振替納税の預貯金口座振替依頼書を納期限までに提出できなかった場合、その期分の税金は振替納税で引き落とせません。今回はコンビニQR・スマホアプリ納付・クレジットカード納付・ダイレクト納付・金融機関や税務署での現金納付など別の方法で納期限までに納付し、次回分から振替納税を利用するために改めて依頼書をe-Taxまたは書面で提出します。
症状と前提の確認
次の状況に当てはまる方を対象に、国税庁の公式情報で確認した対処を整理します。提出期限を過ぎたかどうかは、利用する税目の納期限で判断します。
前提チェックリスト
- どの税目か:申告所得税及び復興特別所得税、個人事業者の消費税及び地方消費税が対象です。贈与税には振替納税の制度はありません。
- どの期分か:確定申告分、予定納税1期・2期、延納分などで納期限が異なります。
- 新規か変更か:新規利用、登録口座の変更、納税地の税務署が変わる場合の再提出のいずれかを確認します。
- 提出方法:e-Taxのオンライン提出、税務署への書面提出、金融機関への書面提出のいずれを予定していたかを確認します。
なぜ納期限までの提出が必要か
振替納税は、納税者ご自身名義の預貯金口座から国税庁が指定する振替日に自動で引き落とす方法です。利用するには、e-Taxにより依頼書を提出するか、税務署または希望する金融機関へ専用の依頼書を書面で提出する必要があります。提出はご利用になる国税の納期限までに行う必要があり、納期限までに提出がなければその期分の振替納税は利用できません。納税地を所轄する税務署が変更になる場合も、改めて依頼書の提出が必要です。出典は国税庁「振替納税手続」および「【税金の納付】Q34」です(2026年8月20日確認)。
期限を過ぎたときの影響と納期限・振替日
期限を過ぎた場合の主な影響は、その期分の口座引落しが行われないことです。口座引落しができなかった場合や納期限までに納付が間に合わなかった場合は、納期限の翌日から延滞税がかかることがあります。振替納税を利用する場合でも残高不足等で引き落とせなかったときは同じく延滞税の対象となるため、振替日の前日までに残高を確認してください。
| 税目の区分 | 納期限 | 振替日 |
|---|---|---|
| 令和7年分 所得税等 確定申告 | 令和8年3月16日(月) | 令和8年4月23日(木) |
| 令和7年分 所得税等 予定納税 第1期 | 令和7年7月31日(木) | 令和7年7月31日(木) |
| 令和7年分 所得税等 予定納税 第2期 | 令和7年12月1日(月) | 令和7年12月1日(月) |
| 令和7年分 消費税等 確定申告(原則) | 令和8年3月31日(火) | 令和8年4月30日(木) |
| 令和8年分 所得税等 確定申告 | 令和9年3月15日(月) | 令和9年4月中旬~下旬(掲載待ち) |
表は国税庁「主な国税の納期限及び振替日」に基づきます。土日祝日に当たる場合は翌営業日が納期限となります。令和8年分確定申告の振替日は確定次第同ページで公表されます。
すぐに取るべき3つの回復ステップ
今回分の納税方法を切り替える(納期限までに別の方法で納付する)
当期分は振替納税以外で納期限までに納付してください。国税庁が案内する主な方法は次のとおりです。申告書提出後に税務署から納付書が送付されることはありません。
当期分の代替納付方法
- ダイレクト納付(e-Tax):事前にダイレクト納付利用届出書の提出と口座登録が必要です。書面提出から利用可能まで約1か月、オンラインでも金融機関により時間がかかります。
- インターネットバンキング等
- クレジットカード納付:国税クレジットカードお支払サイトを経由。決済手数料が別途かかります。1,000万円未満が上限です。
- スマホアプリ納付:国税スマートフォン決済専用サイトを経由。30万円以下が対象です。
- コンビニ納付(QRコード):国税庁サイトでQRコードを作成しコンビニで現金納付。30万円以下が対象です。
- 現金納付:金融機関(日本銀行歳入代理店)または所轄税務署の窓口で納付書を添えて納付します。
次回以降のために依頼書を提出する(e-Taxまたは書面)
