前職の給与所得の源泉徴収票がない場合、現職では前職分を含めた年末調整ができません。まず前職へ再発行を依頼し、現職の指定期限に間に合えば提出します。間に合わない場合は翌年の確定申告で前職分と現職分を合算して精算します。国税庁の案内で確認しています(2026年9月5日確認)。

症状と前提の確認

この記事は、同じ年に前職と現職の両方から給与を受け、12月に現職で年末調整を受ける方が、前職の源泉徴収票を紛失した、受け取っていない、再発行が間に合わない場合を対象にしています。全国共通の原則です。現職に年末まで勤務し、給与所得者の扶養控除等申告書を提出していることが前提です。

現職の年末調整で前職分が必要な理由は、1年間の給与総額と源泉徴収税額を通算して精算するためです。国税庁は、中途就職者の年末調整では前職の給与額や徴収税額、社会保険料額を前職の源泉徴収票などで確認し、この確認ができないときは年末調整ができず本人が確定申告で精算すると案内しています。

原因の切り分け

前職の源泉徴収票が手元にない原因は、次のいずれかです。原因により取るべき行動が変わります。

原因の切り分けリスト

  • 退職時に受け取っていない・紛失した
  • 電子交付に気づいていない(メール・給与システム内の交付を見落とし)
  • 前職へ住所変更が伝わっておらず郵送が届いていない
  • 前職の発行が退職後1か月以内に終わっていない

給与所得の源泉徴収票は、提出範囲にかかわらずすべての受給者に交付することとされ、年の中途で退職した方には退職の日以後1か月以内に交付しなければならないとされています。電子交付の場合でも、受給者から請求があるときは書面で交付することとされています。まずこの期限と交付方法を確認します。

回復手順

前職に再発行を依頼する

前職の給与担当へ連絡し、給与所得の源泉徴収票の再発行を依頼します。氏名、在職期間、退職日、送付先住所、電子交付の有無を伝えます。退職後1か月以内の交付が原則のため、期限を過ぎている場合はその旨も伝えて早急な発行を依頼します。依頼日と担当者名を控えておきます。

電子交付・送付先を確認する

給与明細システムや退職時に案内された電子交付サービスを確認します。郵送の場合は、前職に登録されている住所が現住所と一致しているか確認します。転居後に連絡していない場合は、新住所を伝えて再送を依頼します。

現職の指定期限までに提出できるか判断する

現職の年末調整資料の提出期限(通常11月下旬から12月上旬)までに原本または会社が認める写しを提出できるか確認します。間に合う場合は、前職分と現職分を合算して年末調整を受けます。基礎控除や扶養控除などは月割りではなく全額で計算されます。

間に合わない場合は確定申告に切り替える

現職の期限に間に合わない場合、現職では前職分を含めない年末調整になるか、年末調整自体ができません。その場合は、翌年2月16日から3月15日を原則とする確定申告で、前職分と現職分の給与を合算して精算します。申告先は所轄税務署です。確定申告書等作成コーナーから自宅で作成・提出できます。

必要書類と提出先

年末調整と確定申告の提出物と提出先の対応表
区分内容
年末調整で提出するもの前職の給与所得の源泉徴収票(再発行分)
年末調整で提出するもの現職の給与に関する書類(会社が用意するもの以外は会社の案内に従う)
年末調整で提出するもの給与所得者の扶養控除等申告書など会社指定の申告書
確定申告に切り替えた場合前職分と現職分の源泉徴収票、確定申告書、マイナンバー確認書類

提出先は、年末調整の場合は現職の給与担当・年末調整窓口です。再発行の請求先は前職の給与担当です。確定申告の場合は所轄税務署です。管轄窓口が不明な場合は国税局電話相談センターへご確認ください。

前職分の金額や徴収税額が確認できないまま推定で年末調整を受けることはできません。国税庁の案内では、源泉徴収票などで確認できないときは年末調整ができず確定申告で精算するとされています。金額が不明なまま提出期限を過ぎても放置せず、確定申告へ切り替えます。個別事情によって判断が異なるため、管轄窓口へご確認ください。

よくある質問

前職の源泉徴収票なしで現職だけで年末調整できますか。

できません。前職分の給与額や源泉徴収税額が確認できない場合、国税庁の案内では年末調整ができず、確定申告で精算することになります。まず再発行を依頼し、間に合わなければ確定申告へ切り替えます。

前職の交付期限はいつですか。退職後1か月を過ぎたら請求できませんか。

原則として退職の日以後1か月以内に交付することとされています。過ぎても請求権が直ちになくなるわけではありませんので、前職へ再発行を依頼します。電子交付の場合でも、請求があれば書面で交付することとされています。

確定申告はいつ・どこに出しますか。

原則として翌年2月16日から3月15日までで、申告先は所轄税務署です。前職分と現職分の源泉徴収票を用意し、確定申告書等作成コーナーから作成・提出できます。

国税庁 中途就職者の年末調整国税庁 中途就職者の年末調整(No.2674)国税庁 給与所得の源泉徴収票の交付国税庁 給与所得の源泉徴収票の交付(No.7411)国税庁 確定申告の期間と申告先国税庁 確定申告(No.2020)

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