協会けんぽの任意継続被保険者になった後に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。出産手当金も同じ扱いです。任意継続で受けられるのは、退職前の在職中から継続して支給されている(または支給を受けられる状態だった)傷病手当金・出産手当金に限られます。つまり「任意継続に入っているかどうか」ではなく「その傷病がいつ発生し、退職日時点でどういう状態だったか」で決まります。
任意継続で傷病手当金が出る場合・出ない場合
| 状況 | 傷病手当金 |
|---|---|
| 任意継続被保険者期間中に発生した病気・ケガ | 支給されません |
| 退職日(資格喪失日の前日)時点で現に傷病手当金を受けていた | 資格喪失後の継続給付として引き続き申請できます |
| 退職日時点で傷病手当金を受けられる状態だった | 同じく継続給付として申請できます |
協会けんぽは、任意継続の保険給付について「原則、在職中と同様の給付を受けることができます」としつつ、傷病手当金と出産手当金は在職中から継続して給付されている場合に限り引き続き申請できると案内しています。医療機関の窓口負担の割合は在職中と同様です。
継続給付として受けられるかを確認する順番
その病気・ケガの発病・負傷が退職前(在職中)か、任意継続に入った後かを確認します。任意継続期間中に発生したものであれば、傷病手当金の対象外です。
退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あるかを確認します。この期間には、任意継続被保険者、共済組合の組合員である被保険者、国民健康保険に加入していた期間は含められません。
退職日(資格喪失日の前日)に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態だったかを確認します。受けられる状態とは、業務外の傷病の療養のための休業であること、仕事に就くことができないこと、連続する3日間の待期が完成していることを満たす状態です。
上記を満たす場合は、健康保険傷病手当金支給申請書を、電子申請または加入している協会けんぽ支部への郵送で提出します。
待期3日と支給期間の考え方
傷病手当金の基本ルール
- 業務外の傷病の療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の働けなかった日が支給対象です。
- 待期には有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれ、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。
- 連続して2日休んだ後に3日目に仕事をすると、待期3日間は成立しません。
- 支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。
- 休業期間について給与が支払われている間は支給されません。ただし、給与が傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給されます。
申請期限と支払いまでの目安
健康保険給付を受ける権利は、受けることができるようになった日の翌日から2年で時効になります。傷病手当金の時効の起算日は、労務不能であった日ごとにその翌日です。日単位で時効が進むため、療養が長引く場合はまとめすぎずに申請します。審査の結果支払いが可能であれば、受付日から10営業日以内に支払われると案内されています。
任意継続を続ける前に確認しておくこと
任意継続の基本条件
- 加入条件は、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あることと、退職日の翌日から20日以内に手続きすることです。
- 被保険者期間は2年間です。就職して他の健康保険の資格を取得したとき、保険料を納付期限までに納付しなかったとき、後期高齢者医療制度の被保険者資格を取得したとき、亡くなったとき、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を申し出たときは資格を喪失します。
- 保険料は事業主負担分も自分が負担するため、退職時の健康保険料の2倍が原則です。ただし上限があり、退職時の標準報酬月額が32万円を超えていた場合は32万円で計算します。
傷病手当金を受けられるかどうかだけで健康保険の加入先を決めると、実態と合わない選択になることがあります。任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者は、毎月の保険料や家族の扱いも異なるため、あわせて比較してください。
任意継続の保険料を払っているのに、なぜ傷病手当金が出ないのですか。
協会けんぽは、任意継続被保険者期間中に発生した病気・ケガによる傷病手当金および出産手当金は支給されないと案内しています。傷病手当金は在職中の所得を補う給付であり、任意継続で新たに発生した傷病は対象になりません。保険料を納めていることが支給の根拠にはなりません。
任意継続ではなく国民健康保険を選んだ場合、退職前から受けている傷病手当金はどうなりますか。
資格喪失後の継続給付は、退職前に加入していた健康保険(協会けんぽ)から支給されます。退職後にどの健康保険へ入るかとは別の制度です。退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があり、退職日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、加入先の選択にかかわらず継続給付を申請できます。
出産手当金も同じ扱いですか。
同じ扱いです。任意継続被保険者期間中に発生したものは支給されず、在職中から継続して給付されている場合に限り引き続き申請できます。
個別の傷病の発生時期や労務不能の判断は、療養担当者の意見等をもとに保険者が判断します。判断に迷う場合は、加入している協会けんぽ支部へ確認してください。