次回分から振替納税を利用するために、改めて預貯金口座振替依頼書を提出します。手続きは一度行えば、口座変更や取りやめ、納税地異動がない限り自動的に次回以降も継続されます。
依頼書の提出方法
- オンライン(e-Tax):e-Taxソフト(WEB版)にログインし、口座振替申込メニューから依頼書を送信します。オンライン提出が可能な金融機関や預金種目は「オンライン提出利用可能金融機関一覧」で確認し、利用可能時間はe-Taxと金融機関のシステム稼働時間内です。
- 書面(税務署または金融機関):「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を作成し、納税地を所轄する税務署または振替口座の金融機関へ提出します。令和8年9月24日のシステム更改に伴い様式が変更されます。
納税地を所轄する税務署が転居等で変わる場合は、改めて変更後の税務署へ依頼書を提出します。依頼書の提出に代えて、申告書第一表の「振替継続希望」欄に○を記載する方法や、「所得税・消費税の納税地の異動に関する申出書」を提出する方法もあります。登録口座の変更や解約を希望する場合も新たに手続きが必要です。解約は所轄税務署へ連絡し、令和8年9月24日以降は「振替納税の取りやめ申出書」を提出します。
提出後の確認と残高準備
提出後は振替納税が次回から適用されることを前提に、振替日の前日までに口座残高と他の引落し予定を確認します。領収証書は発行されず、納付から1週間程度で納付済みの納税証明書が発行可能になります。預貯金口座が凍結された場合など引き落としができなかったときは、早めに所轄税務署へ連絡してください。
提出先と提出方法の違い
| 方法 | 提出先 | 特徴 |
|---|---|---|
| e-Taxオンライン | e-Taxソフト(WEB版)の口座振替申込 | スマホ・PCから送信。押印不要だが、利用可能金融機関と利用時間の制限あり。 |
| 書面(税務署) | 納税地を所轄する税務署 | 窓口または郵送。様式は国税庁サイトの入力用・手書用を使用。 |
| 書面(金融機関) | 振替を希望する金融機関 | 届出印の確認が必要な場合あり。インターネット専用銀行等一部では利用不可。 |
いずれの方法でもご自身名義の口座のみ利用できます。インターネット専用銀行等やインターネット支店等では利用できない場合があるため、事前に取引先金融機関へ確認してください。振替納税の利用可否や手数料はかかりませんが、クレジットカード納付など別手段では手数料がかかる場合があります。
よくある質問
期限を過ぎた依頼書は当期分に間に合いますか。
間に合いません。当期分は別の納付方法で納期限までに納付してください。依頼書は次回以降の納付から適用されます。例えば令和7年分所得税の確定申告分で納期限(令和8年3月16日)を過ぎた場合、令和7年分は振替納税できず、令和8年分予定納税1期(納期限令和8年7月31日)以降に適用されます。
納期限当日にe-Taxで送信すれば間に合いますか。
原則として納期限までに提出が必要です。e-Taxは利用可能時間と金融機関システムの稼働時間に制限があるため、納期限当日の夜間や障害時は送信できないことがあります。余裕をもって早めに提出し、送信後は受信通知やメッセージボックスで手続きが完了したか確認してください。
納税地の税務署が変わったのに前の依頼書のままにしていました。どうなりますか。
納税地を所轄する税務署が変わった場合は、改めて変更後の税務署へ依頼書を提出する必要があります。提出がないと振替納税が継続されないことがあります。依頼書の再提出に代えて、申告書の振替継続希望欄への○記載や「所得税・消費税の納税地の異動に関する申出書」の提出でも対応できます。転居後は早めに手続きし、今回分は別の方法で納付してください。
まとめ
振替納税の依頼書は納期限までの提出が原則です。期限を過ぎたら当期分は振替納税を諦めて別手段で納期限までに納付し、次回分のために速やかに依頼書を再提出することが最も確実な回復方法です。令和7年分・令和8年分の納期限と振替日は国税庁「主な国税の納期限及び振替日」で最新を確認し、提出先(e-Tax・税務署・金融機関)と利用可能金融機関を事前に確認してください。残高不足による延滞税を防ぐため、振替日の前日までに残高を確認することを習慣にしてください。