結論:eLTAXで給与支払報告書を作成中に「使用できない文字があります」と表示され送信できないときは、受給者番号欄に使えない文字が含まれています。昭島市・いわき市の公式案内にある29種の禁止記号や予約語・先頭ドット・空白を取り除き、PCdeskで再検証して再送信してください。電子での特別徴収税額通知受取を希望する場合、受給者番号は必須です。

症状と前提の確認

次の条件に当てはまるか確認します。1つでも当てはまれば本記事の対処が該当します。

症状チェックリスト

  • PCdesk(eLTAX無償ソフト)や市販給与ソフトのeLTAX連携で、給与支払報告書申告データ作成時に「使用できない文字があります。」と表示される
  • エラー箇所が「受給者番号」欄と案内される、または受給者番号を入力した従業員のみでエラーが出る
  • 受給者番号に従業員コードとして「,」「/」「_」「-」や先頭の「.」などを使っている
  • AUX、CON、PRN、COM1、LPT1、NULなどの文字列を受給者番号に使っている
  • 受給者番号に空白(半角・全角スペース)が混入している
  • 普通徴収・特別徴収の選択や氏名・住所ではなく、受給者番号起因のエラーである

前提:給与支払報告書は市区町村へeLTAXで電子申告する手続きです。受給者番号は法令で定められた番号ではなく、事業所が従業員ごとに任意に設定する整理番号です。法令上の制約ではないため、禁止文字を避けて付け直すことができます。市販ソフトで作成したCSVをPCdeskに取り込んで送信する場合も同じチェックがかかります。

主な原因(起こりやすい順)

原因の優先順位

  1. 原因1:受給者番号に禁止記号( , @ ¥ / : * ? " ' | # % ^ ` ~ _ < > [ ] { } など)が含まれている — 最も多い
  2. 原因2:受給者番号の先頭1文字が半角ドット「.」になっている
  3. 原因3:受給者番号が予約語(AUX、CON、PRN、NUL、COM0~COM9、LPT0~LPT9)のみで構成されている
  4. 原因4:受給者番号に空白(半角スペース・全角スペース)が含まれている
  5. 原因5:電子受取(特別徴収税額通知をeLTAXで受け取る)を希望しているのに受給者番号自体が未入力

原因別 対処と再送信手順

エラーの対象を特定します。PCdeskのエラーメッセージで「受給者番号」と表示された従業員をメモし、該当者の受給者番号文字列を給与ソフトまたはPCdeskの入力画面で開きます。複数人いる場合は全員分を一覧化します。

禁止文字と照合し置換します。次の章の禁止文字表と突き合わせ、該当する記号や予約語・先頭ドット・空白を除去します。社内で使っている従業員コードに「/」や「-」「_」が含まれる場合は、ハイフンなしの連番や「-」を削除した代替(例:A-001 → A001、2024/001 → 2024001)に付け替えます。先頭が「.」の場合は先頭のドットを削除し、AUX等の予約語のみの場合は「AUX1」のように文字を足します。受給者番号は任意なので、税務上の不利益なく変更できます。

給与ソフト側でマスタを修正し、CSVを再作成します。給与ソフトの従業員マスタの受給者番号を修正後、eLTAX用の申告データ(CSVまたはXML)を再作成します。修正が全員に反映されているか、CSVをテキストで開いて再確認します。

PCdesk等で事前チェックします。PCdeskの申告データ作成画面で再取り込みし、「検証」または「作成」実行時にエラーが消えたことを確認します。「使用できない文字があります。」が再表示される場合は、まだ別の禁止文字が残っています。

再送信し、受取方法を確認します。エラーが解消したらeLTAXへ再送信します。鹿児島市の公式案内のとおり、2019年9月のエラーチェック強化以降、仕様外文字が含まれるとポータルセンタで受付エラーとなり市区町村へ配信されません。再送信後はメッセージボックスの受付結果を確認し、特別徴収税額通知の受取方法が「電子データ」になっているかも併せて確認します。電子受取希望で受給者番号不備や期限後提出の場合は書面通知になることがあります(昭島市)。

受給者番号の禁止文字と置換ルール

昭島市の公式ページ(2026年1月16日更新)で公表されている「受給者番号として使用できない文字、文字列」29項目を基に整理しました。いわき市でも同内容が「使用しないでください」と案内されています。

受給者番号で使用できない文字・文字列一覧(昭島市より)
項番文字・文字列説明
1,カンマ
2@アットマーク
3¥バックスラッシュ、円記号
4/スラッシュ
5:コロン
6*アスタリスク
7?クエスチョンマーク、疑問符
8"ダブルクォーテーション
9'シングルクォーテーション
10|バーティカルバー
11#シャープ
12%パーセント
13^カレット
14`アクサングラーブ/バックティック
15~チルダ
16_アンダーバー
17<不等号小なり
18>不等号大なり
19[左角括弧
20]右角括弧
21{左中括弧
22}右中括弧
23(先頭が).先頭1文字目が半角ドット
24AUXAUXのみの文字列
25COM0~COM9COMと0から9の連番のみの文字列
26CONCONのみの文字列
27LPT0~LPT9LPTと0から9の連番のみの文字列
28NULNULのみの文字列
29PRNPRNのみの文字列

