eLTAXで給与支払報告書を一度送信した後に、金額や徴収区分、人数の誤りに気づいても、個人別明細書の「申告区分」を「訂正」または「追加」「取消」に切り替え、総括表の報告人員を対象人数のみで再送信すれば訂正できます。同じ人を「新規」で再送すると二重計上になるため、必ず申告区分を選び直すのが最初の確認ポイントです。期限後や過年度分でも同じ区分で再提出できます。

この記事の対象と前提

対象は、eLTAX(PCdeskや対応する給与・税務ソフト)で給与支払報告書(給与所得の源泉徴収票と一元化して市区町村と税務署へ送るデータ)を提出した事業所の担当者です。年末調整後に誤りが見つかった場合、提出直後に漏れが分かった場合、退職者の扱いを間違えた場合が含まれます。紙で提出した場合の訂正も末尾で補足します。

対象と前提

  • eLTAXで「給与支払報告書(個人別明細書+総括表)」を送信済みである
  • 送信後に金額・氏名・住所・マイナンバー・支払金額・控除額・徴収区分・退職区分・乙欄などの誤りに気づいた、または提出漏れ・過剰提出があった
  • 訂正・追加・取消のいずれで直すべきか、総括表の書き方が分からない

まず確認すること:最初に見る3点

最初の3点チェック

よくある誤りと原因の切り分け

原因を1つに決めつけず、誤りの種類から必要な訂正区分を選びます。

誤りパターンと訂正区分
誤りパターン使う申告区分注意点
支払金額・控除額・社会保険料などの金額違い訂正訂正後の正しい金額で対象者分のみ再作成
氏名・住所・生年月日・マイナンバーの記載誤り訂正CSVレイアウトで数字以外が入っていないか確認
徴収区分(特別徴収/普通徴収)・退職区分・乙欄の選択誤り訂正摘要欄の「特別徴収希望」等の追記要否を確認
提出すべき人を出し忘れた(提出漏れ)追加漏れた人分のみを「追加」で提出、総括表は追加人数のみ
退職していない人を退職扱いにした等、不要な提出取消取消対象者分のみを「取消」で提出、総括表は取消人数のみ
前職分の合算漏れ・過年度分の誤り訂正または追加他の支払者欄と摘要欄への前職情報の追記を確認

訂正・追加・取消の違いを整理

eLTAXでは2回目以降の提出時に、個人別明細書ごとに「申告区分(または訂正表示)」を選びます。紙では総括表と個人別明細書の上段欄外に朱書きで「訂正」「追加」「取消」と記入します。総括表の報告人員は、訂正・追加・取消の対象人数だけを記載します(全従業員数を再記入しません)。藤沢市は「対象となる個人別明細書のみ提出」と案内しています。

区分の使い分け

  • 訂正:既に提出した人の内容を正しい内容に置き換える
  • 追加:提出していなかった人を新たに提出する
  • 取消:提出したが本来不要だった人を取り消す

eLTAX(PCdesk等)での訂正手順

誤りと対象者を確定し、市区町村ごとに分ける

どの市区町村宛ての誰の明細が誤っているかをリスト化します。複数の市区町村にまたがる場合は、市区町村ごとに総括表を作成します。

個人別明細書を正しい内容で再作成し申告区分を設定する

PCdeskや給与ソフトで対象者分の個人別明細書を開き、正しい金額・住所・徴収区分等に修正します。作成時の「申告区分」欄で「訂正」「追加」「取消」のいずれかを必ず選択します。ソフトによっては「訂正表示」と表示されます。

総括表を作成する(報告人員は対象人数のみ)

総括表の報告人員には、今回訂正・追加・取消する人数だけを入力します。普通徴収に該当する人がいる場合は、普通徴収切替理由書も添付します。

eLTAXで送信し、受付結果を確認する

送信後、PCdeskのメッセージボックスに届く「申告受付完了通知」の受付番号を控えます。受付結果が「審査中」や「エラー」の場合は、エラー内容に従いCSVレイアウトや市区町村コード(例:藤沢市が案内する統一CSVレイアウト)、指定番号の入力漏れを修正して再送します。

市区町村へ到達確認が必要なときは電話で照会する

藤沢市の案内では、事業所名称・指定番号・利用者ID・受付番号を手元に用意して市民税課へ電話で確認できます。ポータルセンターの保存は120日間です。

紙で訂正する場合の書き方

eLTAXの申告区分が選べない、または紙での提出を求められたときは、次の方法で再提出します。

紙での訂正方法

  • 総括表:報告人員欄に対象人数のみを記載し、上段欄外に「訂正」「追加」「取消」を朱書き(印字がある場合は○で囲む)
  • 個人別明細書:対象者分のみ作成し、上段欄外に朱書きで「訂正」「追加」「取消」と記入
  • 普通徴収に該当する対象者がいる場合は普通徴収切替理由書を添付
  • 提出後に案内はがきが届いても、eLTAXで提出済みなら紙での再提出は不要(誤りがある場合のみ上記で訂正)

