標準報酬月額は、毎月の給与などを一定の幅の等級に当てはめた、健康保険・厚生年金保険の計算用の金額です。手取り額でも基本給だけでもありません。毎月の保険料や将来の厚生年金額などの計算基礎になり、賞与は別の「標準賞与額」で扱います。

標準報酬月額は何に使われるか
標準報酬月額は、毎月の給与額をそのまま使わず、社会保険の計算を共通の基準で行うために使われます。
- 健康保険料の計算基礎
- 厚生年金保険料の計算基礎
- 老齢厚生年金など、厚生年金の年金額計算の基礎
- 傷病手当金や出産手当金など、一部の健康保険給付の計算に関係する基礎
手取り・基本給・総支給額との違い
| 金額 | 意味 | 標準報酬月額との関係 |
|---|---|---|
| 手取り額 | 税金や社会保険料などを控除した後の振込額 | 手取り額を基に標準報酬月額を決めるわけではありません。 |
| 基本給 | 給与の基本となる固定部分 | 基本給だけでなく、労働の対償として支払われる手当等も報酬に含めて確認します。 |
| 総支給額 | 控除前の給与・手当等の合計 | 報酬月額を考える出発点ですが、標準報酬月額は総支給額そのものではなく、等級区分に当てはめた金額です。 |
| 標準報酬月額 | 社会保険の計算用に定める等級上の月額 | 毎月の保険料や年金額等の計算基礎になります。 |
| 標準賞与額 | 賞与を基に決める別の計算用金額 | 賞与は標準報酬月額へ単純に足さず、原則として標準賞与額で扱います。 |
報酬に含まれるもの・賞与として分けるもの
報酬月額には、基本給、固定的な手当、残業手当など、名称を問わず労働の対償として受けるものを含めて確認します。食事や住宅などを現物で受ける場合は、所定の方法で通貨に換算して報酬へ合算します。
| 支給の例 | 主な扱い |
|---|---|
| 基本給・固定手当・残業手当など毎月の労働の対償 | 報酬月額に含め、標準報酬月額の決定に使用 |
| 食事・住宅など労働の対償として受ける現物給与 | 通貨換算して報酬へ合算 |
| 労働の対償として年3回以下支給する賞与・手当 | 標準賞与額として別に計算 |
| 年4回以上支給するもの | 原則として標準報酬月額の対象 |
| 結婚祝金など労働の対償ではないもの | 社会保険上の賞与の対象外 |

標準報酬月額が決まる・変わる主なタイミング
| 見直し | 主な条件 | 適用時期 |
|---|---|---|
| 定時決定 | 原則として4月・5月・6月に実際に受けた報酬を基に、事業主が算定基礎届を提出 | 原則としてその年の9月から翌年8月まで |
| 随時改定 | 昇給・降給等で固定的賃金が変わり、変動後3か月の平均による標準報酬月額が従前と原則2等級以上異なり、各月の支払基礎日数の要件も満たす場合 | 変動後の報酬を初めて受けた月から数えて4か月目 |

自分の標準報酬月額を確認する方法
給与明細だけで判断せず、次の順で勤務先へ確認すると整理しやすくなります。
よくある質問
標準報酬月額は手取りですか?
いいえ。税金や社会保険料を引いた後の手取りではなく、労働の対償として受ける報酬を基に、等級区分へ当てはめた社会保険計算用の金額です。
標準報酬月額は基本給だけで決まりますか?
基本給だけではありません。固定手当や残業手当、現物給与などを含む報酬を基に確認します。支給の名称だけで含める・含めないを判断しないでください。
ボーナスは標準報酬月額に含まれますか?
原則として、労働の対償として年3回以下支給する賞与は標準賞与額で計算します。年4回以上支給するものは、標準報酬月額の対象として扱われます。
昇給した月から社会保険の等級も変わりますか?
通常は、固定的賃金が変わった後の3か月を確認し、随時改定の要件を満たす場合に4か月目から標準報酬月額が変わります。残業時間だけの増加は、随時改定の起点にはなりません。
次にすること
会社員の方は、まず勤務先へ現在の標準報酬月額と適用年月を確認してください。給与担当者は、毎年の算定基礎届、昇給・降給後の月額変更届、賞与支払届を分けて確認します。具体的な届書の作成方法は、次の記事で確認できます。
毎年の定時決定と算定基礎届を確認する算定基礎届の書き方|対象者・7月10日・4〜6月の報酬昇給・降給後の随時改定を確認する社会保険の月額変更届の書き方|対象条件・3か月・4か月目改定賞与の標準賞与額と届出を確認する賞与支払届の書き方と提出方法|5日以内・対象者・電子申請