雇用保険被保険者資格取得届の資格取得年月日や氏名フリガナ、生年月日を誤って届け出たときは、事業所を管轄するハローワークへ「雇用保険被保険者資格取得・喪失等届訂正・取消願」を速やかに提出します。電子申請は不可で窓口または郵送のみ、被保険者証・確認通知書と誤りを証明する書類の添付が必要です。

手続きの概要

「雇用保険被保険者資格取得・喪失等届訂正・取消願」は、すでにハローワークへ提出した資格取得届や資格喪失届の記載に誤りがあった場合に、その内容を訂正または取り消すための願出です。東京ハローワークの案内では、氏名・生年月日・資格取得年月日・離職年月日・離職理由などの誤りや、そもそも加入要件を満たしていないのに取得届を出してしまった場合の取消が対象とされています。大阪ハローワークの様式でも、誤(旧)と正(新)を並記し、訂正または取消の理由を詳しく記載する欄が設けられています。

対象者と提出が必要な主なケース

よくある訂正・取消のケースです。

  • 資格取得年月日を誤った(入社日と異なる日を届け出た)
  • 被保険者の氏名フリガナ・生年月日・性別を誤った
  • 資格喪失日(退職日)や離職年月日を誤った
  • 離職理由(会社都合・期間満了・自己都合等)を誤った
  • 雇用関係がなかった・採用が取消されたのに取得届を提出した
  • 加入要件を満たしていないのに取得届を提出したため取り消す

期限・提出先・提出方法

期限と提出先・方法を整理します。
項目内容
法令上の期限定めはありません。誤りが判明次第速やかに提出します
提出先事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)
提出方法窓口持参または郵送。電子申請(e-Gov)は対象外です
手数料無料

手続きが遅れると、被保険者の失業給付の受給資格や被保険者期間の通算に影響するおそれがあるため、気づいた時点で早めに対応します。理由書の提出を求められる場合がありますが、書式は任意でハローワークの指示に従います。

必要書類

必ず添付する書類と、訂正内容ごとに異なる確認書類に分かれます。いずれもコピーで提出できます。

訂正・取消の内容別に必要な確認書類です(東京ハローワーク案内より)。
訂正・取消の内容添付が必要な確認書類の例
被保険者氏名(フリガナ含む)の訂正運転免許証・マイナンバーカード・住民票・年金手帳など官公庁が交付した公的資料(フリガナ記載がない場合は労働者名簿等の補足資料を併用)
生年月日の訂正氏名訂正と同じ公的資料
被保険者となった年月日(資格取得日)の訂正賃金台帳および出勤簿(タイムカード)、または労働者名簿・雇用契約書・雇入通知書など正しい入社年月日が分かるもの
離職年月日(資格喪失日)の訂正賃金台帳および出勤簿、または労働者名簿・退職願など正しい離職年月日が分かるもの
離職理由の訂正会社都合:解雇通知書・労働者名簿等/期間満了:雇用契約書・就業規則等/自己都合:退職願/定年等:就業規則など正しい離職理由が分かるもの
資格取得届の取消(雇用関係なし・要件不満たす等)取消理由を詳しく記載。雇用関係が全くなかった場合や採用取消の事情、要件不充足を示す雇用契約書等
資格喪失届の取消出勤簿等、勤務が確認できるもの
転勤届の訂正・取消出勤簿等、勤務の確認できるもの

全てのケースで併せて添付するもの

  • 雇用保険被保険者証
  • 各種届出の確認通知書(資格取得等確認通知書 事業主通知用・被保険者通知用など)
  • 訂正・取消の根拠が確認できる上記書類

手順1〜4:願出から受理までの流れ

訂正する内容と正しい事実を確認し、様式を入手します。東京ハローワークの記入見本または大阪ハローワーク様式を使用し、①〜⑤欄には訂正対象の確認通知書の内容をそのまま転記します。⑥〜⑬欄は該当する欄のみに誤(旧)と正(新)を記入し、⑭欄に訂正または取消の理由をできるだけ詳しく記載します。

添付書類を準備します。被保険者証と確認通知書に加え、上表の確認書類を揃えます。氏名訂正でフリガナが公的資料にない場合は労働者名簿等の補足資料を添えます。いずれもコピーで構いませんが、公的資料のみ、補足資料のみでは不可とされています。

事業主欄を完成させます。法人の場合は主たる事務所の所在地・法人名称・代表者氏名を記載し、代表者欄は記名押印または自筆署名のいずれかとします。社会保険労務士が提出代行する場合は所定欄に記入します。

管轄ハローワークへ窓口または郵送で提出します。電子申請はできません。郵送時は返信用封筒の要否や到達確認の方法を事前に確認します。受理後、訂正が反映された確認通知書等が交付されますので内容を確認します。

注意点・よくある誤解

手続きで間違えやすい点を整理します。

  • 氏名変更(結婚・離婚等による改姓)は訂正願ではなく「雇用保険被保険者氏名変更届」で手続きします
  • 健康保険・厚生年金保険の氏名・生年月日訂正は、年金事務所または健康保険組合へ別の届出が必要です
  • 被保険者番号を複数持っている場合の統合は、本願の「重複統一」欄や別途の統合手続きで対応します
  • 離職票交付済みの訂正は「離職票記載内容補正願」に、交付前の訂正は本願に分かれます
  • 理由書は決まった様式がなく、ハローワークから求められた場合に任意様式で提出します

よくある質問

訂正・取消願はe-Govで電子申請できますか?

電子申請(e-Gov)では提出できません。窓口持参または郵送で、管轄ハローワークへ提出します。東京・大阪ハローワークの公式案内はいずれも持参を前提としており、添付書類の省略も不可とされています。

提出期限はいつまでですか?遅れた場合のペナルティはありますか?

法令上の期限はありませんが、被保険者の失業給付や資格期間に影響するため判明次第速やかに提出します。ハローワークによっては訂正内容や時期により理由書の提出を求められることがあります。

どの訂正でも同じ書類で足りますか?

いいえ、訂正する項目ごとに必要な書類が異なります。氏名・生年月日は公的資料、資格取得日は賃金台帳・出勤簿・労働者名簿・雇用契約書等、離職理由は解雇通知書・退職願・雇用契約書等と分かれています。どの書類が必要かは管轄ハローワークへ事前に確認すると確実です。

公式情報の確認日と次の行動

本記事は2026年8月24日時点の東京ハローワーク飯田橋「雇用保険に関する届出書類の訂正・取消に必要な書類/記入見本」(R5.7)、大阪ハローワーク「雇用保険被保険者に係る訂正(取消)願」(H29.10)、厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」ポータルで確認しています。まずは誤った届出の確認通知書と正しい事実が分かる資料(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿・雇用契約書・公的資料等)を揃え、誤・正を並記した願出を管轄ハローワークへ窓口または郵送で提出してください。離職票交付済みや氏名変更に該当する場合は別様式となるため、管轄ハローワークへご確認ください。