確定申告書 第一表の収入金額等を間違えたときは、申告期限前なら正しい内容の申告書を再提出する「訂正申告」、期限後で納める税金が多すぎる・還付される税金が少なすぎる場合は「更正の請求」(原則として法定申告期限から5年以内)、税額が少なすぎる・還付が多い場合は「修正申告」で直します。いずれも所轄税務署へ提出し、e-Taxの「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」から作成・送信できます。

手続きの概要と対象者

第一表は収入金額、所得金額、所得から差し引かれる金額、税額計算を集約する表です。給与や事業所得、年金等の収入金額等の記載を誤ると、所得金額や税額、還付額まで連動して誤ります。会社員、個人事業主、年金受給者など確定申告をした方で、控えやe-Taxの申告内容を見直して金額の誤りに気づいた方が対象です。全国共通の手続きで、提出先は提出時の納税地を管轄する税務署です。

期限と手続きの使い分けを最初に確認

期限の判定と手続き選択

  • 申告期限内(令和7年分は令和8年3月16日まで)に気づいたとき:訂正申告として正しい申告書等一式を再提出します。最後に提出された申告書が有効になります。
  • 期限後に納める税金が多すぎる・還付が少なすぎるとき:更正の請求書を提出します。原則として法定申告期限から5年以内にできます。
  • 期限後に税金が少なすぎる・還付が多すぎるとき:修正申告書を提出します。できるだけ早く提出し、新たに納める税金は提出日が納期限となり延滞税がかかる場合があります。

第一表のどこを訂正するか

第一表の「収入金額等」欄は、給与、事業(営業等・農業)、不動産、配当、公的年金等の区分ごとに収入金額を記入します。誤りの例として、給与の収入金額を源泉徴収票の「支払金額」ではなく「給与所得控除後の金額」で記入した、副業の売上を経費差引後の所得で記入した、年金収入を雑所得の収入金額に入れ忘れたなどが挙げられます。訂正時は、誤った区分の収入金額を正しい金額に置き換え、それに連動する所得金額、所得控除、税額、還付・納付額まで一貫して直します。

第一表の主な訂正箇所の考え方
誤りのパターン訂正する欄連動して確認する欄
給与収入金額を誤った収入金額等・給与給与所得、所得金額の合計、税額計算
事業の売上を所得で記入収入金額等・事業(営業等)事業所得、所得金額の合計
公的年金等の収入金額漏れ収入金額等・雑(公的年金等)雑所得、所得金額の合計

手順|状況別に直す

現在の申告状況と期限を確認します。e-Taxの受信通知や書面の控えで、提出済みの第一表の収入金額等と、申告期限(令和7年分は令和8年3月16日)との前後を確認し、税額・還付額がどちらにずれているかを判定します。

申告期限内の場合は、確定申告書等作成コーナーで正しい第一表・第二表を作成し、改めてe-Tax送信または郵送・窓口提出します。添付書類も正しい内容で再作成します。

期限後で税額が多すぎ・還付が少ない場合は、更正の請求書を作成します。正しい収入金額・所得金額・税額を記入し、誤りの理由と正しい計算根拠を記載します。更正の請求書・修正申告書作成コーナーで作成できます。提出後、税務署の調査を経て減額更正が認められると還付されます。

期限後で税額が少なすぎ・還付が多い場合は、修正申告書を作成します。令和4年分以降は申告書第一表・第二表を提出します。新たに納める税金は提出日に納付し、法定納期限の翌日から延滞税がかかる場合があるため併せて納付します。自主的に早く提出した場合は過少申告加算税がかからない場合があります。

e-Taxでの作成・提出方法

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」内の「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で、画面の案内に従い正しい金額を入力すると税額が自動計算され、更正の請求書や修正申告書を作成できます。作成したデータはe-Taxで送信するか、印刷して所轄税務署へ郵送・持参します。マイナンバーカード方式または利用者識別番号方式が利用できます。

訂正時に用意するもの

訂正前の準備チェックリスト

注意点・よくある失敗

訂正時の注意点

  • 修正申告は税務署の調査による更正を予知する前後で加算税の扱いが変わります。誤りに気づいたらできるだけ早く自主的に提出してください。
  • 令和4年分以後の修正申告・更正の請求では、従来の第五表(修正申告・別表)は不要ですが、第一表・第二表の提出区分に注意してください。
  • 収入金額の誤りが住民税や国民健康保険料へも影響する場合があります。税務署の更正後に市区町村へ情報が連携されますが、心配な場合は市区町村へも確認してください。

申告期限内に訂正する場合、前に出した申告書は取り消す必要がありますか?

別途取消手続きは不要です。正しい内容の申告書を申告期限までに再提出すれば、最後に提出されたものが有効な申告として扱われます。ただし既に還付金が支払われている場合で再提出により還付額が減る・納付が生じる場合は精算が必要です。

更正の請求と修正申告はどちらも5年以内ですか?

更正の請求は原則として法定申告期限から5年以内です。修正申告は税務署から更正を受けるまではいつでもできますが、延滞税や加算税の観点から早期の提出が推奨されます。還付申告(年末調整で控除を入れ忘れた場合などの還付を受ける申告)は翌年1月1日から5年以内です。

次の手続きと関連情報

収入金額の訂正に合わせて、医療費控除や生命保険料控除などの添付漏れを同時に入れ忘れていた場合は、同じ更正の請求で合わせて直すことができます。年末調整で保険料控除を入れ忘れた場合や医療費控除の明細書を出し忘れた場合の手続きも合わせて確認してください。