健康保険 被扶養者資格の再確認を提出しないと削除?130万円超過と一時的収入変動の対処

提出しないと被扶養者資格が喪失し、削除日以降の医療費は返還請求の対象になります。協会けんぽは令和7年12月12日提出期限、組合健保は組合が定める日(例:2026年9月1日)で削除され、130万円超過でも人手不足による一時的な増収は事業主証明で最大2年継続できます。

被扶養者資格の再確認(検認)とは

健康保険の被扶養者資格の再確認は、健康保険法施行規則第50条に基づき、毎年一定の期日を定めて被扶養者が引き続き要件を満たしているか確認する手続きです。協会けんぽや健康保険組合が、被扶養者として認定された家族について、届出漏れ等で要件を満たさないまま扶養に残っているケースを是正し、保険給付の適正化と事業主・被保険者の保険料負担の適正化を図る目的で実施します。事業主は検認の求めがあったときは被保険者に提出を求め、遅滞なく保険者へ提出する義務があります。

誰が対象か(令和7年度の3つの絞り込み)

令和7年度の協会けんぽの例では、全ての被扶養者ではなく扶養解除の可能性が高い方に絞って確認します。対象者がいない場合はリスト自体が送付されません。

対象者の例

  • 健康保険の資格が重複している可能性が高い方(就職して被保険者になったのに扶養解除していない等)
  • 同居が扶養要件の続柄で別居している可能性が高い方
  • 令和6年中の課税収入額が130万円(60歳以上または障害厚生年金受給程度の障害がある方は180万円)を超過している方 ※18歳未満や直近で認定された方は除く

各健康保険組合でも同様に、16歳以上の被扶養者や収入確認ができなかった方等を対象に調査票が送付されます。調査票に氏名が載っている方のみが当年度の対象です。

提出しないとどうなるか:削除日と資格確認書無効・医療費返還

削除日は保険者が定める日です。協会けんぽは令和7年度は提出期限を令和7年12月12日としています。健康保険組合の例では、大塚製薬健康保険組合が「2026年9月1日で資格喪失」と明示し、セキスイ健康保険組合も「検認を受けない資格確認書は無効、無資格受診の医療費を返還」と案内しています。提出しないまま医療機関を受診すると、後で健保負担分の返還を求められるため、受診前に必ず手続き状況を確認してください。

提出しない場合の影響

  • 被扶養者としての資格が削除(非該当)となり、資格確認書等は無効
  • 削除日以降の医療費は健保負担分を返還請求(入院・外来・薬剤・健診等を含む場合あり)
  • 扶養解除に伴い国民年金第1号への切替や国民健康保険への加入等が別途必要になる場合あり

収入要件:130万円・180万円・19歳以上23歳未満は150万円

被扶養者の年間収入要件は「過去ではなく認定時点以降の年間の見込み収入額」で判定します。協会けんぽおよび日本年金機構の基準は次のとおりです。

収入要件の基準額
区分年間収入要件補足
一般(60歳未満)130万円未満月額108,333円以下、日額3,611円以下が目安。通勤手当を含む総支給額で判定
60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方180万円未満高齢者・障害者の特例
19歳以上23歳未満(配偶者を除く)※扶養認定日が令和7年10月1日以降150万円未満令和7年10月1日以降の認定から適用。学生等の扶養継続に影響

同居の場合は「被扶養者の年収が被保険者の年収の半分未満」、別居の場合は「被扶養者の年収が被保険者からの仕送り額未満」も同時に満たす必要があります。雇用保険の失業等給付、公的年金、傷病手当金や出産手当金も収入に含まれます。日本国内に住所を有することも要件で、別居時は仕送り額がわかる振込明細等の添付が原則必要です。

一時的収入変動は事業主の証明で継続できる(最大連続2年)

厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」に基づき、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動で130万円(または180万円・150万円)以上となった場合、事業主が「一時的な収入変動である旨の証明」を提出することで、引き続き被扶養者として認定されます。協会けんぽはこの証明を被扶養者状況リストと併せて提出するよう案内しています。

事業主証明の運用ポイント

  • 本来想定される年間収入が要件未満で、一時的に要件以上となった場合が対象
  • 事業主の証明様式(厚生労働省・協会けんぽが公開)を添付。証明対象期間は1年間(例:2025年1月1日~12月31日)
  • 大塚製薬健保の例では連続2年まで提出可能。3年連続で超過した場合は対象外となり扶養解除が必要
  • 継続的に要件を超える見込みの場合は、証明ではなく扶養解除(被扶養者異動届)を行う

提出方法と提出先

事業主から被扶養者状況リスト(協会けんぽ)または調査票(組合健保)を受け取り、記載内容と対象者を確認します。

被扶養者ごとに「他健保に加入していないか」「同居要件を満たすか」「収入要件を満たすか」「一時的収入変動に該当するか」を確認し、リスト・調査票に結果を記入します。

該当区分の添付書類を用意します。課税(非課税)証明書、源泉徴収票、確定申告書写し、年金振込通知書写し等は市区町村や年金事務所で取得します。一時的収入変動は事業主の証明、別居は仕送り証明(直近3か月分等)を添えます。マイナンバーが記載された書類はマスキングして提出します。

