相続登記がまだでも、固定資産税の納税通知書が届かないままにしておくと延滞や過料のリスクがあります。結論は、令和6年4月1日から相続登記は取得を知った日から3年以内が義務で、登記が完了するまでは知った日から3か月以内に現所有者申告書(東京23区は都税事務所)または相続人代表者指定届(市町村は資産税課)を提出し、代表者1名に納税通知書を送付してもらいます。

手続きの概要

固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日に固定資産課税台帳に登録されている方に課税される市町村税(東京23区は都税)です。所有者が亡くなられた場合、相続登記で名義が変わるまでは、相続人が現所有者として納税義務を引き継ぎます。東京都主税局は令和3年4月1日から現所有者申告制度を開始し、登記が3か月以内にできない場合は都税事務所へ申告するよう案内しています。法務省は令和6年4月1日から相続登記を義務化し、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料対象としています。

対象者

対象となる方

  • 土地・家屋の所有者が亡くなられ、相続で現所有者となった方
  • 不動産登記簿の名義変更がまだ完了していない方
  • 納税通知書が故人名義のまま、誰に届くか分からない方
  • 共有で相続した方(全員が連帯納税義務を負います)

期限の全体像

期限の整理
手続き期限起算日
相続登記(基本的義務)3年以内相続開始と所有権取得を知った日
遺産分割成立後の登記3年以内遺産分割が成立した日
現所有者申告書・代表者指定届3か月以内現所有者となったことを知った日
固定資産税の賦課期日毎年1月1日-
納税通知書の発送例年4〜6月-

提出先はどこ?

窓口の違い
資産の所在地窓口届出名
東京23区内所在区の都税事務所現所有者申告書
23区外の市町村資産所在の市区町村の固定資産税課相続人代表者指定届 等
複数区・複数市町村それぞれの所在区・市町村へ各1通同上
相続登記自体管轄法務局の登記所相続登記申請書

必要書類

必要書類(写しで可)

  • 現所有者申告書または相続人代表者指定届(所定様式)
  • 戸籍謄本等の写し、または法定相続情報一覧図の写し
  • 遺産分割協議書の写し(該当する場合)
  • 申告者の本人確認書類の写し
  • 委任状(代理人の場合)

手順

相続の発生と現所有者の確定。戸籍等で法定相続人を確認します。

資産の棚卸し。課税明細書や登記簿謄本で対象不動産を洗い出します。令和8年2月2日施行の所有不動産記録証明制度で一覧取得も可能です。

3か月以内に現所有者申告。登記がすぐできない場合は都税事務所または市区町村へ提出します。

3年以内に相続登記。相続人申告登記で簡易履行も可能です。

翌年度以降の通知書を確認。代表者へ送付されます。住所が異なる場合は送付先変更届も提出します。

届かない原因別のチェック

原因と対処
症状原因対処
故人名義のまま通知が来ない申告未提出で納税義務者が特定されていない現所有者申告書を提出
代表者以外に届かない共有では代表者1名にのみ送付代表者指定で明示。個別送付は不可
1月1日以降に相続したのに前年分が故人に届く賦課期日時点の所有者に課税その年度は相続人が引継ぎ
通知書だけ届かず納付書もない送付先住所が旧住所のまま送付先変更届を提出

注意点

注意点

  • 現所有者申告では登記名義は変わりません。登記は法務局へ別途申請が必要です。
  • 遺産分割協議中は法定相続人全員の共有とみなされ、全員が申告義務と連帯納税義務を負います。
  • 相続人申告登記は基本的義務のみ履行できます。
  • 登録免許税の免税措置は令和9年3月31日までです。
  • 通知書が届かなくても納税義務は消滅しません。

よくある質問

相続登記と現所有者申告はどちらを先に行うべきですか?

可能な場合は相続登記を直接行います。3か月以内に登記できない場合に現所有者申告書等を先に提出し、3年以内に必ず相続登記を行います。

相続人が複数いる場合、誰が届け出ればよいですか?

全員に義務がありますが、代表者がまとめて申告できます。共有の場合は代表者1名に通知書が送付され、全員が連帯して納付します。

令和6年4月1日より前に相続した不動産も対象ですか?

はい、対象です。施行日より前に相続した不動産で未登記のものは、令和9年3月31日までに登記する必要があります。

まとめ

相続後の固定資産税は、1月1日賦課期日と令和6年4月の相続登記義務化をセットで理解することが重要です。登記が完了するまでは3か月以内の現所有者申告等で代表者へ通知書が届くようにし、3年以内の相続登記で正式に名義を移します。都税事務所・市区町村へそれぞれ提出し、戸籍等の写しを添えて手続きしてください。