健康保険 被扶養者資格の再確認で調査票を提出しないとどうなる?
結論として、正当な理由なく「被扶養者状況リスト」等の調査票を提出しないと、被扶養者の要件を満たしているか確認できないため、審査を受ける意思がないものとみなされ、健康保険法施行規則第50条に基づき扶養から外れる(扶養解除)ことがあります。協会けんぽの令和7年度は令和7年12月12日(金)が提出期限で、期限後に督促を受けた後に提出しても再審査されます。ただし、解除が決定するとその方の健康保険の資格が失われ、医療費は原則10割負担となります。
手続きの概要
被扶養者資格の再確認(検認)は、毎年一定の期日を定めて被扶養者が引き続き要件を満たすか確認する手続きです。健康保険法施行規則第50条に基づき、協会けんぽや健康保険組合が事業主を通じて実施します。確認の結果、要件を満たさない場合は扶養解除の手続きを行います。この確認は保険給付の適正化と保険料負担の軽減を目的としています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 健康保険法施行規則第50条 |
| 実施主体 | 協会けんぽ、各健康保険組合 |
| 対象者 | 扶養解除の可能性が高い方に絞って抽出(重複加入の疑い、別居、同居要件、年収130万円超など) |
| 通知方法 | 事業主あてに「被扶養者状況リスト」等を郵送(協会けんぽは令和7年10月下旬から順次) |
| 提出経路 | 被保険者が記入→事業主が取りまとめ→協会けんぽ支部または健保組合へ |
提出しないとどうなるか(法令上の扱い)
提出しない場合の扱い
- 正当な理由なく期日までに提出がない場合、または書類不備で審査できない場合、審査を受ける意思がないものと判断されます。
- 判断後は、扶養要件を満たしていると確認できないため、扶養解除の手続きが進められます。
- 協会けんぽの例では、確認が取れない方について扶養解除となり、資格確認書等は無効となる場合があります。
- 健康保険組合でも、施行規則第50条第9項に基づき「資格確認書を無効とする」等の措置が案内されています。
令和7年度 協会けんぽのスケジュールと提出期限
協会けんぽの令和7年度は、次のスケジュールで実施されます。健康保険組合は各組合の案内で時期や期限が異なります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 令和7年10月下旬〜 | 事業主あてに被扶養者状況リスト、リーフレット、被扶養者調書兼異動届、返信用封筒を順次発送 |
| 令和7年12月12日(金) | 被扶養者状況リスト等の提出期限 |
| 期限後 | 未提出の事業所には督促が行われる場合があります |
| 扶養解除となる方がいる場合 | 日本年金機構へ電子申請、または被扶養者調書兼異動届を併せて提出。決定通知まで1〜2か月程度かかることがあります。 |
提出期限は事業主単位で管理されます。被保険者の方は、勤務先の総務・人事担当者の案内に従い、早めに記入して提出します。12月12日を過ぎても、督促後に速やかに提出すれば再審査の対象となります。
確認される3つの観点
協会けんぽが示す確認観点
- 他の健康保険に加入していないか:就職して別の健康保険の被保険者となっているのに扶養のままになっていないか。
- 同居が必要な続柄の方が別居していないか:父母・義父母など、原則同居が要件の続柄で別居していないか。
- 被扶養者の年収が収入要件を満たしているか:同居なら年収130万円未満かつ被保険者の年収の半分未満、別居なら仕送り額より少ないか(60歳以上や障害の場合は180万円未満、令和7年10月1日以降は19歳以上23歳未満は150万円未満。※配偶者を除く)。
年収が130万円(または180万円・150万円)を超えていても、人手不足による労働時間延長など一時的な収入変動と認められる場合は、事業主の証明書を添付することで引き続き認定される場合があります。ただし、3年連続で超えている場合や継続的に超える見込みの場合は扶養解除が必要です。詳細は協会けんぽの案内や厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」をご確認ください。
期限を過ぎたときの対処法(状況別)
事業主からの案内を確認する
