雇用保険被保険者資格取得届でマイナンバーを書き漏らすと、平成30年5月以降はハローワークから返戻され受理されません。漏れに気づいたら記載・添付のうえ速やかに再提出し、既に届出済なら欄外に「マイナンバー届出済」、本人から提供を拒否された場合は備考欄に「本人事由によりマイナンバー届出不可」と書けば受理されます。後日「個人番号登録・変更届」でも補正できます。
手続きの概要
雇用保険被保険者資格取得届は、労働者を雇い入れたときに事業主が管轄のハローワークへ提出する届出です。様式第2号の記載事項として個人番号(マイナンバー)が厚生労働省令で定められており、法令上の義務です。平成30年5月以降、必要な記載・添付がない場合は不備として返戻し、記載・添付のうえ再提出を求められます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 雇い入れた日(資格取得日)の翌月10日まで |
| 提出先 | 管轄のハローワーク(公共職業安定所) |
| 提出方法 | 電子申請(e-Gov)/郵送/窓口持参 |
| 様式 | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)/70歳以上被用者は別様式なし(同届出) |
| 返戻基準 | 平成30年5月以降、マイナンバー記載・添付がない場合は返戻 |
マイナンバー記載が必要な主な届出
厚生労働省の資料では、次の届出等で個人番号の記載または添付が求められます。資格取得届は「記載が必要な届出」に該当します。
個人番号の記載が必要な届出(一部)
- 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)
- 雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)
- 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)支給申請書
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)支給申請書
- 介護休業給付金支給申請書
返戻される主なケース
返戻の典型例
- 資格取得届の個人番号欄が空欄のまま提出した
- ハローワークに未届の者の転勤届等に個人番号登録・変更届を添付しなかった
- 既に届出済として「マイナンバー届出済」と書いたが、実際には未届だった(確認で返戻)
- 電子申請で備考欄の「マイナンバー届出済」記載を漏らした
漏れ・返戻に気づいたときの対処手順(4ステップ)
返戻理由を確認します。ハローワークからの返戻付箋や電子申請のコメントで、個人番号欄の記載漏れか、個人番号登録・変更届の添付漏れか、既届出済の記載誤りかを特定します。
必要事項を補います。未記載なら本人から提供を受けて個人番号を記載します。既に届出済なら欄外に「マイナンバー届出済」と明記します。本人から提供を拒否された場合は、次の章の方法で備考欄に記載します。システム都合で欄に書けない場合は、同時に「個人番号登録・変更届」で登録する方法も可能です。
再提出します。紙の場合は同一届出を修正のうえ、電子申請の場合は備考欄(資格喪失届は社会保険労務士欄直下のスペース)に所定の文言を入れて再送信します。郵送時は追跡可能な書留等の記録付郵便と返信用封筒(書留用切手貼付)が推奨されます。
受理と番号の紐付けを確認します。電子申請は受付通知、紙は受理印付き控えで確認します。新規取得者は被保険者番号が付番されるため、事前に個人番号登録・変更届だけで先行登録はできません。提出後に事後登録が必要な事情がある場合はハローワークへ相談します。
本人から提供を拒否された場合でも受理されます
事業主は法令上の義務として従業員に個人番号の提供を求める必要がありますが、仮に拒否された場合でも、ハローワークは「個人番号の記載がないことをもって受理しないことはありません」と明記しています。紙の届出はその旨を申し出たうえで受理され、電子申請では備考欄に「本人事由によりマイナンバー届出不可」と記載します。
後日「個人番号登録・変更届」で補正する方法
事業所のシステム都合などで届出の都度マイナンバーを欄に書くことが難しい場合や、拒否後に提供が得られた場合は、「個人番号登録・変更届」により別途登録が可能です。
補正の分岐
- 資格取得届と同時に個人番号登録・変更届を合わせて提出する(欄外に「マイナンバー届出済」と記載)
- 事前に個人番号登録・変更届で登録しておく(新規取得者は事前登録不可のため、取得届提出後に相談)
- 提供拒否で期限内に「本人事由によりマイナンバー届出不可」で受理された後に、提供が得られ次第、個人番号登録・変更届で登録する
電子申請での備考欄の書き方
電子申請時の記載場所
- 個人番号欄がある届出(資格取得届など):備考欄に「マイナンバー届出済」または「本人事由によりマイナンバー届出不可」と記載
- 資格喪失届:備考欄がないため、社会保険労務士欄の直下のスペースに記載
- 個人番号欄がない届出(転勤届、2回目以降の継続給付):「マイナンバー届出済」の記載は不要だが、未届なら個人番号登録・変更届を添付
提出前チェックリスト
資格取得届を出す前の確認
よくある質問
マイナンバーを空欄で提出したら受理されますか?
原則として返戻されます。平成30年5月以降、記載・添付がない場合は返戻し、記載・添付のうえ再提出を求められます。ただし本人から提供を拒否された場合は「本人事由によりマイナンバー届出不可」と備考欄に記載すれば受理されます。
以前マイナンバーを届け出た従業員は、毎回書かなくてもよいですか?
はい、既にハローワークへ届け出ている従業員は、各届出の欄外等に「マイナンバー届出済」と書けば記載を省略できます。電子申請では備考欄に記載します。実際には未届なのに省略すると返戻されるため、届出状況を事前に確認します。
新規に資格取得する者のマイナンバーを、資格取得届より先に個人番号登録・変更届で登録できますか?
できません。新規取得者は被保険者番号が未付番のため、資格取得届に先立って個人番号登録・変更届で登録することはできません。このような事情がある場合はハローワークへご相談ください。
相談先と次の手続き
手続きに不安がある場合は、管轄のハローワークへご相談ください。資格取得届の受理後は、被保険者となった旨を本人へ伝え、雇用保険被保険者証は令和2年以降原則交付されずマイナンバーと紐付けて管理される点も説明します。引き続き、資格喪失届や継続給付の初回申請でも同様にマイナンバー記載が必要になるため、今回の登録状況を台帳で管理しておくと次回の返戻を防げます。