70歳以上被用者の月額変更届は、被保険者と同じ『健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届』を使い、備考欄『1.70歳以上被用者月額変更』を○で囲み、⑰欄に個人番号または基礎年金番号を必ず記入して、事務センターまたは管轄の年金事務所へ速やかに提出します。改定年月は変動後初めて報酬を受けた月から4カ月目を正しく記入することが返戻防止のポイントです。
手続きの概要
70歳以上被用者も、報酬が昇給や降給で大幅に変動し随時改定の要件に該当したときは、被保険者と同一の月額変更届で標準報酬月額を改定します。日本年金機構の詳細説明では、同じ届書を使用する旨が明記されています。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、電子申請・郵送・窓口持参のいずれかで提出できます。
対象者
対象となる方の条件
- 70歳以上で厚生年金保険の適用事業所に勤務し、厚生年金保険の被保険者資格を喪失したうえで70歳以上被用者として就労している方
- 固定的賃金に変動があり、変動後3カ月の報酬平均で標準報酬月額に2等級以上の差が生じた方
- 3カ月いずれも支払基礎日数が17日以上(特定適用事業所の短時間労働者は11日以上)の方
随時改定に該当する3つの要件と改定年月
3要件をすべて満たしたときに随時改定の対象です
- (1)昇給・降給など固定的賃金(基本給、手当、単価など)に変動があったこと
- (2)変動月から連続する3カ月の報酬の平均額から算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額に2等級以上の差が生じたこと(上限・下限にわたる場合は1等級差でも対象)
- (3)変動月以後連続する3カ月の支払基礎日数がいずれも17日以上(短時間労働者は11日以上)であること
改定されるのは、変動後の報酬を初めて受けた月から起算して4カ月目の標準報酬月額からです。例えば4月に支払われる給与に変動があった場合は、4〜6月の3カ月平均で判定し、7月から改定されます。6月までに改定された標準報酬月額は当年の8月まで、7月以降に改定された場合は翌年8月まで適用されます。
備考欄と個人番号欄の正しい書き方
70歳以上被用者の届出で返戻が最も多いのは、備考欄と個人番号欄の記入漏れです。記入例PDFでは次のように示されています。
| 備考欄の番号 | 選択肢 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 1 | 70歳以上被用者月額変更 | 70歳以上被用者に該当する場合に○ |
| 2 | 二以上事業所勤務 | 複数の事業所で勤務する場合 |
| 3 | 短時間労働者(特定適用事業所等) | 短時間労働者に該当する場合 |
| 4 | 昇給・降給の理由 | 基本給の変更など理由を記入 |
| 5 | 健康保険のみ月額変更 | 健康保険のみ該当する場合 |
| 6 | その他 | 上記以外で備考が必要な場合 |
70歳以上被用者の記入ポイント
- ⑱備考欄の『1.70歳以上被用者月額変更』を必ず○で囲みます
- ⑰『個人番号(基礎年金番号)』欄には、70歳以上被用者の場合に限り個人番号または基礎年金番号を必ず記入します(被保険者では原則不要ですが、70歳以上では必須です)
- 昇給・降給があった場合は『7.昇(降)給』欄で該当する区分を○で囲み、変動があった支払月を記入します
提出先と提出方法
日本年金機構の詳細説明では、提出先は『事務センターまたは管轄の年金事務所』と案内されています。電子申請、郵送、窓口持参のいずれも可能です。
提出方法の分岐
- 電子申請:e-Govまたは事業所向けオンラインサービスから送信します。入力例ページで事業所整理記号・氏名・給与支給月・基礎日数・報酬月額・総計・平均額・備考欄の入力方法を確認できます
- 郵送:管轄の事務センターまたは年金事務所へ郵送します。エクセル様式は印刷前に余白・レイアウトを確認します
- 窓口持参:管轄の年金事務所の窓口へ持参します
年間報酬の平均で算定することを申し立てる場合は、申立書(様式1)と例年の状況・比較・同意書(様式2)の添付が必要です。通常の随時改定では添付書類は不要ですが、保険者算定を希望する場合に限ります。
返戻を防ぐチェックリスト
提出前に必ず確認します
出し忘れ・遅れたときの対応
随時改定は『速やかに』提出することが求められています。提出が遅れても要件に該当すれば届出は可能ですが、標準報酬月額の改定時期が遅れ、保険料や給付の計算に影響する場合があります。気づいた時点で速やかに提出し、定時決定の算定月(4〜6月)以後の変動は月額変更届が別途必要になる点にも注意します。70歳以上被用者としての資格取得や喪失の届出が遅れている場合は、併せて確認します。
よくある質問
70歳以上被用者も被保険者と同じ届書でよいですか?
はい。日本年金機構の届書案内では、被保険者および70歳以上被用者は『健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届』の同一様式を使用すると案内されています。70歳以上被用者の場合は備考欄『1』と個人番号欄の記入が必須です。
備考欄で『1.70歳以上被用者月額変更』以外も選ぶ必要がありますか?
70歳以上被用者に該当すれば『1』は必須です。さらに短時間労働者に該当すれば『3』、二以上事業所勤務に該当すれば『2』、昇給・降給の理由は『4』に記入します。該当する項目をそれぞれ○で囲みます。
個人番号を間違えた場合はどうなりますか?
⑰欄の個人番号または基礎年金番号に誤りがあると返戻の対象になります。事業主の確認欄で『個人番号に誤りがないことを確認しました』にチェックしたうえで、提出前に桁数と本人の番号を再確認します。
提出先は事務センターと年金事務所のどちらですか?
詳細説明では事務センターまたは管轄の年金事務所と案内されています。電子申請の場合はe-Govまたは事業所向けオンラインサービス、郵送の場合は管轄の事務センターまたは年金事務所、窓口の場合は管轄の年金事務所へ提出します。不明な場合は管轄の年金事務所へ確認します。
関連手続き
70歳以上被用者に関する他の届出も併せて確認します。70歳到達時の資格喪失届と70歳以上被用者該当届、算定基礎届での70歳以上被用者算定、賞与支払届での70歳以上被用者分など、手続きが連動する場合があります。随時改定の要件や定時決定との関係は、随時改定の概要ページで最新情報を確認します。
随時改定(月額変更届)|日本年金機構随時改定の概要と要件を確認する月額変更届 届書・詳細説明|日本年金機構届書様式と詳細説明を確認する【入力例】被保険者報酬月額変更届/70歳以上被用者月額変更届|日本年金機構電子申請の入力例で備考欄を確認する