まずは勤務先から配布された「被扶養者状況リスト」の対象者名を確認します。リストに名前がない場合は再確認の対象外で、提出不要の事業所もあります。
対象者の要件を確認しリストに記入する
上記3つの観点で、現在の状況を正確に記入します。該当しない場合は「該当なし」にチェックし、扶養解除となる方がいればその旨を明記します。一時的収入変動に該当する場合は、事業主の証明様式も併せて準備します。
勤務先へ速やかに提出する
記入後は勤務先の担当者へ提出します。事業主が取りまとめて協会けんぽ支部または健保組合へ送付します。期限を過ぎている場合でも、督促を待たずに提出します。事業主が電子申請に対応している場合は、扶養解除の手続きを日本年金機構事務センターへ直接電子申請することもできます。
扶養解除となる方がいる場合は追加手続きを行う
被扶養者調書兼異動届を作成し、解除となる方の資格確認書・高齢受給者証(持っている場合)と併せて提出します。電子申請の場合は、決定通知書の返送まで1〜2か月程度かかることがあるため、急ぐ場合は通常の被扶養者(異動)届を日本年金機構へ直接提出する方法も案内されています。
扶養解除後の影響
主な影響
- 解除日以降、その方は健康保険の被扶養者ではなくなり、協会けんぽ等の健康保険の給付対象外となります。
- 資格確認書や高齢受給者証は無効となり、医療機関では原則10割負担での受診となります。
- 国民健康保険や勤務先の健康保険への加入手続きが必要になる場合があります。
- 解除期間中の医療費は、後日被扶養者に戻っても遡って給付されません。
再認定(再び扶養に入れる)手続き
扶養解除後に再び要件を満たす場合や、誤って解除された場合は、通常の「健康保険 被扶養者(異動)届」により再認定を申請できます。事実発生日から5日以内が原則ですが、遅れても遡って申請できます。出生の場合は出生日、その他は書類で異動日が確認できれば異動日または翌日が認定日となる取扱いが健康保険組合で案内されています。必要書類は続柄や収入を確認できる書類(戸籍謄本、住民票、所得証明書、仕送り証明など)で、保険者により異なります。日本年金機構の手続きページで要件をご確認ください。
健康保険組合の場合の違い
健康保険組合の現況確認(検認)は、毎年6〜7月頃や10月頃など、組合ごとに実施時期や名称(被扶養者資格確認調査、検認など)、提出様式、添付書類が異なります。協会けんぽと同様に、提出しない場合は扶養解除や資格確認書の無効措置が取られることがあります。各組合からの「被扶養者資格確認調査のご案内」を必ずご確認ください。
よくある質問
調査票の対象者がいない場合は提出不要ですか?
協会けんぽでは、再確認の対象者がいない事業所には被扶養者状況リスト自体が送付されません。ただし、リストが届いている場合は、扶養解除となる方がいなくてもリスト自体を返送する必要があります。白紙での放置は避けてください。
期限の12月12日を過ぎてしまいました。どうすればよいですか?
期限後でも速やかに勤務先へ提出してください。協会けんぽでは期限後に督促が行われることがあり、その後に提出すれば再審査されます。扶養解除が決定する前に提出することが重要です。
被扶養者の年収が130万円を少し超えています。一時的と認められますか?
人手不足による労働時間延長など、一時的な収入変動が原因で、事業主が証明する場合は引き続き認定されることがあります。協会けんぽ所定の「事業主の証明」様式を添付してください。ただし、3年連続で超えている場合や継続的に超える見込みの場合は扶養解除となります。
扶養から外れた後の医療費はどうなりますか?
扶養解除日以降は健康保険の被扶養者としての資格がなくなるため、医療機関では原則10割負担となります。国民健康保険への加入や、別の健康保険の被扶養者となる手続きを速やかに行ってください。解除期間中の医療費を後から被扶養者に戻って精算することはできません。
公式情報と問い合わせ先
手続きの詳細は、必ず最新の公式情報をご確認ください。協会けんぽの方は支部、健康保険組合の方は加入先の組合が窓口となります。
当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、管轄する協会けんぽ支部、健康保険組合、勤務先の最新の案内をご確認ください。