の固定資産税・都市計画税が上がることがあります。杉戸町と桜川市はこの点を注意事項として明記し、住宅用地でなくなった場合は「住宅用地申告書」の提出が必要になることがあると案内しています。土地の税額が変わることを踏まえて翌年度の納税通知書を確認します。
届出を忘れた・期限を過ぎたときの対処
年末までに届出をし忘れた場合でも、気づいた時点で速やかに手続きします。1月1日を過ぎてから届出ても当年の課税は取り消せませんが、翌年度以降の課税は止められます。
税務課へ連絡し、家屋滅失届を入手する。自治体のホームページのPDFまたは窓口で取得します。
取り壊した日が確認できる書類を添える。解体証明書、工事領収書、日付入り写真などを用意します。杉戸町は年をまたいだ届出では添付を求めています。
家屋所在地の市区町村へ提出し、現地確認を依頼する。登記済で法務局手続きが遅れている場合は、その旨も伝えます。
すでに翌年度分の納税通知書に取り壊した家屋が含まれて課税されている場合は、税務課へ連絡して課税の見直しを相談します。現地確認後に課税台帳が抹消され、更正されることがあります。
よくある質問
年の途中で取り壊したら、その年の固定資産税は月割で安くなりますか?
なりません。固定資産税は1月1日現在の所有者に1年分が課税され、日割・月割の制度はありません。新座市は「年の途中で取り壊しても年度分は全額納める」と案内しています。翌年度から家屋分の課税がなくなります。
登記済の家屋でも、市区町村へ家屋滅失届は必要ですか?
原則は法務局で建物滅失登記をすれば法務局から市へ通知が入り、市での届出は不要です。ただし、滅失登記が12月末までに間に合わない場合や翌年以降になるときは、市区町村へも家屋滅失届を提出します。かすみがうら市と桜川市がこの分岐を案内しています。
住宅を壊したら土地の固定資産税はどうなりますか?
住宅用地の特例が外れるため、翌年度の土地の税額が上がる場合があります。杉戸町は「取り壊した家屋が専用住宅・併用住宅の場合は翌年度の土地の税が上がる場合がある」としています。住宅用地申告書の提出を求められることがあるため、市区町村へ確認してください。
問い合わせ先
家屋滅失届の提出先や様式、オンライン可否は家屋の所在地の市区町村 税務課・資産税担当・課税課へ確認します。登記手続きは管轄法務局(かすみがうら市は水戸地方法務局土浦支局、杉戸町はさいたま地方法務局春日部出張所、桜川市は水戸地方法務局筑西出張所など)が窓口です。不明なときは市区町村の税務課へ連絡すると、登記済か未登記かに応じた正しい窓口を案内してもらえます。
まとめ:翌年も課税されないためのチェックリスト
翌年課税を止めるための最終確認
家屋の解体後は、固定資産税の手続きを忘れずに行い、翌年度の課税を正しく止めることが大切です。提出先がわからないときは、家屋所在地の市区町村の税務課へ早めに相談します。