結論:会社が手続きしなくても本人がハローワークへ直接申請できます
高年齢雇用継続給付は原則として事業主を経由して申請しますが、被保険者本人が希望すれば、事業所の所在地を管轄するハローワークへ本人が直接支給申請できます。初回は最初の支給対象月の初日から4か月以内、2回目以降はハローワークから交付される「次回支給申請日指定通知書」に印字された支給申請月の指定日に、賃金証明書や賃金台帳等の必要書類を添えて提出します。手続きは窓口のほか電子申請でも可能です。2026年8月25日時点の厚生労働省とハローワーク公式情報で確認しています。
対象者と支給要件をおさらいします
高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の一般被保険者で、被保険者であった期間が通算5年以上あり、60歳以後の各月に支払われた賃金が60歳到達時の賃金月額の75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。
主な支給要件
- 60歳以上65歳未満の一般被保険者であること
- 被保険者であった期間が通算5年以上あること(1年以内の空白と未受給で通算可)
- 60歳到達時等の賃金月額の75%未満に低下した月があること
- 支給対象月の初日から末日まで継続して被保険者であること
- 各月の賃金が支給限度額(毎年8月1日改定、令和7年度は397,369円)未満であること
なぜ本人が直接申請できるのか(公式の根拠)
厚生労働省のQ&A Q6では「高年齢雇用継続給付の申請手続は、原則として、事業主を経由して行う必要があります。ただし、被保険者本人が希望する場合は、本人が申請手続きを行うことも可能です。」と明記されています。ハローワークインターネットサービスの雇用継続給付ページでも、事業主の欄に「※被保険者ご本人が自ら申請手続を行うことを希望する場合は、ご本人が申請を行うことも可能です。」と補記されています。会社が「手間だから」「対象外だと思う」といった理由で手続きを拒む場合でも、被保険者本人から管轄ハローワークへ申請できます。
会社が申請してくれないときの本人の手順
会社が賃金証明書や申請書の作成に協力するか確認します。協力が得られない場合でも手続きは可能ですので、まずはハローワークへ電話で「高年齢雇用継続給付を本人が直接申請したい」旨を相談します。
管轄ハローワークを確認します。申請先は「事業所の所在地を管轄するハローワーク」で、住居地のハローワークではありません。本社の所在地が管轄となる場合があるため、会社の所在地を管轄する安定所に提出します。
必要書類を準備します。初回は「受給資格確認票・(初回)支給申請書」「六十歳到達時等賃金証明書」「払渡希望金融機関指定届」に加え、賃金台帳・労働者名簿・出勤簿等と年齢確認書類を添えます。賃金証明書は事業主が作成すべき書類ですが、会社が作成しないときはハローワークへ相談のうえ、賃金台帳等の事実確認書類で代替できるか確認します。
ハローワークの窓口または電子申請で提出します。窓口の開庁時間は8:30~17:15ですが、雇用継続給付の来所受付は電子申請分を集中処理するため原則16:00までとされています。電子申請の場合は事前にe-Gov等の利用準備が必要です。
必要書類チェックリスト
| 区分 | 提出書類 | 添付書類の例 |
|---|---|---|
| 初回(受給資格確認を含む) | 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書/払渡希望金融機関指定届 | 六十歳到達時等賃金証明書、賃金台帳・労働者名簿・出勤簿・運転免許証コピー等 |
| 2回目以降 | 高年齢雇用継続給付支給申請書(前回交付分) | 賃金台帳・出勤簿等(支給対象月の賃金を確認できる書類) |
あらかじめマイナンバーを届け出ている方は、年齢確認書類の写しを省略できます。事前に受給資格確認のみを行う場合は、「受給資格確認票」として賃金証明書を添えて初回支給申請前に提出することも可能です。
提出先と提出方法の違い
提出先と方法
- 提出先:事業所の所在地を管轄するハローワーク(住所以外)。事業所が複数ある場合は雇用保険適用事業所の所在地が基準です。