訂正に必要な情報・書類

必要な情報と書類

  • eLTAX利用者ID、事業所の指定番号(特別徴収税額通知に記載)
  • 申告受付完了通知の受付番号(120日以内に確認)
  • 訂正後の個人別明細書に記載する正しい支払金額・控除額・社会保険料・住所・氏名・マイナンバー
  • 総括表(報告人員は訂正・追加・取消の人数のみ)
  • 普通徴収切替理由書(該当者のみ)
  • 前職合算がある場合は他の支払者の所在地・名称・支払金額等の情報(摘要欄への内訳記入を含む)

自分で直せないケースと次にやること

次のような場合は、送信を繰り返す前に原因を確認し、eLTAXヘルプデスクや提出先市区町村へ相談します。

要相談のケース

  • 統一CSVレイアウトどおりに作成されておらずエラーになる(個人番号欄に数字以外がある、市区町村コードが誤っている、指定番号未入力など)
  • 1つの利用者IDで複数の事業所(指定番号)分をまとめ送信している、または同一事業所で複数IDを使い分けている
  • 特別徴収税額通知の電子化や納入書送付の選択を誤った
  • 過年度分や期限後に訂正が必要だが申告区分の扱いに迷う
  • ポータルセンターの120日保存を過ぎて受付番号が確認できない

相談先・エスカレーション

相談先一覧
相談先相談内容連絡時の用意
eLTAXヘルプデスク(0570-081459 平日9:00-17:00)または問い合わせフォームPCdeskの操作、申告区分の選択、送信エラー、CSVレイアウト利用者ID、事業所名称、エラー文面
提出先市区町村の市民税課(給与支払報告書担当)訂正・追加・取消の要否、総括表の書き方、到達確認、過年度の扱い事業所名称、指定番号、利用者ID、受付番号
所轄税務署源泉徴収票の記載内容や金額の求め方、法定調書合計表の本店一括提出の承認事業所情報、該当者の支払内容

国税庁は、eLTAXでの一元化はPCdesk(DL版)等で行い、e-Taxソフトのみでは一括作成・送信できないと案内しています。利用方法に迷うときは、上記の窓口へご相談ください。

自治体・期限・提出方法による違い

提出期限は原則1月31日ですが、神戸市が案内するように2026年度(令和8年度)は2026年2月2日(月曜)が期限です。期限を過ぎた訂正提出は可能です。eLTAXと紙・光ディスク等の提出方法は併用せず、いずれかで提出します。紙の案内はがきが届いても、eLTAXで提出済みなら対応不要です(藤沢市)。提出義務の有無は、前々年の源泉徴収票提出枚数が100枚以上の場合にeLTAX等での電子提出が義務付けられる点も確認しておきます(中野区・武蔵村山市の案内)。

違いのポイント

  • 期限:毎年1月31日が原則(休日は翌開庁日)。2026年度は2月2日と案内する自治体がある
  • 方法:eLTAX、紙、光ディスク等のいずれか。eLTAXでは申告区分で「訂正」等を選択、紙では朱書きで明記
  • 提出先:従業員の1月1日時点の住所地の市区町村ごと(事業所所在地ではない)
  • 確認:eLTAXの到達確認は市区町村の市民税課へ電話。税務署への源泉徴収票の内容相談は所轄税務署へ

よくある質問

訂正と追加はどう使い分けるのですか?

既に提出した人の内容を直すときは「訂正」、提出漏れの人を新たに出すときは「追加」です。個人別明細書ごとに申告区分を選び、総括表の報告人員は訂正または追加の人数のみを記載します。同一人を「新規」で再送すると二重計上になります。

期限を過ぎても訂正できますか?過年度分もeLTAXで出せますか?

できます。給与支払報告書の訂正・追加・取消は期限後や過年度でも同じ申告区分で提出できます。市区町村の審査で税額通知への反映が5月以降になる場合があります。過年度分の扱いに迷うときは提出先市区町村へご確認ください。

ソフトで「訂正」が選べません。どうすればよいですか?

板橋区の案内のように、申告区分が設定できないソフトでは紙での訂正提出が可能です。総括表と対象者分の個人別明細書に朱書きで「訂正」等と明記し、市区町村へ郵送または持参します。eLTAXヘルプデスクでも操作方法を確認できます。

送信したのに市区町村に届いているか不安です。

藤沢市の案内のように、事業所名称・指定番号・利用者ID・受付番号を控えて、提出先市区町村の市民税課へ電話で到達確認ができます。申告受付完了通知はポータルセンターに120日間保存されます。CSVレイアウト不備や市区町村コード誤りがあると受理されていない場合があります。

公式情報と確認日

本記事は2026年8月20日時点の公式情報で確認しています。提出期限や申告区分の運用は自治体により細部が異なる場合があります。

関連手続きと次の行動

給与支払報告書の訂正後は、特別徴収税額決定通知の内容が正しく修正されるか、源泉徴収票の合計表との整合を確認します。年末調整自体を誤っていた場合は、翌年1月31日までは会社側で再年調、以降は従業員が確定申告で是正します。法定調書(源泉徴収票)の本店一括提出の承認が必要な場合は、提出日の2か月前までに所轄税務署へ承認申請書を提出します。

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