2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れるときの労働条件通知書に、「通常の労働者との間の待遇の相違について説明を求めることができる」旨の明示が必要になります。会社は、通知書の文言だけでなく、説明を求められたときの申出先(部署名・担当者・連絡先)まで記載できるように準備してください。
追加される明示事項
追加されるのは、パートタイム・有期雇用労働者が、通常の労働者(会社でいう「正社員」など)との待遇の相違について、内容や理由などの説明を求められる旨です。厚生労働省のリーフレットでは、違反した者は10万円以下の過料に処されると案内されています。
| 確認項目 | 通知書への対応 |
|---|---|
| 対象者 | パートタイム労働者・有期雇用労働者の雇い入れ時に使う通知書を確認する |
| 追加する内容 | 待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる旨を明示する |
| 説明を求める申出先 | 部署名、担当者職氏名、電話番号やメールアドレスなど、労働者が申出先を特定できる情報を記載する |
| 雇用管理の改善等に関する相談窓口 | 説明を求める申出先とは別の相談窓口欄も確認する。同じ窓口なら「同上」などと記載できる |
申出先は「厚生労働省」ではなく、会社の担当窓口を書く
モデル労働条件通知書の「その他」欄には、待遇の相違について説明を求める先として、部署名、担当者職氏名、連絡先を記入する欄があります。ここは、労働者が自社の申出先を特定できるように書く欄です。たとえば、人事部や総務課など、実際に説明の受付と社内確認を担当する部署を指定します。
通知書に入れる申出先の確認
会社が先に行う3つの準備
現在使っている労働条件通知書を確認し、パート・有期雇用労働者向けの「その他」欄に追加項目を反映できるか確認します。厚生労働省のモデル様式は参考例であり、労働条件の定め方によっては様式どおりでなくてもよいとされています。
待遇差の説明を求められた場合に、待遇差の内容と理由を説明できるよう、基本給、手当、賞与、退職手当、福利厚生などの制度と正社員との違いを整理します。
2026年10月1日以降の雇い入れで使う書式と、申出先・相談窓口の運用担当者を決めます。電子メールなどで通知する場合も、労働者が希望した場合の要件を含め、労働条件通知書の記載要領を確認してください。
契約更新や説明の求めがあったときの注意
今回の追加項目は、パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れた時の労働条件明示に関するものです。既に雇用している人の契約更新や労働条件の変更にどの書式を使うかは、契約の状況と自社の運用を確認し、必要に応じて労働局や専門家へ相談してください。
また、労働者から待遇差の説明を求められた場合、事業主は待遇差の内容・理由などを説明する必要があります。厚生労働省は、資料を使って口頭で説明する方法、または説明事項を記載した分かりやすい資料を交付する方法を示しています。説明を求めたことを理由に、解雇などの不利益な取扱いをしてはいけません。
よくある質問
追加する文言は、通知書にどのように書けばよいですか?
厚生労働省のモデル様式には、「次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる」という趣旨の欄があります。モデル様式をそのまま使うか、自社の「正社員」などの呼称に置き換え、申出先の部署名・担当者・連絡先を記載してください。
申出先の電話番号やメールアドレスは必要ですか?
モデル様式の記載要領では、連絡先として部署または担当者の電話番号、メールアドレスなどを記載することが考えられるとされています。労働者が申出先を特定できる情報になっているかを確認してください。
相談窓口は待遇差の説明を求める申出先と別に必要ですか?
同じ窓口でも差し支えなく、その場合は「同上」などと記載できます。別の窓口を置く場合は、雇用管理の改善等に関する相談を受ける窓口も通知書に記載します。
公式資料で最終確認する
施行日や通知書の記載内容を確認するときは、厚生労働省の最新資料を確認してください。会社の個別事情や待遇差の説明内容に関する判断は、所在地を管轄する都道府県労働局などへ相談できます。
関連情報厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」関連情報厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(PDF)」関連情報厚生労働省「労働条件通知書(一般労働者用;常用、有期雇用型)(PDF)」