所得税や個人事業者の消費税で振替納税を利用していて、振替日に口座の残高不足で引き落としができなかった場合、再振替は行われません。延滞税は振替日ではなく法定納期限の翌日から発生し、納付が遅れるほど増えます。気づいたらすぐにダイレクト納付やインターネットバンキング、クレジットカード、スマホアプリ、QRコード納付または納付書で自主納付してください。振替日と法定納期限の違い、延滞税の割合、再発防止策を国税庁の公式情報で整理します。
まず確認:振替納税は再振替されない
国税庁「振替納付日について」では、振替納税は振替日当日に登録口座から一度だけ引き落とされ、残高不足で引き落としできなかった場合でも翌日以降に自動で再引き落としされる仕組みはありません。預貯金残高は振替日の前日までに確認するよう注意喚起されています。引き落としができなかったことに気づいたら、税務署からの督促を待たずにご自身で納付手続きを行う必要があります。
法定納期限と振替日の違い(令和7年分以降の例)
| 税目・区分 | 法定納期限 | 振替日(口座引落日) | 延滞税の起算日 |
|---|---|---|---|
| 所得税 確定申告(令和7年分) | 令和8年3月16日(月) | 令和8年4月23日(木) | 令和8年3月17日(火)から |
| 消費税 個人事業者 確定申告(令和7年分) | 令和8年3月31日(火) | 令和8年4月30日(木) | 令和8年4月1日(水)から |
| 所得税 予定納税 第1期(令和8年分) | 令和8年7月31日(金) | 令和8年7月31日(金) | 令和8年8月1日(土)から |
| 所得税 予定納税 第2期(令和8年分) | 令和8年11月30日(月) | 令和8年11月30日(月) | 令和8年12月1日(火)から |
上表は国税庁「主な国税の納期限及び振替日」によるものです。令和8年分(2026年分)の確定申告の振替日は確定次第掲載されますが、法定納期限は令和9年3月15日、延納分は令和9年5月31日が目安です。消費税の中間申告や法人税は課税期間により異なるため、税務署へご確認ください。
気づいたらすぐ行う自主納付の手順
未納に気づいた日を確認し、国税庁ホームページの「納税・納税証明書手続」または所轄税務署からのお知らせで納付すべき税目と金額を確認する
次のいずれかの方法で至急納付する。ダイレクト納付(事前届出済みの場合)、インターネットバンキング・ATM、クレジットカード(手数料あり)、スマホアプリ納付(30万円以下)、QRコードのコンビニ納付(30万円以下)、または金融機関・税務署での納付書納付
納付後は領収証書または納付手続完了画面を保存し、延滞税の金額を国税庁の計算コーナーで試算する
口座の登録内容(金融機関名・支店名・口座番号・名義)や振替納税の利用状況をe-Taxまたは税務署で再確認し、翌年以降の引き落としに備える
よくある原因と再発防止策
主な原因
- 振替日前日の残高不足:給与振込や自動引落と重なり残高が一時的に不足
- 口座変更・金融機関の合併で旧口座を登録したまま:振替納税の口座変更届を出し忘れ
- 納税資金の準備不足:確定申告で納付額を正確に把握していなかった
- 家族名義口座を登録:振替納税は納税者本人名義の口座に限られます
防止策
- 振替日の1週間前と前日に残高を確認し、納付額+余裕資金を確保する
- 口座を変更したときは「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を税務署または金融機関へ速やかに提出する
- e-Taxのダイレクト納付を併用登録しておき、振替納税が失敗してもすぐにダイレクト納付でリカバリーできるようにする
- 確定申告時に納付額をメモし、振替日をカレンダーに登録する
口座変更を忘れた場合との違い
残高不足とは別に、口座自体を変更・解約したのに届出を忘れた場合も引き落としは失敗します。この場合も再振替はされず、延滞税は法定納期限翌日から発生します。新しい口座で振替納税を継続するには、改めて依頼書の提出が必要です。変更が間に合わない年分は、前述のキャッシュレス納付または納付書で納付してください。
振替納税が残高不足で失敗しました。税務署から連絡が来るまで待ってもよいですか?
待たないでください。国税庁は、期限内に納付できなかった場合や残高不足で振替できなかった場合は、ご自身で速やかに納付するよう案内しています。放置すると延滞税が日々加算され、督促状や差押えの対象になる可能性があります。気づいた時点で前述の方法で自主納付してください。不明な点は所轄税務署へ電話でご相談ください。
延滞税はいつからいつまでかかりますか?
延滞税は法定納期限の翌日から納付する日までの期間について計算されます。振替日ではありません。例えば令和4年分所得税の法定納期限が令和5年3月15日であれば、3月16日から納付日までの日数で計算されます。割合は納期限の翌日から2か月以内とそれ以降で異なります。具体的な金額は国税庁ホームページの計算コーナーで試算できます。
残高不足を防ぐために振替日を変更できますか?
振替日は国税庁が税目ごとに定める日で、個別に変更することはできません。予定納税は法定納期限と同日、確定申告の振替日は法定納期限の約1か月後に固定されています。資金繰りに不安がある場合は、延納(所得税の確定申告で2回払い)を申請するか、早めに納付資金を別口座へ移動するなどの対策を検討してください。