2025年分の年末調整と2026年の給与計算は、対象となる給与の年分と処理時期を分けて考えます。2025年12月は令和7年分の年末調整で改正後の控除や申告書を反映し、2026年1月1日以後に支払うべき給与からは令和8年分の源泉徴収税額表と扶養控除等申告書を使います。

2025年分と2026年分の切替を一覧で確認

年末調整と翌年の月次給与計算で使う資料・対応を分けます。
時期・対象主な処理担当者が行うこと
2025年11月までの給与令和7年度税制改正による月次源泉徴収の変更はありません従来の年分の税額表で処理し、12月の年末調整に向けて申告書を回収します
2025年12月の年末調整基礎控除・給与所得控除の見直し、特定親族特別控除、扶養親族等の所得要件を反映します令和7年分の申告書を確認し、改正後の計算方法で年税額を精算します
2026年1月1日以後に支払う給与令和8年分源泉徴収税額表を使用します令和8年分扶養控除等申告書の記載と税額表の年分を確認します
2026年の給与計算中に家族・所得の異動があった場合異動後の申告内容を月次源泉徴収へ反映します異動後最初の給与支払日の前日までを目安に勤務先へ確認・提出します

給与担当者が先に行う5項目

年末調整の締めと2026年の給与計算開始を別々に確認します。

2025年分の年末調整で確認する書類

2025年12月の年末調整では、改正に該当する従業員の書類を追加で確認します。
書類・情報確認する内容
令和7年分扶養控除等(異動)申告書改正で新たに扶養控除等の対象となった親族がいないか、所得見込みと続柄を確認します
基礎控除申告書等の兼用様式本人の合計所得金額、配偶者控除等、特定親族特別控除、所得金額調整控除の該当を確認します
特定親族の所得情報19歳以上23歳未満で、合計所得金額が58万円超123万円以下の親族がいる場合は特定親族特別控除の対象を確認します
保険料控除申告書・控除証明書等生命保険料、地震保険料、本人が支払った社会保険料など、該当する控除の資料を確認します

令和7年度税制改正では、基礎控除と給与所得控除が見直され、特定親族特別控除が創設されました。2025年分の年末調整では、改正後の給与所得控除後の金額や基礎控除額を使って計算します。

従業員が2025年分で行う順番

2025年中の給与・賞与と給与以外の所得を整理し、本人の合計所得金額の見込みを確認します。

配偶者、扶養親族、19歳以上23歳未満の親族について、2025年中の所得見込みと年齢を確認します。

改正で新たに扶養控除等の対象となる親族がいる場合は、令和7年分扶養控除等(異動)申告書の提出方法を勤務先へ確認します。

特定親族特別控除を受ける場合は、兼用様式の特定親族特別控除申告欄を記入し、勤務先が指定する期限までに提出します。

保険料控除などを受ける場合は、控除証明書等をそろえて年末調整の期限までに提出します。

2026年1月の給与計算で切り替えるもの

2026年1月1日以後に支払うべき給与かを確認します。対象となる給与には、令和8年分源泉徴収税額表を使用します。

令和8年分扶養控除等(異動)申告書を確認します。2026年分は、控除対象扶養親族に加えて、一定の19歳以上23歳未満の親族を「源泉控除対象親族」として確認します。

扶養控除等申告書を提出している人は税額表の甲欄、提出していない人は原則として乙欄を使います。雇用形態だけで甲欄・乙欄を決めません。

税額表へ当てはめる給与額は、給与から控除する社会保険料等を差し引いた後の金額であることを確認します。

給与明細の源泉徴収税額と、登録した申告書・扶養親族等の数を照合します。異動があれば次回給与の前に修正方法を確認します。

年末調整と月次給与計算で違う点

同じ所得税の手続きでも、目的と使う資料が異なります。
比較項目2025年分の年末調整2026年の月次給与計算
対象2025年分の年間給与と各種控除2026年に支払う毎月の給与・賞与
主な目的1年間の所得税額を計算して過不足を精算支払う都度の所得税・復興特別所得税を源泉徴収
中心となる資料令和7年分の各種申告書、控除証明書、年末調整用の表令和8年分扶養控除等申告書、令和8年分源泉徴収税額表
切替の基準2025年分の年末調整を行う時期2026年1月1日以後に支払うべき給与かどうか

間違いやすい4つのポイント

次の誤りは、年末調整と翌年の給与計算を混同すると起こりやすくなります。

  • 2026年1月支給分を、勤務対象が2025年だからという理由で令和7年分税額表にする
  • 2025年11月までの月次源泉徴収に、12月の年末調整で使う改正を先に反映する
  • 特定親族特別控除の申告書を受け取らず、19歳以上23歳未満の親族を一律に扶養控除の対象外とする
  • 扶養控除等申告書の提出有無を確認せず、正社員・パートなどの雇用形態だけで甲欄・乙欄を決める

年末調整に反映されなかったとき

2025年分の年末調整で改正後の控除が反映されなかった場合は、まず勤務先へ提出書類と年末調整の計算結果を確認します。国税庁は、改正が適用されていない場合などに確定申告で還付を受けられることがあると案内しています。個別の申告要否や還付額は、源泉徴収票と所得の状況を確認して判断してください。

切替後の最終チェック

給与担当者と従業員が最後に確認する項目です。

公式資料で確認する

2025年12月の年末調整と2026年分給与の変更点を確認する令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について年末調整の手順と申告書の案内を確認する令和7年分 年末調整のしかた2026年分の月額表・日額表・賞与の表を確認する令和8年分 源泉徴収税額表年末調整で反映されなかった場合の国税庁案内を確認する令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等と確定申告

関連する手続き

2026年分の扶養控除等申告書と異動申告を確認する令和8年分扶養控除等申告書の書き方|12月改正の異動申告税額表の甲欄・乙欄と計算方法を確認する令和8年分源泉徴収税額表の見方|甲欄・乙欄と12月改正基礎控除申告書の所得見積額と提出期限を確認する令和8年分基礎控除申告書の書き方|所得見積額・控除額・提出期限