協会けんぽの傷病手当金は、業務外の病気・けがで働けず、連続3日の待期後も休み、給与が出ない・少ない場合に申請します。被保険者本人・勤務先・医師等が必要事項を整え、電子申請または加入支部への郵送で提出します。
傷病手当金の概要
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な対象 | 協会けんぽの被保険者本人。被扶養者は対象ではありません |
| 支給条件 | 業務外の病気・けが、労務不能、連続3日の待期を含む4日以上の休業、休業中の給与がない・傷病手当金より少ないこと |
| 支給開始 | 連続3日の待期が成立した後、4日目以降の労務不能日 |
| 支給期間 | 支給開始日から通算1年6か月 |
| 申請方法 | 協会けんぽ電子申請サービス、または加入支部への郵送 |
| 申請期限 | 労務不能であった日ごとに、その翌日から2年 |
| 処理の目安 | 審査の結果支払可能な場合は、受付日から10営業日以内と案内されています |
傷病手当金を受ける4つの条件
次の4条件をすべて満たす場合に支給対象となります。
- 業務外の事由による病気・けがの療養のために休んでいること。健康保険給付として受ける療養に限らず、自費診療でも労務不能の証明があれば対象となり、自宅療養の期間も含まれます
- 療養担当者の意見や仕事の内容から、仕事に就くことができないと判断されること
- 連続する3日間の待期を含め、4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業期間の給与が支払われていないこと。給与が傷病手当金より少ない場合は差額が支給されること
仕事中や通勤途中の病気・けがは、原則として労災保険の対象です。美容整形など病気と見なされないものも対象外です。健康保険の傷病手当金と自己判断せず、勤務先や労働基準監督署へ確認してください。
協会けんぽの公式図では、3日連続で休むと待期が成立し、4日目以降の労務不能日が支給対象となる例と、3日目に出勤して待期が成立しない例を比較しています。
傷病手当金の待期3日の数え方を確認する待期3日の数え方を、土日・有給・早退・3日目出勤のケース別に確認できます。申請に必要な書類
| 担当 | 紙申請のページ | 主な記入・証明内容 |
|---|---|---|
| 被保険者本人 | 1・2ページ | 記号・番号、氏名、住所、振込先、申請期間、仕事の内容、傷病の原因、給与・年金・労災給付等の確認 |
| 勤務先の事業主 | 3ページ | 申請期間中の出勤日、休業日に支給した給与・手当、事業主の証明 |
| 療養担当者 | 4ページ | 労務不能と認めた期間、傷病名、初診日、症状・経過・治療内容、医療機関の証明 |
基本書類に加え、該当する状況がある場合は追加書類を準備します。
傷病手当金を申請する手順
業務外の傷病か、仕事に就けない状態か、連続3日の待期が成立しているか、休業中の給与がない・少ないかを確認します。業務上・通勤途中の傷病は労災保険を確認します。
申請する休業期間を決め、被保険者記入欄へ申請期間、仕事の内容、傷病の原因、給与や年金等の受給状況を記入します。申請期間が終わる前には提出できません。
勤務先へ、申請期間中の出勤日と給与・手当の支払い状況を証明してもらいます。資格喪失日以後の期間だけを申請する場合は、事業主証明が不要となる扱いがあります。
医師等の療養担当者へ、労務不能と認めた期間、傷病名、症状・経過、治療内容等を証明してもらいます。転院などで証明する医療機関が分かれる場合は、申請書の分け方を確認してください。
電子申請または郵送を選びます。電子申請では被保険者が画面へ情報を入力し、事業主記入用・療養担当者記入用の画像またはPDFをアップロードします。郵送では4ページの申請書を加入支部へ送ります。
提出後は審査状況や通知を確認します。電子申請はサービス内で審査状況を確認できます。支給可否や調整額は提出書類と保険記録に基づいて判断されます。
電子申請で提出する方法
協会けんぽの被保険者が電子申請を始める前に準備する主なものです。
電子申請の基本的な流れです。
- 協会けんぽ電子申請サービスへ進み、利用規約等を確認します
- 申請書の種類から傷病手当金支給申請書を選びます
- マイナンバーカードで健康保険資格情報を取得し、申請対象の資格を選びます
- 加入者情報、口座情報、申請内容を入力します
- 事業主記入用、療養担当者記入用、条件別の追加書類をアップロードします
- 入力内容を確認して送信し、受付番号を控えます
- 審査状況をサービス内で確認します
郵送で提出する方法
紙で申請する場合は、協会けんぽの現行様式をダウンロードして印刷します。被保険者記入用、事業主記入用、療養担当者記入用をそろえ、条件別の添付書類と一緒に、加入している協会けんぽ都道府県支部へ郵送してください。
加入支部は「資格情報のお知らせ」またはマイナポータルの「健康保険証>資格情報」で確認できます。被保険者の記号・番号を申請書へ記入した場合は、個人番号の記入は不要です。
