雇用保険の移転費は、ハローワーク等の紹介による就職や、ハローワーク所長の指示による公共職業訓練等のために転居が必要と認められた場合、本人と随伴家族の移転費用を一定の基準で支給する制度です。申請期限は移転日の翌日から1か月以内です。
移転費の手続き概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な対象 | 雇用保険の受給資格者等が、ハローワーク等の紹介による就職またはハローワーク所長の指示による公共職業訓練等のために転居する場合 |
| 申請期限 | 移転日の翌日から起算して1か月以内 |
| 提出先 | 住居所を管轄するハローワーク |
| 主な書類 | 移転費支給申請書、雇用保険受給資格者証等 |
| 対象費用 | 鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料、着後手当 |
| 支給額 | 移転経路、随伴家族、就職先からの費用負担などを基に公式基準で計算 |
移転費の支給条件
支給を受けるには、雇用保険の受給資格者等であることに加え、就職・訓練の経路、待期、転居の必要性、就職先からの費用負担などの条件を満たす必要があります。
ハローワークインターネットサービスが案内する主な支給要件です。
支給対象となる6種類の費用
| 費用の種類 | 内容 |
|---|---|
| 鉄道賃 | 旧居住地から新居住地までの通常の経路・方法による鉄道利用分 |
| 船賃 | 移転経路で船舶を利用する場合の対象額 |
| 航空賃 | 移転経路で航空機を利用する場合の対象額 |
| 車賃 | 鉄道・船・航空以外の移動に係る対象額 |
| 移転料 | 家財等の移転に対して公式基準で計算される費用 |
| 着後手当 | 新居住地への到着後に必要となる費用について公式基準で計算される手当 |
本人だけでなく、その方に生計を維持されている同居の親族が随伴する場合は、本人と家族について旧居住地から新居住地までの順路を基に計算されます。実際に支払った金額がそのまま全額支給されるとは限りません。
移転費を申請する手順
就職先や訓練先が遠方に決まりそうな段階で、雇用保険の受給手続きを行っているハローワークへ相談します。紹介経路、待期・給付制限、雇用期間、通勤・通所条件を伝えます。
ハローワークに、住所・居所の変更が必要と認められるか確認します。往復4時間以上の通勤・通所、交通機関の便、事業所や訓練施設の事情などが判断材料になります。
就職先から就職準備金や移転費用が支給されるか確認します。就職先の支給額が移転費の計算額以上となる場合は、雇用保険の移転費は支給されません。
ハローワークの案内に従って転居し、移転費支給申請書と雇用保険受給資格者証等を準備します。個別事情により追加確認を受ける場合があります。
移転日の翌日から起算して1か月以内に、住居所を管轄するハローワークへ申請します。電子申請を使う場合は指定された申請経路、紙で出す場合は印刷条件と提出窓口を確認します。
支給を受けた後は、移転費支給決定書を就職先の事業主へ提出します。事業主は決定書に基づいて移転証明書を作成し、移転費を支給したハローワークへ送付します。
電子申請と紙の申請書の違い
公式の移転費支給申請書ページは、電子申請も可能と案内しています。一方、同ページの帳票作成機能は紙の申請書を作るためのもので、作成しただけでは申請は完了しません。紙で提出する場合は、A4白色用紙に等倍で印刷し、ハローワーク窓口へ提出します。
広域求職活動費との違い
| 制度 | 主な対象 |
|---|---|
| 移転費 | 紹介された就職や指示された訓練のため、住所・居所を変更する必要がある場合の移転費用 |
| 広域求職活動費 | ハローワークの紹介により遠方の求人事業所で面接等を行う場合の交通費・宿泊料 |
申請前チェックリスト
移転を決める前と申請前に確認する項目です。
よくある質問
求人サイトで自分で見つけた仕事への引っ越しも対象ですか?
移転費は、ハローワーク、特定地方公共団体または職業紹介事業者の紹介による職業に就く場合などが対象です。自己応募の求人で対象になるとは限らないため、転居前にハローワークへ確認してください。
家族の移動費も対象になりますか?
本人により生計を維持されている同居の親族が一緒に移転する場合は、本人と随伴家族について旧居住地から新居住地までの順路を基に計算されます。個別の対象範囲はハローワークが確認します。
引っ越した後でも申請できますか?
期限内であれば申請手続きはできますが、移転の必要性をハローワークが判断する制度です。すでに引っ越した後で初めて相談すると確認が難しくなる場合があるため、移転前に相談してください。
公式情報と確認日
この記事は、厚生労働省「移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について」と、ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」「移転費支給申請書(利用上の注意)」を2026年7月28日に確認して作成しています。
次にすること
遠方への就職または職業訓練のため転居が必要になりそうな方は、雇用保険受給資格者証を用意し、住居や交通手段を契約する前に管轄ハローワークへ相談してください。紹介経路、待期・給付制限、転居の必要性、就職先の費用負担、申請方法を確認します。
失業手当の申請方法を確認する雇用保険の受給手続きがまだの場合は、必要書類と管轄ハローワークでの申請手順を先に確認してください。再就職手当の条件を確認する早期に安定した職業へ就く場合は、移転費とは別に再就職手当の対象になる可能性があります。