健康保険・厚生年金保険の新規適用届を5日過ぎても、気づいた時点ですぐに提出すれば受理されます。事実発生から5日以内が期限ですが、遅れたこと自体で自動的に罰則が科されるわけではありません。事務センターまたは管轄の年金事務所へ、電子申請・郵送・窓口のいずれかで速やかに手続きしてください。

手続きの概要

新規適用届は、健康保険(協会けんぽ)および厚生年金保険の適用事業所になった事業主が、日本年金機構へ提出する届出です。法人や常時5人以上の従業員を使う個人事業所などが対象で、要件を満たした日から適用が始まります。届出とあわせて、働く方の「被保険者資格取得届」や家族がいる場合の「被扶養者(異動)届」も同時に提出します。

対象となる事業所

対象事業所の要件

  • 常時従業員を使用する法人事業所(代表者1人だけの法人も含む)
  • 常時5人以上の従業員が働く個人の事業所・工場・商店等(一部のサービス業・農業・漁業等は除く)
  • 5人未満の個人事業所や非適用業種が任意で加入する場合は「新規適用届」ではなく「任意適用申請書」を使います

期限・提出先・申請方法を一目で確認

期限と提出先・方法の一覧
項目内容
提出期限事実発生から5日以内(日本年金機構)。過ぎても速やかに提出すれば受理されます。
事実発生日法人:設立日(登記日)/個人事業所:常時5人以上を雇用した日
提出先事業所所在地を管轄する事務センターまたは年金事務所。登記上の所在地と実際の事業所が異なる場合は、実際に事業を行う所在地の管轄です。
申請方法電子申請(事業所向けオンラインサービス)、郵送、窓口持参のいずれか
遅れた場合未提出のままにせず速やかに提出。適用日は要件を満たした日に遡ります。

必要書類と添付書類の分岐

添付書類は法人か個人か、登記上の所在地と実際の所在地が一致しているかで分岐します。いずれも90日以内に発行された原本(コピー不可)が原則です。

法人・個人別の添付書類
区分必要な添付書類注意点
法人事業所法人(商業)登記簿謄本(コピー不可)発行から90日以内。法務局のオンライン交付請求も利用できます。
事業主が国・地方公共団体・法人の場合法人番号指定通知書のコピー添付できない場合は国税庁法人番号公表サイトの画面印字で代替できます。
強制適用の個人事業所事業主の世帯全員の住民票(コピー不可・マイナンバー記載なし)発行から90日以内。
所在地が登記・住民票と異なる場合(法人・個人共通)賃貸借契約書のコピー等、事業所所在地が分かる書類を追加登記簿や住民票の住所と実際の事業所が違うときに追加します。

提出前のチェックリスト

手順:5日を過ぎた場合の届出

手順1:適用日と遅延を確認する。法人は登記簿謄本の設立日、個人事業所は5人目を雇用した日が事実発生日です。5日を過ぎているか、未提出のままになっていないかを確認します。

手順2:添付書類を用意する。登記簿謄本や住民票は発行から90日以内のものを用意し、登記上の所在地と実際の事業所が違う場合は賃貸借契約書のコピーも添えます。法人番号通知のコピーがない場合は国税庁サイトの印字で代替します。

手順3:同時に必要な届出をそろえる。新規適用届だけでなく、従業員ごとの被保険者資格取得届、家族がいる場合は被扶養者(異動)届も同時に作成します。記入例は日本年金機構の様式ページで確認できます。

手順4:管轄へ速やかに提出する。事業所所在地を管轄する事務センターまたは年金事務所へ、電子申請・郵送・窓口のいずれかで提出します。電子申請は事業所向けオンラインサービスから行い、郵送・窓口は管轄を確認して送付・持参します。

遅れたときの影響と誤解しやすい点

遅延時のポイント

  • 遅れたことだけで自動的に不利益が確定するわけではありません。まずは速やかに正しい書類で届け出ることが最優先です。
  • 適用日は要件を満たした日に遡るため、遅れた期間の保険料も遡って計算されます。従業員負担分は事業主が一旦立て替えて精算するのが原則です。
  • 従業員の健康保険証・マイナ保険証の資格確認は、資格取得届が受理されてから反映されます。遅れると医療機関での資格確認に時間がかかる場合があります。
  • 個人事業所で常時5人未満の場合は強制適用ではありません。任意適用を希望するときは別の「任意適用申請書」を使います。

注意点・よくある失敗

注意点

  • 登記簿謄本や住民票が90日を過ぎている ― 再取得が必要です。コピーは不可で、マイナンバーが記載された住民票は使えません。
  • 所在地の不一致を見落とす ― 登記上の本店と実際に働く事業所が違うときは、賃貸借契約書のコピー等の追加を忘れがちです。
  • 被保険者資格取得届を同時に出し忘れる ― 新規適用届だけでは従業員の資格は登録されません。必ず同時に提出します。
  • 事務センターと年金事務所の管轄を間違える ― 登記上の所在地ではなく、実際に事業を行う所在地の管轄へ提出します。

よくある質問

5日を過ぎたら罰則はありますか?

日本年金機構の手続き案内に「事実発生から5日以内」とありますが、過ぎた場合の罰則が自動的に科されるとは記載されていません。ただし健康保険法や厚生年金保険法に届出義務が定められているため、遅れた場合は速やかに正しい書類で届け出て、管轄の年金事務所へ相談してください。

法人と個人事業所で添付書類は何が違いますか?

法人は法人(商業)登記簿謄本(90日以内・コピー不可)、個人で強制適用の場合は事業主の世帯全員の住民票(90日以内・コピー不可・マイナンバーなし)です。事業主が国・地方公共団体・法人の場合は法人番号指定通知書のコピー(または国税庁サイトの印字)も必要で、所在地が登記・住民票と異なる場合は賃貸借契約書のコピー等を追加します。

電子申請と郵送・窓口、どれを選べばよいですか?

いずれも受理されます。電子申請は事業所向けオンラインサービスから24時間手続きでき、郵送は来所不要、窓口はその場で不備を確認できます。登記簿謄本等の原本が必要なため、電子申請でも別途原本の提出を求められる場合があります。管轄の事務センターまたは年金事務所へ提出します。