上記に加え、いわき市の公式案内では「受給者番号を入力する際には、空白を避けるようにしてください。」と明記されています。半角・全角の空白が混入していないかも確認します。予約語は「その文字列のみ」の場合が対象です(例:AUXは不可、AUX01は可)。COM1~COM9、LPT1~LPT9も同様に「COM1」のように予約語+数字1桁のみが不可です。

自力で直せない・再送信できない場合

置換してもエラーが消えない、元の従業員コード体系を変えられない、PCdeskの操作自体で別のエラーが出る場合は、次の代替を検討します。

代替手段

  • 受給者番号を一時的に全員「社員番号から記号を除いた連番」に付け替え、給与支払報告書の提出を優先し、社内管理は別項目で補完する
  • eLTAXでの電子申告が困難な場合は、紙の給与支払報告書(総括表+個人別明細書)を従業員の住所地の市区町村へ郵送または持参で提出する(電子申告義務の電子提出100枚以上基準に該当しない場合や、やむを得ない場合)
  • 市販ソフトのCSV出力設定で、受給者番号の出力時に自動で置換する機能がないかベンダーに確認する

問い合わせ先・エスカレーション

原因切り分けができないときは、次の窓口へ順に相談します。操作や仕様の確認はeLTAXヘルプデスク、税額通知の受取方法や受給者番号の運用は提出先の市区町村課税課が担当です。

問い合わせ先

  • 提出先の市区町村 市民税課・課税課(給与支払報告書担当):受給者番号の運用可否、電子受取への切替、期限後提出の扱いを確認できます。昭島市の例では電話042-544-4125(個人市民税/特別徴収)が案内されています。
  • eLTAXヘルプデスク:0570-081459(全国一律市内通話料金)/03-5521-0019(IP電話等)、平日9時~17時。PCdeskのエラー表示やCSVインポートの手順を確認できます(いわき市掲載)。
  • 給与ソフトのサポート窓口:CSVの文字コードや受給者番号の出力桁数の仕様を確認します。

自治体・ソフトによる違い

全国共通の原則:eLTAXの受給者番号で使えない文字は地方税共同機構の仕様として全国共通です。昭島市・いわき市・鹿児島市の案内はいずれも同じ仕様に基づきます。違いが出るのは「特別徴収税額通知の電子受取の運用」です。昭島市の案内では、提出期限(令和8年2月2日)後の提出や受給者番号・メールアドレス不備があると、電子受取希望でも書面通知になる場合があります。市区町村ごとに受取方法の初期値や変更申請書の要否が異なるため、提出前に提出先の案内を確認します。ソフト面では、PCdeskは禁止文字を入力段階で制御しますが、市販ソフトは印刷も想定して入力を許容する場合があります。最終的にはPCdeskの検証でエラーが消えることが基準です。

よくある質問

受給者番号を社内で決めたコードから変えても問題ありませんか?

問題ありません。受給者番号は法令で定められた番号ではなく、特別徴収義務者(事業所)が従業員ごとに任意に設定する整理番号です。市区町村の税務処理では、氏名・住所・生年月日等と併せて個人を特定するため、番号自体を禁止文字を避けたものに付け替えtても税額計算に影響しません。社内では旧コードとの対応表を保管しておくと翌年以降の管理が容易です。

氏名の外字(髙・﨑など)で「使用できない文字」と出た場合も同じですか?

氏名の外字は別の仕様です。eLTAXの氏名等はJIS第1・第2水準の文字のみが原則で、外字は代替文字(髙→高、﨑→崎など)に置き換える必要があります。本記事の「受給者番号の禁止文字」は記号・予約語・先頭ドット・空白が対象で、氏名の外字エラーとは原因箇所と置換ルールが異なります。エラー箇所が氏名欄か受給者番号欄かを確認してください。

受給者番号エラーを放置して紙で提出すればよいですか?

やむを得ない場合は紙(総括表+個人別明細書)の提出も可能ですが、前々年の源泉徴収票提出枚数が100枚以上などの電子提出義務に該当する事業所は、eLTAXでの提出が義務付けられています(中野区のeLTAX案内)。義務該当の場合は、受給者番号を置換して電子申告することが原則です。義務非該当でも、特別徴収税額通知を電子で受け取りたい場合は受給者番号の修正が必要です。

公式情報と確認日

本記事は2026年8月26日時点で次の公式情報を確認して作成しています。制度や運用は更新されることがあるため、提出前に最新の提出先案内もご確認ください。

関連手続きと次のステップ

受給者番号エラーを解消して再送信できたら、次は給与支払報告書全体の提出期限と訂正手続きも確認しておきましょう。

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