労災治療中の病院変更は、変更後の労災指定医療機関へ様式第6号または第16号の4を届け出ます。変更前の病院での手続きは不要です。

転院前の確認

この記事は、労災保険で治療中の方が、別の労災保険指定医療機関等へ転院したいときの届出を整理します。業務中のけがや病気か、通勤中のけがや病気かで使う様式が変わります。全国共通の原則です。個別の給付可否は所轄労働基準監督署の判断によります。

転院前の確認ポイント

  • 業務災害か通勤災害かを確認します
  • 変更前と変更後がともに労災指定医療機関等かを確認します
  • 指定外の病院を挟む場合や健康保険で受診した期間がある場合は別扱いになります
  • 離職後や傷病年金受給中の方は事業主証明の扱いが異なります

様式の使い分け

様式の使い分け
災害の種類使う様式提出先
業務災害様式第6号 療養補償給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届変更後の指定医療機関等を経由して所轄労働基準監督署長へ
通勤災害様式第16号の4 療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届変更後の指定医療機関等を経由して所轄労働基準監督署長へ

業務災害の様式第6号は、表面に労働保険番号、負傷又は発病年月日、災害の原因及び発生状況、変更前と変更後の指定病院等、変更理由、傷病名などを記載します。通勤災害の様式第16号の4は、移動の経路や状況など通勤災害の発生状況を記載する欄があります。いずれも変更後の指定医療機関等に提出します。変更前の病院での手続きは不要です。厚生労働省の労災保険Q&Aで案内されています。

手順

手順1:変更後の労災指定医療機関等を決めます。転居や専門治療など転院理由を整理し、労災指定の有無を新しい医療機関へ確認します。

手順2:災害の種類に合った様式を選びます。業務災害は様式第6号、通勤災害は様式第16号の4を使います。労働保険番号、負傷又は発病年月日、発生状況、変更前と変更後、変更理由、傷病名を記載します。

手順3:事業主の証明を受けます。原則として事業主の証明欄がありますが、離職後や傷病年金受給中の療養など一定の場合は証明が不要です。通勤災害では事業主が災害を知り得なかった場合に証明を要しない扱いがあります。様式の注意書きで該当するか確認します。

手順4:変更後の指定医療機関等へ提出します。医療機関を経由して所轄労働基準監督署長へ届け出ます。提出後は新しい医療機関で労災保険による治療を受けます。

提出前のチェック

接骨院などでの施術の注意

接骨院などでも労災保険で受けられる場合がありますが、範囲に制限があります。厚生労働省のQ&Aでは、柔道整復師による脱臼または骨折への施術は応急手当を除き医師の同意が必要、はり・きゅうは医師が必要と認めて診断書を交付したものが対象と案内されています。該当する方は事前に医師と医療機関へ確認してください。

よくある質問

変更前の病院への手続きは必要ですか

不要です。変更後の労災指定医療機関等へ変更届を提出します。厚生労働省のQ&Aでも変更前の病院での手続きは不要と案内されています。

紹介状は必要ですか

労災の転院届に紹介状の添付は求められていません。ただし医学的な引継ぎのため、診療情報提供書が必要になることがあります。変更後の医療機関へ確認してください。

事業主の証明がもらえないときはどうしますか

離職後に提出する場合や、傷病補償年金などの受給権者が当該傷病の療養で提出する場合など、様式の注意書きで事業主証明が不要とされる場合があります。通勤災害では事業主が災害を知り得なかった場合に証明を要しない扱いがあります。該当するか様式の注意書きで確認し、不明な点は所轄労働基準監督署へ相談してください。

様式第6号(業務災害の変更届)業務災害の変更届様式(PDF)様式第16号の4(通勤災害の変更届)通勤災害の変更届様式(PDF)