結論:依頼書の期限を過ぎたらその年分の振替納税は利用できません
振替納税の預貯金口座振替依頼書は、納税する国税の納期限までに提出が必要です。令和7年分(2025年分)の申告所得税の納期限は令和8年3月16日(月)で、この日までに依頼書を提出できなかった申告分は振替納税を利用できません。期限を過ぎた分は納付書やダイレクト納付などで早めに納付し、翌年分で振替納税を使いたい場合は改めて納期限までに依頼書を提出します。
対象者と前提の確認
この記事は次の方を対象としています。確定申告で所得税や個人事業者の消費税を振替納税で納付する予定だったが、預貯金口座振替依頼書を納期限までに提出し忘れた方、期限後申告になり振替納税が使えるか不安な方、来年から振替納税に切り替えたい方です。全国共通の国税の手続きで、2026年8月25日時点の国税庁の公式情報で確認しています。
なぜ使えないのか:2つの公式ルール
振替納税が期限後の申告で使えない理由は、国税庁が2つの条件を明確にしているためです。依頼書の提出期限と利用できる申告の範囲が決まっています。
振替納税が使えない2つの理由
- 依頼書の提出期限:振替納税をご利用される国税の納期限までに預貯金口座振替依頼書を税務署または金融機関へ提出する必要があります(国税庁 G-2-1)。
- 利用できる申告の範囲:振替納税は「期限内に申告された」確定申告分と延納分、予定納税分のみが対象です。期限後申告分は対象外です(国税庁 G-2-1/作成コーナーFAQ)。
令和7年分・令和8年分の納期限と振替日一覧
| 区分 | 納期限(法定納期限) | 振替日 |
|---|---|---|
| 令和7年分 所得税確定申告 | 令和8年3月16日(月) | 令和8年4月23日(木) |
| 令和7年分 消費税確定申告(個人) | 令和8年3月31日(火) | 令和8年4月30日(木) |
| 令和8年分 所得税確定申告 | 令和9年3月15日(月) | 令和9年4月中旬〜下旬(確定次第掲載) |
| 予定納税 第1期 | 7月31日 | 同日 |
| 予定納税 第2期 | 令和7年分は12月1日(月) | 同日 |
出典:国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」(2026年8月25日確認)。令和8年分以降の振替日は国税庁が確定次第掲載します。
手順1:期限を過ぎた申告分の納付方法を選び直す
依頼書の期限を過ぎた申告分は、振替納税以外の方法で納付します。法定納期限を過ぎると延滞税がかかるため、できるだけ早めに手続きします。次のいずれかを利用できます。
代替納付の選択肢
- ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替):事前にダイレクト納付利用届出書を提出済みの口座から即時に引き落としできます。
- インターネットバンキング・ATM納付:e-Taxで納付情報を登録してインターネットバンキングやATMから納付します。
- クレジットカード納付:国税クレジットカードお支払サイトから納付します(決済手数料がかかります)。
- スマホアプリ納付・QRコード納付:30万円以下で利用できます。
- 納付書による納付:金融機関または税務署で現金で納付します。納付書がない場合は税務署に連絡します。
上記は国税庁「振替納付日について/期限内に納付できなかった場合は」で例示されている納付方法です。いずれも法定納期限の翌日から延滞税の対象となるため、資金移動の失敗を防ぐために振替日の前日までに残高があるかも併せて確認します。
手順2:延滞税の起算と早めの納付
振替納税ができず納期限までに納付できなかった場合、法定納期限の翌日から延滞税がかかります。令和5年中の例では年2.4%(2か月以内)と年8.7%(2か月超)が示されていますが、割合は年により変わるため最新の国税庁「延滞税の計算」ページで確認します。口座残高不足などで振替不能だった場合も同様に法定納期限の翌日から計算されます。
手順3:翌年分で振替納税を使いたい場合の再手続き
今回の申告分で振替納税を利用できなくても、翌年分以降は改めて依頼書を納期限までに提出すれば振替納税を利用できます。一度依頼書を提出し、口座変更や納税地の異動がなければ翌年以降は自動的に継続されます。
翌年分で振替納税を利用するためのチェックリスト
e-Taxで依頼書をオンライン提出する:e-Taxソフト(WEB版)にログインし、依頼書の入力画面で口座情報を入力して送信します。セキュリティ保護された外部サイトを経由します。
書面で提出する:国税庁様式の「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を作成し、納税地の税務署または金融機関へ提出します。令和8年9月24日のシステム更改で様式が変更されるため、最新の国税庁PDFを使用します。
振替日と残高を確認する:国税庁「主な国税の納期限及び振替日」で振替日を確認し、振替日の前日までに残高と他の引き落とし予定を確認します。
必要書類と提出先
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼書様式 | 預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書(国税庁PDF) |
| 届出印 | 金融機関届出印(不明な場合は金融機関へ確認) |
| 提出先 | 納税地の税務署 または 預貯金口座のある金融機関 |
| オンライン | e-Taxソフト(WEB版)から提出(対応金融機関のみ) |
| 手数料 | 不要。領収証書は発行されません(平成29年1月から廃止) |
オンラインと書面の違い・注意点
提出方法の注意点
- オンライン提出はe-Taxの利用可能時間内かつ金融機関システム稼働中のみ利用できます。一部インターネット専用銀行やインターネット支店では利用できない場合があります。
- 書面提出は納期限までに税務署または金融機関へ必着が必要です。郵送の場合は配達日数に注意します。
- 預貯金口座は本人名義のみ利用できます。口座変更時は新たな依頼書を提出します。
よくある質問
依頼書を納期限の翌日に提出しました。今回の申告分で振替納税は使えますか?
使えません。依頼書は納期限までに提出する必要があり、利用できるのは期限内に申告された分に限られます。今回分は納付書やダイレクト納付などで納付し、翌年分で改めて納期限までに依頼書を提出してください。
期限後申告になりましたが、振替納税の依頼書を出しておけば引き落としてもらえますか?
期限後申告分は振替納税の対象外です。依頼書を提出していても期限後申告分は振替納税で納付できません。代替方法で納付してください。
口座残高不足で振替不能になりました。どうなりますか?
法定納期限の翌日から延滞税がかかります。速やかに所轄税務署へ連絡し、ダイレクト納付や納付書などで納付してください。翌年分の振替納税自体は口座変更がなければ継続されますが、残高は振替日の前日までに確認します。
引っ越しで所轄税務署が変わりました。依頼書は再提出が必要ですか?
必要です。納税地を所轄する税務署が変更になる場合は、新しい税務署へ改めて預貯金口座振替依頼書を提出します。または「所得税・消費税の納税地の異動に関する申出書」の提出でも継続できます。
まとめと次の行動
依頼書の提出期限を過ぎた申告分は振替納税を利用できないため、納付書やダイレクト納付などで早めに納付します。延滞税は法定納期限の翌日から計算されるため、放置せずに手続きします。翌年分で振替納税を利用したい場合は、次回の納期限(令和8年分所得税は令和9年3月15日)までに最新の依頼書様式で提出し、振替日の前日に残高を確認します。手続きに不安がある場合は、納税地の税務署へご確認ください。