退職日の翌日に健康保険の資格を失った後、医療機関で10割負担して支払った医療費は、原則として療養費として払い戻しを受けられます。退職後の保険の加入先(任意継続・国民健康保険など)を確定させ、受診日時点で加入していた保険者へ療養費支給申請書を提出します。申請できる期間は、費用を支払った日の翌日から2年で時効になります。

なぜ10割負担になるのか

健康保険は資格喪失日以降は被保険者ではなくなるため、退職前の保険証・資格確認書では受診できません。新しい保険の加入手続きが済む前に受診すると、医療機関で全額(10割)を自己負担することになります。レゾナック健康保険組合は、資格喪失日(退職日の翌日等)から保険証・資格確認書は使用できず、返却せずに受診した場合は後日保険者負担分の返還を求めることがあると案内しています。

返金までの流れ

退職日と資格喪失日、10割負担した受診日を確認します。資格喪失日は原則として退職日の翌日です(保険者により扱いが異なる場合があります)。

退職後の保険の加入先を決めます。任意継続(退職日の翌日から20日以内に申出)、国民健康保険(資格喪失日に遡って加入可能)、家族の健康保険の被扶養者(扶養の条件を満たす場合)のいずれかです。

医療機関の領収書など申請に必要な書類を揃えます。申請書は保険者の窓口やホームページから入手します。

受診日時点で加入していた保険者へ、療養費支給申請書を添付書類とともに提出します。協会けんぽでは電子申請または支部への郵送・窓口提出ができます。

保険者が診療報酬明細書等に基づいて支給額を算定し、審査後に指定の口座へ振り込みます。支給額は、保険者が算定した額(実際に支払った額の方が低い場合はその額)から自己負担分を差し引いた額です。

ケース別の申請先と期限

退職後の保険の加入先ごとに、申請先と確認したい期限を整理します。
状況申請先確認したい期限
任意継続に加入した(協会けんぽ)お住まいの都道府県の協会けんぽ支部任意継続の申出は退職日の翌日から20日以内(土日祝日は翌営業日、郵送は必着)
国民健康保険に遡って加入した市区町村の国民健康保険担当課療養費は費用を支払った日の翌日から2年で時効(自治体の案内を確認)
健康保険組合に加入していた加入していた健康保険組合資格喪失日の扱いと申請方法は各組合に確認
家族の被扶養者になった家族が加入する健康保険の保険者扶養認定の開始日と申請先を保険者に確認

療養費の申請先は、受診日時点で加入していた保険者です。旧保険証を誤って使い、旧保険者へ医療費を返還した場合は、返還後に受診日時点の保険者へ療養費を申請します。

必要な書類

協会けんぽで立替払い(10割負担)の療養費を申請する場合の例です。保険者により必要書類が異なります。

期限の注意:2年の時効と20日の申出期限

よくある質問

退職してから2年近く経ちましたが、まだ返金を受けられますか?

健康保険の療養費は、費用を支払った日の翌日から2年で時効になります。2年を過ぎた分は申請できなくなる可能性が高いため、まず受診日時点で加入していた保険者へ相談してください。

国保の加入手続きが遅れました。10割負担した分はどうなりますか?

国民健康保険は、退職日の翌日(資格喪失日)に遡って加入できます。加入手続きには社会保険資格喪失証明書などが必要な場合があります。遡って加入した国保が受診日時点の保険者となるため、市区町村の国民健康保険担当課へ療養費を申請できます。遡った期間の保険料もあわせて請求されます。

旧保険証を使って受診してしまいました。

資格喪失日以降は旧保険証・資格確認書を使えないため、保険者から医療費(保険者負担分)の返還を求められることがあります。返還後は、受診日時点で加入していた保険者へ療養費を申請して給付を受けます。

出典と確認日

本記事は2026年8月15日時点で、全国健康保険協会(協会けんぽ)、レゾナック健康保険組合、上田市、八王子市の公式情報を確認して作成しています。個別の保険者・自治体の運用により異なるため、申請前に現在の保険者へ確認してください。

次にすること

資格確認書の対象と申請方法を見る資格確認書の対象者、申請が必要なケース、届かないときの確認先を確認します。病院・薬局での受付手順を見る医療機関・薬局の受付での資格確認の方法を確認します。健康保険証の期限と受診方法を見る健康保険証の期限と2026年8月以降の受診方法を確認します。