退職後に源泉徴収票が必要なときは、まず前職の人事・総務へ再発行を依頼します。交付されなかったときは納税地の所轄税務署へ届け出る方法があり、条件を満たせばマイナポータル連携で確認できる場合もあります。
症状と前提の確認
この記事は、退職後に確定申告や年末調整、新しい勤務先の手続きなどで前職分の源泉徴収票が必要になり、手元にない方を対象にしています。紛失したのか、最初から受け取っていないのかで次の行動が変わります。
手元の状況を次の3つに分けて確認します。
状況の切り分け
- 以前受け取ったが紛失・破損した:前職への再発行依頼が起点です
- 退職時に受け取っておらず未交付のまま:交付期限の確認と税務署への届出が選択肢になります
- 前職へ依頼したが連絡が取れない・拒否された・倒産した:税務署への相談・届出と代替確認へ進みます
手順1:前職へ再発行・交付を依頼する
源泉徴収票は給与等の支払者が作成・交付する書類です。退職後の再発行に専用の国の申請書はなく、前職の人事・総務への連絡が出発点になります。記録が残る方法で依頼し、いつ誰に連絡したかをメモします。
前職への依頼で伝える内容
- 氏名・生年月日・在籍期間・社員番号など本人特定情報
- 必要な年分(例:令和6年分)と枚数・送付先住所
- 確定申告や新勤務先の年末調整など使用目的と希望期限
- 電話に加えてメールや問い合わせフォームなど記録が残る方法の併用
国税庁の不交付届出の案内では、中途退職の交付期限は退職後1か月、それ以外は翌年1月31日とされています。期限を過ぎても受け取っていない場合は手順3へ進みます。
国税庁の源泉徴収票不交付の届出手続は、支払者から交付されない場合の手続きであり、既に交付された分の再発行は対象外とされています。そのため、紛失時はまず前職への再発行依頼を行い、不交付・拒否・連絡不能のときに税務署の手続きを検討します。
手順2:条件を満たせばマイナポータル連携とメッセージボックスを確認する
確定申告書等作成コーナーの案内では、マイナポータル連携を利用できる場合、e-Taxのメッセージボックスから給与所得の源泉徴収票情報を確認できるとされています。紙の再発行を待つ間や、前職と連絡が取りにくいときの確認手段になります。
マイナポータル連携の主な条件
- 令和5年分以後の年分であること
- 勤務先が従業員の給与所得の源泉徴収票をe-Taxまたは認定クラウド等により税務署へ提出していること
- 確定申告書等作成コーナーからマイナンバーカードを利用してe-Taxで申告する流れで連携すること
国税庁の特設案内では、令和6年2月の令和5年分確定申告から、マイナポータル連携により勤務先から税務署へe-Taxで提出された給与所得の源泉徴収票情報を確定申告書へ自動入力できるようになったとされています。条件を満たさない場合は自動入力されないため、前職への依頼や税務署への相談が必要です。
手順3:交付されないときは所轄税務署へ届け出る
交付期限を過ぎても源泉徴収票が交付されない受給者は、源泉徴収票の交付期限経過後に随時、納税地等を所轄する税務署長へ源泉徴収票不交付の届出書を提出できます。
給与支払明細書が保存されている場合はその写しと、勤務先に交付を求めたことが分かる書類等を準備します。いつ連絡したか、電話・面接・文書の方法や日時をメモ等に残します。
e-Taxソフトで届出書を作成・提出するか、書面を持参または送付により提出します。書面様式は令和8年8月に税務署提出用の様式が変わっているため、本ページ掲載の最新様式を使用します。手続きの根拠は所得税法第226条とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 納税地等を所轄する税務署長 |
| 提出時期 | 交付期限経過後、随時 |
| 添付書類 | 給与支払明細書の写し(保存時)、交付を求めたことが分かる書類等 |
| 作成・提出方法 | e-Taxソフトまたは書面の持参・送付 |
税務署の開庁時間は8時30分から17時までであり、閉庁日は送付または時間外収受箱への投函により提出できます。e-Taxの利用可能時間はe-Taxの案内で確認します。
よくある質問
再発行と不交付の届出は別ですか。
再発行自体は前職への依頼で行います。不交付の届出は、交付されなかった受給者が交付期限経過後に所轄税務署へ提出する手続きであり、既に交付された分の再発行は対象外です。紛失時はまず前職へ連絡し、未交付・拒否・連絡不能のときに届出を検討します。
マイナポータル連携ですべての源泉徴収票を確認できますか。
条件を満たせば確認できる場合があります。令和5年分以後で、勤務先がe-Tax等で税務署へ提出していることなどが条件とされています。条件を満たさない場合は表示されないため、前職への依頼や税務署への相談が必要です。
全国共通の原則として記載しています。前職の対応や必要書類の求めは勤務先により異なります。個別事情によって判断が異なるため、所轄税務署の案内もご確認ください。内容は2026年9月25日時点の公式情報で確認しています。