介護保険の住宅改修は、工事を始める前に担当ケアマネジャー等へ相談し、「住宅改修が必要な理由書」を添えてお住まいの市区町村へ事前申請します。承認内容を確認してから着工し、完成後に領収書等で支給申請をします。理由書は原則として担当介護支援専門員や地域包括支援センター職員が作成します。対象は要支援・要介護認定を受けた方で、支給限度基準額20万円のうち7~9割が償還払いで支給されます。様式や受付方法は市区町村で異なりますので、着工前に必ず住所地の介護保険担当へ確認してください。

対象になる方と金額の骨格

対象は要支援・要介護の認定を受けている方です。利用できる支給限度基準額は20万円です。支給されるのは対象部分のうち7~9割で、割合は本人の利用者負担割合に応じて変わります。松山市の現行案内では、1割負担で18万円、2割負担で16万円、3割負担で14万円が給付限度額の目安として示されています。要介護状態区分が3段階以上重くなった場合や転居した場合は、再度20万円までの基準額が設定される場合があります。保険料を長期に滞納している場合は給付制限が適用されることがありますので、滞納がある方はあわせて確認してください。

負担割合別の給付上限の目安を整理します。
利用者負担割合20万円に対する給付上限の目安
1割18万円
2割16万円
3割14万円

対象工事は平成11年厚生省告示第95号に定める6種類です。厚生労働省の現行案内で示される種類を確認します。

介護保険の住宅改修として認められる工事の種類です。

  • 手すりの取付け
  • 段差の解消
  • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取替え
  • 洋式便器等への便器の取替え
  • その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

理由書は誰が書くのか

理由書は居宅介護支援の一環として、担当する介護支援専門員や地域包括支援センター職員が作成することとされています。東京都北区の案内でも、介護支援専門員が住宅改修が必要だという理由書を作成すると示されています。住宅改修のみを利用する方で、居宅介護支援が行われないために作成者の確保が難しい場合は、自治体に住宅改修支援の仕組みがあることがあります。松山市では支給要件を満たす場合に限り、作成者の所属事業者へ1件2,000円の支援費を支給しています。担当ケアマネジャーがいない方は、まず地域包括支援センターまたは住所地の介護保険担当へ相談してください。ご自身で作成できると決めず、自治体の扱いを確認します。

事前・事後の申請の流れ

住宅改修についてケアマネジャー等へ相談し、工事内容と必要性を整理します。改修前には必ずケアマネジャーへ相談してください。

支給申請書、理由書、工事費見積書、完成予定の状態が分かる写真または図を用意し、保険者である市区町村へ提出します。保険者は給付として適当な改修かを確認します。

事前の内容を確認してから施工し、完成させます。書類に不備がなくても承認に時間を要する場合があります。

工事終了後に領収書、工事費内訳書、改修前後の写真、必要に応じて所有者承諾書を提出し、正式な支給申請をします。確認後に住宅改修費が償還払いで支給されます。

事前・事後で用意する書類

厚生労働省資料と自治体の手引きで示される基本書類です。自治体様式を使います。

差し戻しを防ぐ確認点

保険者は提出書類により保険給付として適当な改修かを確認します。松山市の案内では、支給を受けるには改修前と改修後にそれぞれ手続きが必要で、受付日から2年間を経過しても事後申請が行われない場合は事前申請を取り下げたものとみなすとされています。次の点を確認してください。

提出前に確認する項目です。

担当ケアマネジャーがいない場合はどうしますか。

地域包括支援センターまたは住所地の介護保険担当へ相談します。住宅改修のみを利用するために作成者確保が難しい場合の支援制度を設ける自治体があります。自己作成や着工を先に進めず、作成者と様式を確認してください。

工事を始めてしまった場合はどうなりますか。

原則として改修前の手続きが必要です。やむを得ない事情がある場合の完成後申請は自治体の判断になります。着工後でも速やかに住所地の介護保険担当へ相談し、指示を確認してください。

20万円を超えた工事費はどうなりますか。

限度基準額を超えた部分は自己負担になります。限度額の範囲内であれば何回かに分けて申請できる場合があります。これまでの申請額や支給額は本人・家族または担当ケアマネジャーから介護保険担当へ確認してください。

賃貸住宅でも利用できますか。

利用者本人の所有でない住宅で改修する場合は住宅所有者の承諾書が必要です。退去時の原状回復など賃貸契約の条件も別に確認し、事前申請の前に所有者の承諾を得てください。

次にすること

まず要介護・要支援認定の有無、利用者負担割合、保険料の滞納の有無を確認します。次に担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターへ工事内容を相談し、住所地の介護保険担当へ事前申請の様式と提出方法を確認します。着工は事前内容の確認後に進め、完成後は領収書と写真をそろえて速やかに支給申請をします。

厚生労働省 福祉用具・住宅改修を確認する厚生労働省の住宅改修の考え方と対象種目を確認します。松山市 住宅改修費の支給・手引きを確認する事前・事後の書類や限度額、手引きの最新版を確認します。自治体例として参照し、住所地の案内で読み替えます。

公式情報と確認日

この記事は、厚生労働省「福祉用具・住宅改修」「介護保険における住宅改修」、松山市「住宅改修費の支給・住宅改修の手引き」「住宅改修支援費の支給」、東京都北区「住宅改修理由書」を2026年9月15日に確認して作成しています。申請書様式や受付方法、支援費の有無は市区町村で異なりますので、最終確認はお住まいの市区町村の介護保険担当で行ってください。