固定資産を所有していた方が亡くなり納税通知書が届かない、または故人名義で届くときは、資産所在地の市区町村へ「相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書」を現所有者であることを知った日の翌日から3か月以内に提出します。登記されている土地・家屋は法務局で相続登記が別途必要、未登記の家屋は市役所税務課へ所有者変更の届出が必要です。
相続後に納税通知書が届かない主な状況
固定資産税は毎年1月1日現在の所有者に課税されます。所有者が亡くなられたタイミングにより取扱いが分かれます。高島市の案内では、亡くなられた年の税は相続人が承継し、翌年以降は賦課期日までに相続登記が完了していない場合、現に所有している相続人等が所有者とみなされるとされています。そのため、登記や代表者指定が完了していないと、通知書が旧所有者名義で旧住所に送られたり、誰にも届かず滞納に見えることがあります。
届かない・故人名義で届く典型例
- 死亡後に相続登記をしていないため、市が新しい所有者を把握できず故人名義のまま旧住所へ送付されている
- 相続人が複数いるが代表者が決まっておらず、誰に送るか市が判断できない
- 未登記家屋の名義変更を市役所へ届け出ていないため課税台帳が更新されていない
手続きの全体像:登記と税務の届出は別です
代表者指定届は「納税通知書を受け取る代表者を決める」ための税務上の届出で、所有権の移転登記とは別の手続きです。朝倉市・浅口市はいずれも「本届出は不動産登記とは関係ありません。別途相続登記を行ってください」と明記しています。次の表で整理します。
| 手続き | 提出先 | 対象 |
|---|---|---|
| 登記家屋の名義変更(相続登記) | 法務局 | 登記されている土地・建物 |
| 未登記家屋の所有者変更 | 市役所税務課(資産税係) | 登記されていない家屋 |
| 相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書 | 資産所在地の市区町村税務課(東京23区は都税事務所) | 市県民税・固定資産税・軽自動車税等の書類を受け取る代表者の指定と現所有者の申告 |
手順1:資産と登記状況を確認する
まずは固定資産の所在地(どの市区町村か)と、登記されているかどうかを確認します。登記簿謄本や固定資産課税台帳、名寄帳などで所在地と所有形態を整理します。複数区・複数市町村に資産がある場合は、それぞれの所在地へ届出が必要です。東京23区は資産所在地の都税事務所が窓口です。
確認リスト
手順2:必要書類を準備する
朝倉市の案内では、被相続人との関係が分かる書類(戸籍謄本など)が必要です。浅口市は相続人全員の同意を得て記入すること、代表者は相続人の中から1名を選ぶことを求めています。
主な必要書類(自治体により異なります)
- 相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書(自治体所定様式:窓口または市サイトからPDF・Wordを入手)
- 被相続人との続柄が分かる戸籍謄本など
- 代表者・申告者の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 未登記家屋がある場合は別途、未登記家屋異動届など
手順3:資産所在地の市区町村へ提出する
市役所税務課(資産税係)または都税事務所の窓口で所定様式に相続人全員の氏名、被相続人との関係、代表者の住所・氏名などを記入し、本人確認書類と併せて提出します。相続人皆さまの同意を得てから記入してください。
自治体サイトから様式を印刷して記入し、戸籍謄本等の写しを同封して郵送します。浅口市は本庁舎1階税務課のほか、金光・寄島総合支所でも提出できると案内しています。封筒と切手を用意し、資産所在地ごとに分けて送付してください。
未登記家屋がある場合は、同じ窓口で所有者変更の届出を併せて提出します。登記家屋は併せて法務局で相続登記の手続きを進めます。完了すれば翌年度以降の課税台帳に反映されます。
提出期限と放置した場合の取扱い
高島市と浅口市は、現所有者であることを知った日の翌日から3か月以内に「相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書」を提出するよう案内しています。期限を過ぎても受理されますが、浅口市は「相続登記が完了していない場合は、現に所有されている方として相続人全員が連帯して納税義務を負う」としています。放置すると、誰が納付するか不明確なまま滞納や延滞金、督促の対象になるおそれがあります。
相続人が複数・遠方・未成年の場合
代表者は相続人の中から1名を選びます。遠方に住む場合でも、窓口へ出向かず郵送で提出できる自治体が多く、浅口市のように支所でも受け付ける例があります。未成年の相続人がいる場合も代表者に選べますが、記入に当たっては法定代理人の同意が必要な場合があります。自治体の記載例で記入欄を確認してください。
相続放棄を検討している場合でも、放棄が確定するまでは現所有者としての申告対象になることがあります。放棄手続きは家庭裁判所で別途行い、税務課への代表者指定とは手続きが異なります。判断に迷うときは税務課と家庭裁判所の双方へご確認ください。
よくある質問
相続人代表者指定届を出すと登記が変わりますか?
変わりません。朝倉市・浅口市は「本届出は不動産登記とは関係ありません。別途法務局で相続登記を行ってください」と案内しています。未登記家屋は市役所税務課への別途届出が必要です。
代表者を決めずに放置するとどうなりますか?
浅口市は「相続登記が完了していない場合は、現に所有されている方として相続人全員が連帯して納税義務を負う」としています。通知書が誰にも届かず滞納になるおそれがあるため、速やかに代表者を指定してください。
故人名義で納税通知書が届きました。支払う必要がありますか?
亡くなられた年の税は相続人が承継します。高島市の案内では、翌年以降は賦課期日までに登記が完了していないと現所有者が所有者とみなされます。故人名義でも納税義務は相続人にあり、代表者指定届と登記を進めてください。
公式情報と確認日
本記事は2026年9月2日時点の次の公式情報で確認しています。手続きの様式名や添付書類、支所での受付可否は自治体により異なります。提出前に資産所在地の市区町村(東京23区は都税事務所)の最新案内をご確認ください。
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