離職票の離職理由が実際と違うと感じたときは、まず会社へ記載内容の確認と訂正を依頼し、会社が応じない場合や急ぐ場合は離職票の「離職理由に異議あり」欄に丸を付けてハローワークで審査を求めます。ハローワークは退職届や解雇通知書、就業規則、賃金台帳・出勤簿などの証拠に基づき離職区分を判定し、会社と労働者の双方の事実確認のうえで給付制限の有無を決定します。

離職票の離職理由が重要な理由

雇用保険の基本手当(失業手当)は、離職理由により待期期間7日後の給付制限や受給期間が変わります。会社都合や正当な理由のある自己都合は給付制限が原則なし、理由なく自己都合で退職した場合は原則1か月の給付制限が付きます。離職票の7欄(離職理由)が事実と違うと、受給開始時期が不当に遅れることがあります。

最初に行うこと:会社へ訂正を依頼する

離職票は会社が作成する雇用保険被保険者離職証明書に基づいてハローワークが交付します。記載が違うと気づいたら、まずは会社の人事労務担当へ連絡し、離職証明書の訂正を依頼します。

会社へ伝える際のポイント

  • 離職票のどの欄が事実と違うか(7欄の離職理由、または8~12欄の賃金支払状況)を具体的に伝える
  • 自身が考える正しい離職理由と、その根拠となる書類(退職届の写し、解雇通知、契約書等)を提示する
  • 訂正後の離職証明書をハローワークへ再提出してもらえるか、再交付までの目安を確認する

会社が訂正に応じる場合は、会社がハローワークへ補正の手続きを行い、訂正後の離職票が再交付されます。

会社が訂正に応じない・急ぐ場合はハローワークで異議申立て

会社が訂正に応じない場合や、失業給付の手続きを急ぐ場合は、ハローワークで直接審査を求めることができます。

離職票の異議欄に記入する

雇用保険被保険者離職票-2の離職理由欄にある「離職理由に異議あり・異議なし」のうち、「異議あり」に丸を付けます。これにより、ハローワークが離職理由について事実確認と判定を行う対象になります。

ハローワークで受給資格決定時に申し出る

求職の申込みと受給資格決定の手続きの際に、窓口で「離職理由に異議がある」旨を伝えます。担当者が離職に至った経緯を聴き取り、必要書類の提出を求めます。

ハローワークが会社と本人双方に事実確認する

ハローワークは会社側の離職証明書と本人の主張・証拠を比較し、必要に応じて会社へ照会します。判定結果は離職区分として決定され、給付制限の有無が決まります。判定に不服がある場合は、雇用保険審査官への審査請求の制度もあります。

補正に必要な書類:東京ハローワークの案内

東京ハローワーク池袋の「離職票記載内容に関する補正に必要な書類」は、離職理由と賃金支払状況の補正で求められる書類を次のように案内しています。添付資料はコピーで提出できます。

離職理由の補正で求められる主な書類
補正したい内容必要な書類の例
会社都合(解雇等)解雇通知書、労働者名簿等で正しい離職理由がわかるもの
期間満了雇用契約書、就業規則等で契約期間がわかるもの
自己都合退職願、退職届等で労働者の意思による退職がわかるもの
定年・休職期間満了就業規則等で定年年齢や休職期間がわかるもの
賃金支払状況(8~12欄)賃金台帳、出勤簿、タイムカード等で正しい日数・金額がわかるもの

訂正・取消の場合は、訂正の根拠がわかる上記書類に加え、被保険者証や確認通知書、様式第4号を添付し、14欄に訂正理由と処理年月日を記入します(東京ハローワークの訂正・取消案内)。

準備すると審査が進みやすい証拠

  • 退職届・退職願の写し(提出日・受理日がわかるもの)
  • 会社からの退職勧奨や雇止めの通知、メール、チャット等の記録
  • 労働条件通知書、雇用契約書、就業規則(退職事由や契約期間の条項)
  • パワハラ・長時間労働等が理由の場合は、相談記録、医師の診断書、労働時間の記録

賃金額や出勤日数の間違いと離職理由の違いは別手続き

離職票の8~12欄(賃金支払状況)が違う場合も、同様に賃金台帳と出勤簿で補正できます。賃金額の間違いは給付日額の計算に影響し、離職理由の間違いは給付制限の有無に影響します。両方に疑義がある場合は、両方の証拠を併せて提出します。当サイトでは賃金額の訂正を別記事で扱っているため、そちらも併せて確認してください。

よくある質問

離職票に自己都合と書かれていましたが、会社から退職を勧められました。会社都合に直せますか?

退職勧奨の事実が確認できれば、会社都合(または正当な理由のある自己都合)に判定される可能性があります。退職勧奨の通知や面談記録、メール等の証拠を揃え、離職票の異議あり欄に丸を付けてハローワークで相談してください。ハローワークが会社へ事実確認し、証拠に基づき離職区分を判定します。労使の合意だけで事実に反する変更はできません。

異議を申し立てると、失業給付の手続きは止まりますか?

手続き自体は進められます。受給資格決定の際に異議を申し出ると、ハローワークが離職理由の判定を行い、その結果に基づいて給付制限の有無が決まります。判定に時間がかかる場合でも、求職活動は継続できます。結果に不服がある場合は審査請求が可能です。

離職票がまだ会社から届いていません。異議はどうすればよいですか?

まずは会社へ離職票の発行を依頼します。離職票が届かない場合の対処や、ハローワークで仮手続きができる場合については、事業所を管轄するハローワークへご相談ください。離職票が届いてから異議の手続きを行います。

次のステップ:関連する手続き

離職理由の判定が終わったら、失業認定や給付制限期間中のアルバイト申告、再就職手当の手続きへ進みます。退職後は健康保険や年金の切替も14日以内の手続きが原則です。

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