事業主経由で提出します。協会けんぽは同封の返信用封筒で支部へ、扶養解除となる方がいる場合は被扶養者異動届を日本年金機構へ電子申請または紙で提出します。紙の被扶養者調書兼異動届は決定通知まで1~2か月かかるため、急ぐ場合は日本年金機構事務センターへ直接提出します。

扶養解除の対象がいない場合でも、被扶養者状況リスト・調査票自体は提出が必要です。提出後の追加書類は、Web検認システムでは5MB未満のPDF/JPG等で再アップロードできます。

提出期限はいつか

提出期限の例
運営主体期限・削除日備考
協会けんぽ(令和7年度)令和7年12月12日(金)必着10月下旬から事業主へリスト送付
健康保険組合の例(大塚製薬健保)2026年9月1日で資格喪失期日までに審査できない場合は当該日で削除。組合により異なる
セキスイ健保等の検認組合が定める期日検認を受けない資格確認書は無効。返信用封筒は委託先へ

期限は運営主体により異なります。お手元の調査票・同封の案内に記載された期限を必ず確認し、事業主の取りまとめ期限(社内期限)が別に設けられている場合はそちらを優先してください。

期限を過ぎた後のリカバリー

やむを得ない理由で遅れる場合は、まず勤務先の事業主または健康保険組合のコールセンターへ電話・メールで連絡してください。多くの組合では、備考欄に「遅延理由と提出予定日」を記入のうえ一旦提出し、後から不足書類を追完する運用が案内されています。

期限後にやること

  • 勤務先の人事・労務担当へ遅延を報告し、再提出の指示を受ける
  • 組合のコールセンターへ連絡し、追完の方法(郵送・メール・Webアップロード)を確認する
  • 収入確認書類や事業主の証明、仕送り証明を速やかに用意して提出する
  • 削除日が過ぎている場合は、遡って削除される場合があるため、削除日以降の受診分について医療費返還の可能性を確認し、国民健康保険等の切替手続きを準備する

提出が遅れても、遡って被扶養者が削除される場合があります。削除日以降に被扶養者として受診した分は返還対象となるため、保険証の利用を控え、早めに手続きを完了してください。

よくある失敗と注意点

注意点

  • マイナンバーが印字された課税証明書等はそのまま提出できません。マスキングしてから添付します。
  • 源泉徴収票は給与収入以外の所得がある場合は不可。課税証明書等と併せて提出します。
  • Web検認システムの1ファイル上限は5MB。パスワード付きPDFは不可。スマホ写真は容量オーバーになりやすいためスクリーンショット等で軽量化します。
  • 別居の仕送りは「毎月定期的に基準額以上」が要件。現金手渡しやまとめ振込で証明できない場合は扶養継続できません。
  • 18歳未満は多くの組合で調査対象外ですが、組合により取扱いが異なります。
  • 無職無収入でも「なし」に○をして必ず提出が必要です。未提出は不備として審査不可になります。

次にやることチェックリスト

提出前のチェックリスト

よくある質問

調査票に名前がない被扶養者は提出不要ですか?

当年度の調査対象者のみが印字されます。名前がない方は今回の検認対象外のため追記不要です。ただし、就職や収入超過等で扶養要件を満たさなくなった方がいる場合は、別途被扶養者異動届で削除手続きが必要です。

一時的でも130万円を超えたらすぐ削除されますか?

本来の年間見込みが要件未満で、人手不足による労働時間延長等の一時的増収が原因であれば、事業主の証明を添付して最大連続2年は継続できます。3年連続超過や、継続的に要件を超える見込みの場合は削除が必要です。1か月だけの超過は基準内とみなす組合もありますが、2か月以上連続超過は翌月1日から削除とする取扱いもあるため、組合の案内で確認してください。

提出後に添付書類を追加できますか?

多くの組合のWeb検認システムでは、提出後でも追加・差替が可能です。提出ボタンがグレーアウトしても資料は反映されます。誤ってマイナンバー入りの書類を上げた場合は削除して再アップロードしてください。操作方法が不明な場合はコールセンターへ連絡してください。

公式情報と問い合わせ先

本記事は2026年8月26日時点の次の公式情報で確認しています。手続き前に必ずお手元の案内と併せて最新の運用をご確認ください。協会けんぽは支部、組合健保は各組合のコールセンターが問い合わせ先です。全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和7年度被扶養者資格の再確認について」、日本年金機構「被扶養者にするとき・異動があったときの手続き」、大塚製薬健康保険組合「被扶養者調査に関するQ&A」、セキスイ健康保険組合「検認に関するQ&A」が根拠です。いずれも健康保険法施行規則第50条に基づく年次の検認であり、未提出時の資格確認書無効や医療費返還、一時的収入変動の事業主証明による特例を定めています。