結論:持分と負担割合の小さい方で按分します

夫婦共有名義で連帯債務の住宅ローンを組んだ場合、各人の控除対象額は年末残高に持分割合と負担割合の小さい方を掛けて求めます。初年度は連帯債務付表を添えて確定申告し、2年目以降は夫婦それぞれが勤務先の年末調整で申告します。

対象と前提を確認します

この記事は、夫婦2人で住宅を共有名義で取得し、1本の住宅ローンを連帯債務で借り入れた方を対象とします。2026年9月15日時点の国税庁の公式情報で確認しています。全国共通の所得税の取扱いです。

対象のチェックポイント

  • 夫婦2人で住宅を共有名義で取得し、1本の借入を連帯債務としていること
  • 新築等から6か月以内に居住し、その年の12月31日まで引き続き居住していること
  • 控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 住宅の床面積が50平方メートル以上で、2分の1以上を自己の居住用としていること
  • 10年以上にわたり分割返済する住宅ローン等があること

3つの借り方の見分け方

まず借入契約が何本か、誰の名義かを確認します。年末残高証明書の枚数と宛名が手がかりになります。

借り方の形と申告の考え方
借り方契約の形申告の考え方
連帯債務1本の借入を夫婦2人で連帯して返済する年末残高を負担割合で按分し、夫婦各自が申告します
ペアローン2本の借入を夫婦各自が契約者として借り入れる各自の年末残高証明書に基づき、各自が申告します
連帯保証主債務者1人の借入に配偶者が保証人となる借入者本人が申告します。保証人のみでは対象外の原則を確認します

ペアローンと連帯保証の詳しい適用可否は、借入契約書と年末残高証明書の名義を確認し、不明な点は借入先や税務署へご相談ください。

按分の計算手順

登記事項証明書で持分割合を確認します。共有者ごとの持分が記載されています。

金銭消費貸借契約書などで連帯債務の負担割合を確認します。夫婦間の内部的な約束が基準になります。

持分相当額と実質負担額の小さい方を、各人の控除対象の基礎にします。持分と負担が一致すれば持分割合がそのまま基礎になります。

年末残高に基礎割合を掛けて、各人の控除対象額を求めます。年末残高証明書の金額が計算の出発点です。

国税庁の質疑事例では、購入代金4,500万円、頭金500万円、借入金4,000万円、持分2分の1ずつ、負担割合6対4の場合、夫の対象は2,000万円、妻の対象は1,600万円とされています。頭金を按分負担した前提の例です。

質疑事例の計算例
区分夫妻
持分割合2分の12分の1
負担割合6割4割
借入4,000万円の負担額2,400万円1,600万円
持分相当額2,000万円2,000万円
控除対象となる借入金2,000万円1,600万円

初年度の確定申告手順

控除を受ける最初の年分は、確定申告書を提出します。確定申告書等作成コーナーを使うと、書類の数値に沿って控除額が自動計算されます。

初年度の必要書類

  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(連帯債務がある場合は付表も必要です)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合は全て添付します)
  • 家屋の登記事項証明書(床面積の確認用)
  • 家屋の工事請負契約書または売買契約書の写し(取得対価の確認用)
  • 土地に係る借入金等で控除を受ける場合の土地の登記事項証明書・売買契約書の写し(該当する場合)

確定申告書等作成コーナーで住宅の区分と必要書類を確認します。区分に応じて追加書類が変わります。

住宅借入金等特別控除額の計算明細書と、連帯債務がある場合の付表を作成します。按分した年末残高を記入します。

年末残高等証明書等を添えて、納税地の所轄税務署へ提出します。e-Tax、郵送、窓口のいずれかを利用できます。

2年目以降の年末調整手順

2年目以降は年末調整で適用できます。税務署から送付される証明書兼申告書と年末残高証明書を勤務先へ提出します。夫婦それぞれが勤務先へ提出します。

税務署から送付される年末調整のための証明書兼申告書を確認します。残りの控除年数分がまとめて送付されます。

年末残高等証明書を添えて、勤務先の給与担当部署へ提出します。夫婦各自がそれぞれの勤務先へ提出します。

持分と負担を一致させる事前チェック

借入前の確認ポイント

  • 登記事項証明書の持分割合と、借入金の負担割合が一致しているか
  • 頭金の負担方法が持分割合に応じているか
  • 年末残高証明書の名義と枚数が契約内容と合っているか
  • 負担割合が所得等に応じて合理的に定められているか

よくある質問を確認します

連帯債務付表は2年目も必要ですか

2年目は年末調整で適用できます。税務署から送付される証明書兼申告書と年末残高証明書を勤務先へ提出します。付表は初年度の確定申告で添付します。

持分と負担割合がずれたらどうなりますか

持分相当額と実質負担額の小さい方が対象になり、差額は贈与とされます。負担割合は所得等に応じて合理的に定める必要があります。

床面積は持分で割って判断しますか

建物全体の床面積で判断し、共有持分は掛けません。マンションは階段や通路などの共有部分を除いた専有部分で判断します。

ペアローンと連帯債務の見分け方は

契約本数と名義、年末残高証明書の枚数で確認します。1本を2人で返済する形が連帯債務、2本に分かれる形がいわゆるペアローンです。不明な点は借入先や税務署へご相談ください。

公式情報と確認日

この記事は2026年9月15日時点の国税庁の公式情報で確認しています。具体的な適用可否は借入契約と登記の内容で異なるため、税務署や借入先の最新案内をご確認ください。当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、管轄する行政機関、自治体、保険者、勤務先などの最新案内をご確認ください。

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