増改築で住宅ローン控除を使うには、補助金差引後の工事費用100万円超など10要件を満たし、初年度は確定申告で増改築等工事証明書を含む書類を所轄税務署へ提出します。
対象になる増改築か確認します
国税庁のタックスアンサーNo.1211-4では、控除対象の増改築等として第1号から第6号工事が示されています。いずれかに当てはまる工事であることが前提です。対象外の工事だけでは増改築等工事証明書は発行できません。
| 区分 | 工事の目安 |
|---|---|
| 第1号工事 | 増築、改築、大規模の修繕・模様替え |
| 第2号工事 | 区分所有部分の床・階段・壁などの過半の修繕・模様替え |
| 第3号工事 | 居室・調理室・浴室・便所などの一室の床または壁全部の修繕・模様替え |
| 第4号工事 | 耐震基準に適合させるための修繕・模様替え |
| 第5号工事 | 一定のバリアフリー改修工事 |
| 第6号工事 | 一定の省エネ改修工事 |
単体の設備交換やクロス張替え、外構工事などは、単体では対象外とされる例が国土交通省のよくある質問で示されています。本体工事と一体性・必然性がある場合に一体工事として計上できるかは、工事内容ごとに建築士等へ確認します。
適用要件の確認順
令和8年中に居住の用に供した場合の主な要件は、国税庁の暮らしの税情報とタックスアンサーで次のとおり示されています。すべてを満たす必要があります。2026年9月20日時点の公式情報で確認しています。
適用要件の一覧です。詳細は国税庁の公式ページで確認します。
- 自己所有で自己居住の家屋の増改築等であること
- 増改築等後6か月以内に入居し、控除年12月31日まで引き続き居住すること
- 増改築後の登記床面積50平方メートル以上で、2分の1以上が自己居住用であること
- 10年以上の分割返済の住宅ローン等があること
- 控除年の合計所得金額が2000万円以下であること
- 建築士等発行の増改築等工事証明書などで証明されること
- 補助金差引後の工事費用100万円超で、2分の1以上が居住用部分の工事費であること
登記床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、合計所得金額1000万円以下のときに限り対象になる特例増改築等の扱いがあります。床面積は登記事項証明書の表示で判断します。店舗併用住宅や共有住宅の判断は、タックスアンサーの注記を確認します。
増改築等工事証明書の取り方
増改築等工事証明書は、原則として工事完了後に建築士等が発行します。利用予定の減税制度により記載が必要な箇所が異なるため、依頼時に住宅ローン控除の増改築で使う旨を伝えます。
利用制度を決めて建築士等へ伝える手順です。
住宅ローン控除の増改築で使うことを、工事事業者と建築士等へ伝えます。省エネやバリアフリーなどの特定改修控除と迷う場合は、先に制度の選択を確認します。
対象工事か確認する手順です。
行った工事が第1号から第6号工事のいずれかに当てはまるか、工事請負契約書の内容で確認します。対象外工事のみでは証明書は発行できません。
建築士等へ発行を依頼する手順です。
一級建築士、二級建築士、木造建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人のいずれかへ依頼します。確定申告までに受け取れるよう余裕を持って依頼します。
所得税は控除年の確定申告までに税務署へ提出します。国土交通省の案内では、所得税は確定申告時期、固定資産税は工事完了後3か月以内と案内されています。
初年度確定申告の必要書類と提出先
控除初年度は、給与所得者も確定申告が必要です。必要事項を記載した確定申告書に次の書類を添えて、納税地の所轄税務署長へ提出します。
初年度の提出書類チェックリストです。
第1号工事に該当する場合は、増改築等工事証明書に代えて建築確認済証の写しまたは検査済証の写しでも対応できます。登記事項証明書は、計算明細書への不動産番号記載などで添付省略ができる場合があります。調書方式対応の金融機関では、一部書類の扱いが異なるため、適用申請書の提出状況を確認します。
2年目以降の年末調整と調書方式
2年目以降は、給与所得者は年末調整で控除を受けられます。税務署から送付される年末調整用の証明書兼申告書と、借入金の年末残高等証明書を勤務先へ提出します。従来の証明書方式に対し、令和4年度改正で調書方式が導入されています。
調書方式対応の金融機関から借り入れ、適用申請書にマイナンバー等を記載して提出している場合は、年末残高情報の連携や添付省略の扱いが変わります。対応していない金融機関では従来の証明書方式です。借入先がどちらの方式かを確認します。
控除額の目安
令和4年から令和12年に居住の用に供した増改築等の場合、控除期間は10年で、各年の控除額は年末残高等に0.7パーセントを掛けて求めます。100円未満は切り捨てです。借入限度や年末残高と工事費用の関係で上限が変わります。
年末残高の合計額と工事費用を比べ、少ない方の金額を基に計算します。補助金や贈与特例の金額は工事費用から差し引きます。
初年度の確定申告を忘れたら2年目以降の年末調整だけで足りますか
初年度は確定申告が必要です。2年目以降の給与所得者は年末調整で対応できます。初年度の提出を忘れた場合は、還付申告や更正の請求の可否を含め、早めに所轄税務署へ相談します。
リフォーム内容が対象か分からないときは誰に確認しますか
対象外工事のみでは発行できません。単体の設備交換や塗装、外構などが該当するかは、本体工事との一体性を含めて建築士等へ確認します。