健康保険傷病手当金支給申請書を確認する協会けんぽの申請書ページで、現行様式、添付書類、加入支部の確認方法を確認できます。申請期限・支給期間・支給額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期限 | 労務不能であった日ごとに、その翌日から2年で時効 |
| 支給期間 | 支給開始日から通算1年6か月 |
| 1日あたりの基本式 | 支給開始日以前の継続した12か月の標準報酬月額の平均額÷30×3分の2 |
| 加入期間が12か月未満の場合 | 直近の標準報酬月額の平均と、協会けんぽ全被保険者の標準報酬月額の平均額を比べ、低い方を計算に使用 |
| 給与が一部支払われた場合 | 傷病手当金より給与が少ないときは差額を支給 |
| 処理の目安 | 審査の結果支払可能な場合、受付日から10営業日以内 |
協会けんぽが示している支給額の計算例です。標準報酬月額が令和7年3月から8月まで16万円、令和7年9月から令和8年2月まで18万円で、支給開始日が令和8年2月15日の場合を示しています。
- 12か月分の標準報酬月額を平均します。(16万円×6+18万円×6)÷12=17万円
- 平均額の30分の1に相当する額を求めます。17万円÷30≒5,670円(10円未満四捨五入)
- その額の3分の2が1日あたりの支給額です。5,670円×2/3=3,780円(1円未満四捨五入)
支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合は、支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均と、全被保険者の標準報酬月額の平均額のうち低い額を使って計算します。全被保険者の平均額は、支給開始日が令和7年3月31日以前の方は30万円、令和7年4月1日以降の方は32万円です。
加入12か月未満のときの計算方法を確認する加入期間が12か月に満たない場合の計算方法は、別記事で手順と比較額を確認できます。退職後も継続して受けられる条件
資格喪失後の継続給付は、主に次の条件を確認します。
申請前に確認したい注意点
返戻や確認の長期化を避けるため、次の点を確認します。
- 被保険者本人、勤務先、療養担当者の申請期間が一致しているか
- 待期3日が連続しているか
- 休業日に支給された有給休暇の賃金、住宅手当、扶養手当などを事業主証明へ反映しているか
- 仕事中・通勤途中の傷病を健康保険の申請として処理していないか
- 交通事故など第三者行為による傷病届が必要か
- 電子申請の画像が欠けずに読めるか
- 不要な賃金台帳・出勤簿の写しを添付していないか
- 資格喪失後の申請では、退職日以前から条件を満たしていたか
よくある質問
有給休暇や土日も待期3日に含まれますか?
含まれます。待期の成立は給与の有無ではなく、連続して仕事に就けなかったかで確認します。ただし、有給休暇の賃金などが支払われた期間は、傷病手当金の支給額が調整されます。
休業期間が終わる前に申請できますか?
申請できません。現行の記入手引きでは、申請期間が経過した後に提出するよう案内されています。長期休業は期間を分けて申請できます。
自費で診療を受けた期間や自宅療養も対象になりますか?
対象になり得ます。協会けんぽは、健康保険給付として受ける療養に限らず、仕事に就くことができないことについての証明があれば支給対象とし、自宅療養の期間も支給対象になると案内しています。
退職後も傷病手当金を申請できますか?
条件を満たせば申請できます。資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続1年以上あり、その日に受給中または受けられる状態で、退職後も同じ傷病で労務不能が続くことなどを確認してください。
会社が申請するのですか?
被保険者本人が申請します。ただし、在職中の申請では勤務先の事業主証明が必要です。療養担当者の証明も受け、電子申請または郵送で協会けんぽへ提出します。
公式情報と確認日
この記事は、全国健康保険協会「傷病手当金」「健康保険傷病手当金支給申請書」「電子申請サービスについて」「アップロード必要書類」と、2026年6月版の申請書・記入手引きに基づいています。支給条件、待期3日、通算1年6か月の支給期間、支給額の計算と公式の支給額例、資格喪失後の継続給付は2026年7月30日に公式案内で再確認しています。
次にすること
まず、加入先が協会けんぽであることと、連続3日の待期を含む4つの支給条件を確認してください。次に申請する休業期間を決め、勤務先と療養担当者へ証明を依頼し、電子申請または加入支部への郵送で提出します。
協会けんぽ電子申請サービスの準備と手順を確認する電子申請を利用する場合は、必要なマイナンバーカード、端末、添付書類と申請の流れを公式ページで確認します。退職後の健康保険3つの選択肢を確認する退職後の健康保険を任意継続・国民健康保険・家族の扶養から比較する場合は、別記事で全体像を確認できます。