- 窓口:平日8:30~17:15(来所による雇用継続給付の受付は原則16:00まで)
- 電子申請:e-Gov等による雇用継続給付の電子申請が可能です。
- 郵送:事実上窓口と同様に書類提出が求められます。管轄ハローワークへ事前に電話で郵送可否を確認してください。
いつまでに申請すればよいか(4か月と指定日)
初回の支給申請は、最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から起算して4か月以内に行います。あらかじめ受給資格確認を済ませている場合でも、支給申請自体が4か月以内である必要があります。2回目以降は、ハローワークから交付される「高年齢雇用継続給付次回支給申請日指定通知書」に印字された支給申請月の指定日に提出します。指定日は2か月に一度のサイクルで指定されます。
支給決定通知と入金までの目安
支給申請後、ハローワークで審査が行われ、支給決定通知書が交付されます。入金は概ね支給決定日から1週間程度で指定口座に振り込まれます。通知書が届かない場合は、事業所の担当者が申請をしているか、審査中かを管轄ハローワークに来所のうえ確認します。個人情報保護のため電話での審査状況回答は行われません。
不支給や金額に不服があるときは審査請求ができます
ハローワークの支給・不支給決定に不服がある場合は、処分を行ったハローワークを管轄する都道府県労働局の雇用保険審査官に対して、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に審査請求ができます。文書または口頭で、雇用保険審査官または処分を行ったハローワーク、もしくは請求者の住所地を管轄するハローワークを経由して行います。
よくある失敗と注意点
注意点
- 賃金には通勤手当の6か月定期代を6で除して各月に計上する等のルールがあります。支給申請書の賃金額は「実際に支払われた日」を基準に記載します。
- 賃金証明書の賃金月額(60歳到達時の賃金月額)は、60歳到達前6か月の総支給額(賞与除く)を180で除した日額の30日分で計算されます。
- 会社が賃金証明を作成しないときは、給与明細や賃金台帳の写しをハローワークへ提示し、どのように証明すればよいか具体的に指示を受けてください。
- 育児休業給付・介護休業給付を同じ月に全期間受給している月は、高年齢雇用継続給付の支給対象月となりません。
よくある質問
会社が手続きを拒否しても本当に自分で申請できますか。
できます。厚生労働省Q&A Q6とハローワークインターネットサービスの雇用継続給付ページに「被保険者本人が希望する場合は本人が申請可能」と明記されています。事業所所在地を管轄するハローワークが窓口で、初回4か月以内の申請と2か月に一度の支給申請を本人が行います。事業主の作成すべき賃金証明書が取れないときは、賃金台帳等の事実確認書類で代替できるかハローワークへ相談してください。
どこへ提出すればよいですか。住んでいる地域のハローワークでよいですか。
事業所の所在地を管轄するハローワークへ提出します。住居地のハローワークではありません。管轄は雇用保険適用事業所の所在地で決まります。来所受付は原則16:00まで、開庁は8:30~17:15です。電子申請も利用できます。
どのような書類が必要ですか。
初回は「受給資格確認票・(初回)支給申請書」「六十歳到達時等賃金証明書」「払渡希望金融機関指定届」に、賃金台帳・労働者名簿・出勤簿等と年齢確認書類(運転免許証コピー等)を添えます。マイナンバーを届け出済みなら年齢確認書類は省略できます。2回目以降は「支給申請書」と賃金台帳等の賃金確認書類です。
次の行動と相談先
まずは事業所の所在地を管轄するハローワークへ電話し、「高年齢雇用継続給付を本人が直接申請したい」旨と、会社が手続きに協力しない状況、最初の支給対象月を伝えて必要書類を確認してください。書類が整えば窓口(原則16:00まで)または電子申請で初回4か月以内の提出を目指します。支給決定後は通知書と入金を確認し、不支給の場合は3か月以内の審査請求を検討します。
当サイトの内容は参考情報です。具体的な支給可否や金額、手続きは管轄のハローワークの最新案内をご確認ください。