雇用保険被保険者番号が2つ以上ある場合は、原則として1つに統一する必要があります。管轄のハローワークへ「雇用保険被保険者資格取得等届訂正願(統一願)」を紙で提出し、重複する番号を整理します。放置すると被保険者期間の通算や失業給付の給付日数判定に不利益が生じることがあります。
この記事の結論
雇用保険被保険者番号は1人1番号が原則です。転職時に前職の番号を伝えず新規に取得すると、別番号が再交付され2つ以上の番号を持った状態になります。気づいた時点で、現在と過去の被保険者証(番号が分かるもの)を用意し、管轄ハローワークへ訂正願・統一願を提出します。原則として最後に交付された番号を残しますが、最終判断は安定所が行います。手続きは窓口への紙提出が原則のため、電子申請の可否は管轄ハローワークへ事前確認します。
症状を確認する
次のような症状に当てはまるか確認します。
- 転職先で被保険者証を提出せず、新しい被保険者番号が発行されたと言われた
- マイナポータルや事業主側で個人番号(マイナンバー)の登録がエラーになる
- ハローワークや前職から「被保険者番号が重複しています」と指摘された
- 被保険者期間の照会で、在職期間が正しく通算されていない気がする
- 過去の被保険者証が2枚以上手元にある、または番号を覚えていない
重複が起きる主な原因
| 原因 | 具体例 |
|---|---|
| 前職の番号を申告しなかった | 入社時に被保険者証を提出せず、事業主が「新規」で資格取得届を提出 |
| 7年以上前の取得と混同 | 最後に被保険者でなくなった日から7年以上経過で新規扱いとなる区分を誤解し再取得を選択しなかった |
| 事業主側の確認不足 | 資格取得届の「再取得」欄に旧番号を記入せず新規として処理された |
| 氏名・生年月日の表記ゆれ | 外字や旧字体の置換で同一人物と判定されず別番号が付与された |
ハローワークインターネットサービスの資格取得届の注意書きでは、過去に被保険者になったことがない場合や最後に被保険者でなくなってから7年以上経過した場合のみ「1 新規」、それ以外は「2 再取得」を選び、再取得時は被保険者証の番号を記入すると定められています。
まず確認すること:どの番号を残すのか
重複が判明した場合、安定所は原則として最後に交付された被保険者証(被保険者番号)を残し、それ以前の番号に係る期間を統合して1つの被保険者台帳にまとめる取扱いです。ただし、実際の統一先は安定所が職歴と台帳を照合して決定します。自己判断で古い番号を破棄せず、すべての番号が分かる資料を持参します。
統一手続きの流れ|訂正願の提出
重複する番号と職歴を整理する
手元の被保険者証、資格喪失確認通知書、離職票、雇用保険被保険者資格取得届の控えなどで、被保険者番号・取得年月日・離職年月日・事業所名を一覧にします。番号が不明な場合は、管轄ハローワークで照会できます。
様式を用意し「訂正・統一」内容を記入する
福井労働局が公開する「雇用保険被保険者番号の統一願(統一様式17)」や、各ハローワークで案内される「雇用保険被保険者資格取得等届訂正願(取消訂正願)」に、被保険者氏名・フリガナ、重複する各番号、取得年月日、離職年月日、事業所名を記入します。事業主または被保険者本人が提出者となります。記入例は社労士の公開例でも確認できますが、最終的には管轄ハローワークの指示に従います。
管轄ハローワークへ紙で提出する
印刷した訂正願・統一願と添付書類を持参し、管轄のハローワーク(事業所の所在地を管轄する安定所が原則)窓口へ提出します。ハローワークインターネットサービスの帳票一覧に掲載される各届出は、システムで作成後に印刷し窓口へ持参する運用が示されています。提出後に安定所が台帳を統合し、統一後の被保険者証が交付されます。電子申請の可否や郵送可否は様式により異なるため、必ず管轄ハローワークへ事前確認します。
必要書類と提出先
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 管轄のハローワーク(公共職業安定所)窓口。原則、事業所の所在地を管轄する安定所 |
| 提出者 | 事業主または被保険者本人。社会保険労務士が事務代理する場合は記載欄に表示が必要 |
| 主な様式 | 雇用保険被保険者資格取得等届訂正願/雇用保険被保険者番号の統一願(統一様式17) |
| 添付書類 | 重複する被保険者証(写し可)、本人確認書類、委任状(代理提出時)、必要に応じて資格取得届の控えや離職票の写し |
| 手数料 | 無料 |
| 電子申請 | 訂正・統一の届出は紙提出が原則。システム上の電子申請対象外となることがあるため要確認 |
会社側と本人側の役割分担
雇用保険の資格取得届は事業主が提出するのが原則ですが、被保険者番号の重複は本人も気づきにくい事象です。入社時に被保険者証の提出を求められたら速やかに提出し、紛失時は「雇用保険被保険者証再交付申請書」で再交付を受けてから新勤務先へ提出します。既に重複が判明している場合は、本人からハローワークへ相談するか、事業主の労務担当を通じて訂正願を提出します。
放置するとどうなるか
統一しない場合のリスク
- 被保険者期間が分散し、離職時の基本手当の所定給付日数が少なく算定される可能性がある
- 高年齢雇用継続給付・育児休業給付・介護休業給付などの支給要件判定で期間通算が正しく行われない可能性がある
- 個人番号(マイナンバー)と雇用保険番号の紐づけで登録エラーが解消しない
- 再就職後に再度別番号が発行され、重複がさらに複雑になる
よくある質問
被保険者番号が分からない場合でも統一手続きはできますか?
できます。管轄ハローワークで本人確認のうえ照会が可能です。分かっている番号の資料と本人確認書類を持参し、窓口で重複の有無を確認します。
どの番号が残りますか?自分で古い方を選べますか?
原則として最後に交付された番号を残す取扱いですが、最終的には安定所が台帳を照合して決定します。本人が希望する番号を伝えることはできますが、必ず希望どおりになるとは限りません。
電子申請や郵送で手続きできますか?
訂正願・統一願は紙提出が原則と案内されることが多く、ハローワークインターネットサービスでも印刷後に窓口へ持参する運用が示されています。電子申請や郵送の可否は様式と管轄により異なるため、事前に管轄ハローワークへ確認します。
事業主が対応してくれない場合は本人が直接手続きできますか?
できます。統一願は被保険者本人からの提出も可能です。事業主経由が難しい場合は、本人確認書類と重複が分かる資料を持参し、管轄ハローワークへ直接相談します。
まとめと次の行動
被保険者番号が2つある状態に気づいたら、すべての番号が分かる資料を集め、管轄ハローワークで統一手続きを行います。入社時には被保険者証を確実に提出し、紛失時は再交付を受けてから提出することで再発を防げます。手続き後は統一後の被保険者証を大切に保管し、次回転職時に必ず同じ番号を申告します。